「楽勝って…あんた何する気?」
「まぁ見てなって…!!」
すると一夏が無人機の懐に潜り込み、重い拳を腹に入れた。
「なっ!?」
その威力は先程とは大違い、殴られた箇所が深く陥没している。ぱちぱちと音を鳴らし、無人機が震え始める。
「もういっちょ!」
今度は回し蹴りで右肩を破損させる。その次は腕払いで右足を、左足を、左肩を、右腕を、左腕を、
「
一夏による圧倒的な打撃の連続、一つ一つが無人機をヘコまし、削り、ボロボロにした。
攻撃を受ける度に無人機の動きを鈍くなる。それもその筈、一夏は攻撃を当てた時、大量の電圧を無人機の内部に流し込んでいるからだ。
その電圧量は想像を絶する程であり、それが無人機を中から壊していく。
この技は、無人機相手にできる物であった。
これを人間が乗っているISに使うと、凄まじい電圧で殺してしまうからだ。
「
ここで一夏は無人機を投げ飛ばして竜巻を起こし、無人機を竜巻で周回させる。
竜巻の中にはナイフの形をした電圧が散らばっており、無人機が回転する度にその体を削る。ミキサー状態だった。
「凄い…」
その光景に鈴は動けずにいた。ここまで力があったとは思っていなかったからだ。
「鈴!お前の龍砲!俺に撃ちまくってくれ!!」
「はぁ!?あんた何言って!?」
「いいから!早く撃て!」
「無理に決まってんじゃない!そんなことできるわけ——!」
鈴は気付いた。もう自分は一夏の手駒になっていることを。龍砲の標的が、勝手に一夏になる。
「……ああもうわかったわよ!やるから操るのは止めなさい!」
そう言うと一夏のコントロールは無くなり、鈴は自分の意思で龍砲を撃った。
(
鈴は一夏に龍砲を撃ちまくる。するとどうしたことか。一夏の右手が凄まじい稲妻を纏う。
(電力に変える!!)
一夏が作ったのは自分より数倍大きい電気の剣。無人機を圧倒的に上回る程のサイズだった。
「これでトドメだぁ!!」
電気の大剣を構え、無人機へと一直線に飛ぶ。無人機はもう正常じゃ無いのか、避けようとも逃げようともしない。
「——
無人機が、無人機の体が、真っ二つに切断される。
それを見ていた者は皆驚いていた。
そして…爆発した。
「はっは…これで終わり尾張お寿司だぜ」
最後に一夏の性格が戻っていた。
ゴーレム戦終了です。一体誰の仕業なんだー(棒)