「お前以外全員女子かー言い思いしてんだろうなぁー」
「ああーしてるヨンダブル4D」
一夏は学園外、五反田家で親友の弾と格闘ゲームをしていた。
「マジで!?どんな子と!?」
「英国娘と幼なじみと鈴々とその他で遊んでるかなー」
「…お前の場合の『遊んでる』は『弄っている』って意味なんだろうな」ハァ
『K・O!』
ここで一夏のキャラが敗北する。
「ありゃ?また負けた。これで20連敗だぜ」
「だろうな!お前が使ってんのがWiiハンドルだからだよ!」
「え?格闘キャラを車扱いの如く動かすゲームじゃないのか?」
「そんなブラックなゲームじゃねーからこれ!」
「まぁいいや、マリカーやろうぜ」スッ
「そのリモコン今の格闘ゲームで使うんだよ!」
ここで部屋の扉が勢い良く蹴り開けられる。
「お兄〜お昼できたよ〜…って一夏さん!?」
弾の妹である蘭である。家の中だからか少々だらしない着方をしていた。
「おう蘭、お久しぶリンカーン」
「何してるんですか!?」
「今からだだんだんとリアルグラセフしようかなと思ってな」
「どこのバイ菌のロボットだ俺は!そしてやらねぇよそんな物騒なこと!」
「き、来てたんですか〜?」
「家の人面大根収穫のついでにな」
「お前いい加減あれどうにかしろよ、おかげでお前ん家幽霊屋敷なんて噂されてんぞ」
「ああ、だからこの前千冬姉白目剥きながら俺のことボコスカアタックしたのか」
「お兄!何で言わなかったのよ!?」コソコソ
「仕方ねぇだろ!こいついきなり窓から現れたんだぜ!?」コソコソ
「お引っ越しです」
「はい?」
その日の晩、山田が部屋に入ってきてそう言う。
「どうしたんですか先生、ついに黒猫野郎の手先になりましたか?」
「違います!…ていうか何してるんですか?」
山田の目の前には、丸太を持ってホッケーマスクをした男を箒が取り押さえていた。
「一夏のことは気にせず…それはどういう意味ですか?」
「部屋の調整がついたんです、篠ノ之さんは別の部屋に移動です」
「ま、待って下さい!それは今すぐでないといけませんか!?」
「それはまぁそうです。何時までも年頃の男女が同室で生活するというのは、篠ノ之さんもくつろげないでしょう?」
「じゃあ俺が女装すれば…」ゴソガソ
「「しなくてもいい(です)!!」」
スカートを着用する一夏を止める2人。
「ていうより俺も一人の方がいいな。この部屋もっとグチャグチャにできるし…」
「それは本当に止めていただきたいのですが…」
山田が溜息を吐く。
逆に一人の方がいいと言われた箒は怒った。
「先生!今すぐ部屋を移動します!」
「は…はい」
そう言って箒は部屋を出ようとするが…
「待て箒!今お前に出られると困る!」
急に一夏が呼び止めた。これには箒も驚く。
(まさか一夏…そんなに私と同室…いや同棲がいいのか!?)
「お前がいないと、いつものオチができない」
「はっ——?」
振り返ると、一夏はスイッチを手にしており、それを躊躇無く押した。
『3秒後に爆発します』
「「「えっ——?」」」
こうして、一夏は一人になったとさ。
「犬の小便博士ーーー!!だからワサビにボールペンは無理だとーー!!」
寝言を聞く人もいない。
次回、妾の子登場。