「えっとぉ…今日も嬉しいお知らせがあります」
真耶はぎこちない表情で朝のホームルームを仕切る。
その横に居るのは銀髪の眼帯を身につけた小柄な女性生徒だ。
「また一人、クラスにお友達が増えました。ドイツから転校してきた『ラウラ・ボーデヴィッヒ』さんです」
「どういうこと?」
「二日連続で転校生なんて」
「いくらなんでもおかしくない?」
「み、皆さんお静かに!まだ自己紹介が終わっていませんから」
「挨拶をしろ、ラウラ」
「はい、教官」
(((教官?)))
普段生徒を名字で呼ぶ千冬が名前で呼び、転校生が千冬を「教官」と呼ぶことを不思議に思うクラス。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「…あ、あのぉ…以上ですか?」
「以上だ!」
ここでラウラは一夏を目で捉える。
「貴様が…!」
そうして一夏に近づき…
「ふん!」パシッ!!
その頬にビンタを喰らわせた。
「「「!!??」」」
クラス中が驚く。いきなり引っぱたいたラウラ…ではなく、
「ひぃっ!?」
殴られた勢いで首が180°回転した一夏に。
これにはラウラも小さな悲鳴をあげる。
「けけけけけケンタウロスコンビニダイヤモンドルビーろくろ首アンティークギアマッシュルーム!!!」テケテケ
「ひいいいい!!??」
そして四肢を逆の方向に曲げ、仰向けになりながらの四足歩行でラウラの周りをゴキブリのように周回した。
「な、何なんだこいつは!?」
「一夏…遂に人間をやめてしまったか!?」
千冬も驚嘆している。
「皆よく見て!これロボットだよ!」
「「「えっ!?」」」
言われてみればやけにネジが露出している。というより何で気付けなかったんだろう。
ロボ一夏の口からFAXのように紙を吐き出す。
それにはこう書かれている。
『皆へ、俺は今日カンガルーの皆と太平洋分度器乱獲復興祭りに出るので学校は休みます。
追伸、ちゃんとオチがつくように自爆機能もついてるよ♪』
「「「じ、自爆!?」」」
その文字を見て皆が一斉に距離を取る。
ロボ一夏は立ち上がり……箒を抱えた。
「えっ?…はっ!」
ここで箒、今までの経験がこれから起きる事を察する。
「や、やめろ!もう私は爆発に巻き込まれたくない!やめろ!!」
ロボ一夏はまったく耳を傾けずに、一夏の寮へと猛スピードで走り出した。
「嫌ーーー!!!もう爆発は嫌ーーーー!!!」
そんな彼女の声も空しく遠ざかっていき…
数分後には、寮の方から爆音が響いた。
「何だと言うのだ…」
「ラウラ、この程度耐えないと一夏に勝てんぞ」
「!?」
この時ラウラは、自分はとんでもない奴を恨んでいるのかも知れない…と思った。
ファース党の皆様度々申し訳ございません。(土下座)