「ねぇ知ってる?今日転校生来るんだって」
「えっそうなの!?」
教室は新たなクラスメートの話で盛り上がっていた。
「だって先生が職員室前で話していたんだもん!」
「転校生…ですの?」
「ああ、そんなことより一夏知らないか?」
「同じ部屋だから今まで一緒に登校したのでは?」
「それが昨日移動になって…」
「席に着け、ホームルームを始める」
ここで千冬が入ってくる。
クラスの皆が着席した。
山田が教壇に立つ。
「今日は何と、転校生を紹介します」
クラスの扉が開き、転校生が入ってきた。
金髪でズボンをはいている。
「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。皆さん、宜しくお願いします」
「お、男?」
「はい、こちらに僕と同じ境遇のいると聞いて本国から転入を——」
「「「キャッーーーーー!!」」」
「男子!二人目の男子!」
「しかもうちのクラス!」
「守ってあげたくなる系の!」
「騒ぐな、静かにしろ!」
千冬の言葉により、クラスがシンとなる。
「あのところで…織斑一夏君は?」
「あいつは…いつも通りだ」ハァ
「えっ?」
するとその時…
「ゴーヤーーーーーーーー!!!!」
「「「「「!!??」」」」」
一夏が扉を蹴り破った。
これにはシャルもクラスの人も驚く。
一夏は動物を持っていた。
「見てくれよこのヘラジカ!高速道路では時速500㎏は出せるんだぜ!」
と、一夏は自分のイグアナを見せて自慢する。
「こいつみたいな早くて熱い心を俺も作る前戦ーーーーーーーーー!!!」
そして懐から縄跳びの紐を取りだし、自分の顔をひたすら叩く。
「これでもか!これでもカモノハシを昆虫と認めんのか!!」パシッ!!パシッ!!
「えっ!?ちょっ!?えっ!?」
「LET'S おやつマシーーーーン!!!」
そう言って窓を突き破って降りる。
「えっーーーーーーー!!??」
初体験のシャルルには何が何だか分からない。
「あの…先生?あれは…?」
「安心しろ、あれで普通だ」
「あれで!?」
「…少し待ってろ、捕まえてくる」
そう言って千冬はクラスから出る。
一夏は下でひたすらミミズのように呻いていた。
そこに、千冬の跳び膝蹴りが来た。
「織斑、転校生のシャルル・デュノアだ」
「どーも、織斑一夏です」
そして血まみれの状態で連れてこられる。
「同じ男子だ、お前が面倒見てくれ」
「よーし俺が立派な炬燵廃人にしてくれようぞ」クックック
「やめんかっ!!」
「ぐはっーー!?」
そうしてまた一夏が殴られる。
シャルルはその光景を見て開いた口がふさがらない。
久しぶりの一話みたいな雰囲気。