「喰らえ!」
「あんたがねっ!」
一夏と鈴の撃ち合いはかれこれ数十分続いている。
ここで言っておこう。一夏は鈴をすぐに倒せる。
鈴の射撃が当たらないほどの速さ…つまり
楽しんでいるのだ。ある程度の距離を作ってでの撃ち合いが。新しい
「行くぞ鈴!!」
「私だって…!」
しかし、二人の戦闘を1本のビームが遮る。
「「!!??」」
アリーナの遮断シールドを破って爆風を上げた。
「システム破損、何かがアリーナの遮断シールドを貫通してきました!」
「試合中止!織斑、凰!直ちに退避しろ!」
ここで防衛のため観客席の屋根が全て閉められる。
「何だぁ…?」
「一夏!試合は中止よ!今すぐピットに戻って!」
ここで画面に情報が映し出される。
「所属不明のIS…?」
「一夏!早くピットに——!」
爆炎の中から発射されたビームに当たりそうになる鈴だが、一夏が鈴を持ち上げて避ける。
「ちょっと馬鹿!放しなさいよ!」
ここでビーム兵器を撃ってきた者の姿が目に入った。全体的にゴツいIS、一切操縦者の皮膚が見えないことから
「IS…なら!」
ここで一夏は紫色の波動を発するが、正体不明機に掻き消されてしまう。
(ハッキング防止システム…いや、防止どころか…)
ここでエラー画面が幾つも表示されるが…
(俺を操ろうなんざ…五万年早え!)
一夏のタイピングによってすぐに消された。
(俺がハッキングしようとした時の経路で逆に乗っ取ろうとしてきたか…!そしてアリーナも!)
「先生!遮断シールドが強制的にレベル4、そして扉が全てロック状態に!」
「あのISの仕業か…」
「どうしたのよ!?一夏!」
「鈴、あいつは気をつけた方が良い。俺のハッキングコントロールが効かなかった」
「はぁ!?」
「それどころかアリーナのシステムを奪われちまってる…どうやら俺達も含め生徒をここから出さないつもりらしい…!」
「ここから?…なら」
「先生や先輩方が何とかするまでこいつを足止め…だろ?」
「いや…こいつを倒すわよ!」
「了解…楽勝だぜ!」
ここで一夏は
「俺が高速の接近戦をするから、お前は遠くからの射撃援護を頼む。俺ごと撃つつもりで構わない!」
「…本当にするわよ」
「ご自由に!」
ビームを躱しながら話し合う2人。もう2人の標的は正体不明機になっていた。
「行くぞ!鈴!」
「任しときなさい!一夏!」
次回からゴーレム戦です。