『史上初!ISを起動させた男性、日本に現る!』
驚愕のニュースが世界を駆け巡る。
本来女性にしか使えない『IS』を男が起動させたという物だ。
世界の常識を壊すにはこれだけで十分だった。
そんな彼『織斑 一夏』がIS学園に入学するというのだ。
同じクラスの女子は皆興味があった筈だ。しかし…
「ええっと…織斑一夏君は…」
山田先生の困った声に皆心の中で「だろうな」と思う。
肝心の彼が教室に来ていない。現在クラスメートの自己紹介が終わったところである。
「山田先生、気をつけた方が良い」
「え?」
そんな一夏の姉である「織斑 千冬」は呆れた顔で山田に忠告する。
「あいつのことだ。遅れてやってくる」
「遅れて…?」と皆が心の中で疑問を感じていると…
ドンッと扉が開く。
そして扉を開けたのは…
「…」
なまはげだった。
「え…?」
これには大人である山田も驚きを隠せない。
生徒達だって開いた口が塞がらない状態だった。
「…」
なまはげは黙ったまま先生2人を押しのけて教壇の上に立つ。
異様な光景に誰もついていけない。千冬だけが「やれやれ…」と頭を抱えていた。
なまはげは一度教室全体を見渡すと、仮面をはずそうとした。
「…ゴクリ」
教室内の全員(千冬を除く)が息を呑む。
なまはげは仮面に手を掛けたまま動かない。
外すのか、外さないのか、どっちなのか。
「…もってんのか?」
「「「「「…はい?」」」」」
「外すと思ってんのかぁああ!!???」
仮面越しから奇声が飛び出た。
「お前ら俺が仮面を外すと思ってんのか!?何で知らない人に顔を見せなきゃ行けないんだよ!なんでなまはげって秋田なの!?何でソーセージじゃなくてきりたんぽなんだよおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
教卓の上で暴れるなまはげ、その言葉は一切理解できない。
「おい山田ぁ!!分かるか!?」
「は、はい!?」
「分かるかって聞いてるんだこの緑メガネぇええええええ!!!!」
「み、緑メガ…」
「何でなんだよ…なんで智三さん死んじゃったんだよぉお…何でシャーペンはボールペンに進化しないんだよぉお…」
「え、ええと…」
「返 事 を し ろ !!!!」
「は、はいぃい…」
急に攻められ始めた山田は今にも泣きそうだった。そこで千冬は出席簿で1回殴ろうとするが…
「真剣白刃どり!!!」
と言って自分の人差し指を自分の目に突き刺す。
「あがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ目があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
これにも千冬もびっくり。自分で自分の目を攻撃して苦しみ始めた。
「こ゛の゛カ゛ッ゛プ゛ラ゛ーメ゛ン゛め゛っち゛ゃお゛いし゛いいいいいいいいいいいい!!!!!!」
などど黒板に何度も頭をぶつけながら叫んだ。
何だこれは…
今起こっていることを説明しよう・
なまはげがきた→山田先生にキレた→自分の目に攻撃した→カップラーメンおいしいいいいいいい!!!!
うむ、訳が分からない。
なまはげは急に黙り込んで、仮面を外して皆の前で素顔を見せた。
「織斑一夏です。趣味はさっき言った通り盆栽にチーズをぶっかけることです。三年間よろしくお願いします」
そう自己紹介して自分の席に着く。
こうして、最悪の狂人である織斑一夏のIS学園生活は始まったのだ。
読んで頂きありがとうございました。1回一夏を狂わせたかったんです(笑)。