「というわけだから…部屋変わって?」
と、鈴が1025室に来て箒に聞いた。
「どういうわけだ!前の話では私と一夏の同室の話すら出てこなかったぞ!」
「そりゃあれよ、書かれなかっただけよ」
「ふざけるな!何故私が!」
「いやぁ〜篠ノ之さんも男と同室なんて嫌でしょ?」
「別に嫌とは言ってないが…逆に貴様はこの部屋が嫌では無いのか?」
ちなみにこの部屋は色々とパワーアップしている。
ベットの下には大量の魔導書、鏡には赤い絵の具(消えない)で「ピーマン・ピーウーマン」と書かれており、シャワー室には足が付いたコンニャクの模型が100以上飾られている。
「…………………別に構わないわ」
「嘘をつけ!今目線が泳いでいたぞ!私自身も嫌がっているというのに」
「だったらこの部屋出て行けば良いじゃない」
「ぐっ…それは…」
ここで箒は、後ろでダンベルを両手に持ちながらラジオ体操している一夏を一瞥する。
「兎に角!その提案は断る!これは私と一夏の問題だ!」
「それなら私も幼なじみよ、ねー♪」
「ねー♪」
「貴様も反応するな!」
箒の怒りがMAXに到達する。
「ところで一夏、あの約束覚えてる?」
「PROMISE?」
「……そう!小学校の」
「ああ、一緒に鉄棒の上で押し相撲しようって約束か」
「違うわよ!そんな約束してないわよ!」
「無視するな!こうなったら!」
箒の怒りが爆発し、手元にあった竹刀を持つと…
『よくぞ我を抜いた…』
「「!?」」
竹刀からやけに低い声が響いた。
『我を抜いた者よ…何を望む?』
「な、何だこれは!?」
「ああ、お前の竹刀なんかつまらなかったから音声機能埋め込んだぞ」
「このぉ!!」
『何を望む…』
「…これ、どうやったら止まるの?」
「願いを言えば止まるぞ」
「そう…だったら私と一夏を…」
「待て!今貴様何を言おうとした!」
「良いじゃない!あんたは黙っていなさい!」
「何を!!」
二人が竹刀のことを忘れて喧嘩を始める。
『何を望む…』
「布団に入りながらバーベ球技大会がしたいな」
「「あっ!!」」
『布団に入りながらバーベ球技大会…良いだろう』
「嘘!これ本当に願い叶えてくれるの!?」
「まずバーベ球技大会って何だ!?」
ここで竹刀が携帯のように振動し始め…
『だったらお望み通り焼いてやるよぉ!!死ねリア充!!』
『3秒後に爆発します』
「「「えっ——」」」
こうして、一夏と箒と(何故か)鈴は廊下で寝るはめになったとさ。
「貴方は犬の小便博士!!貴方がたこ焼き豪雨を止めてくださるんですね!」
((寝言がうるさくて寝られない…))
モッピー、部屋を失う(二回目)。