違うクラスの女の子に目をつけられたんだが   作:曇天もよう

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またまた遅れてしまいました

次回こそは早く書き上げたいのですが、リアルが忙しがったりするので、次回もいつになるかは未定ですが、気長に待っていてください


ベースキャンプにて

葛城の話を聞くことに成功した俺だったが、その後綾小路、佐倉と合流し、一旦Dクラス本隊と合流することにした。

葛城や洞窟内に残っているAクラスの面々が気づかないように静かに移動し、二人の背後に近づくと綾小路に話しかけたのだった。

 

この時佐倉はギョッとしたような仕草を見せていたが、綾小路は至って冷静に対応したのだった。

普通突然背後から話しかけられれば何かしら反応する…例えば佐倉がしたように身体が大きく動く、顔の表情が強張るなどがあるが、綾小路は一切そのような反応はなかった。

俺と同じように葛城を監視していたのならば話しかけられればそれは監視していたのがバレたのでは…そう思ってしまうため、何かしらあると思ったが、それがないということはよほど肝が座っているのか、俺がいたのをすでに気づいていたかのどちらかだろう。

 

味方ではあるが、綾小路は実力の底が全く見えないので不気味に思う。この試験で綾小路がどのような動きをするのか、それも観察しておきたい…そう考えていた時、綾小路に何の要件か聞かれたので、戻りたいが移動していて分からないと伝える。すると、綾小路たちもそろそろ戻る予定だったというので二人に付いて行くこととなった。

 

綾小路は相変わらず戻る間も無口であったため、何も話さなかった。そのため、何も伺えなかったが、佐倉は何か惚けているのか小さな声でうわ言を言っては、はっとした表情になって首を振るなどしていた。

 

 

 

 

「桐生くん!無事そうで何よりだよ!」

 

綾小路たちと移動すること15分、平田と軽井沢がいる場所に到着した。他に人がいないのでどうしてか尋ねると、どうやら池や山内たちが綺麗な川を見つけたため、そのポイントに移動したらしい。一度軽井沢が移動した後戻ってきて、まだ帰ってきてない人を待っていたらしい。そして、あと帰ってきていなかったのは俺、綾小路、佐倉、高円寺だけだったらしい。

 

高円寺をここで待つことになるかと思ったが、どうやら高円寺は最初は綾小路たちと行動していたらしいが、勝手にどこかへ行ってしまったらしい。そのため、ここで待っていても帰ってくるとは限らないと綾小路が話した。それを聞くと、平田も仕方ないと諦めて移動することになった。佐倉はあまりこういった外で動くことに慣れてないのか疲れているようであったが、綾小路があと少しだから頑張れと励ますとやる気を出していた。

 

 

 

 

 

軽井沢の先導でそのポイントを目指していると、少し開けた場所に到着し、そこに他のDクラスのメンバーたちが揃っていた。しかし、またも険悪なムードを醸し出していたので、平田が中心で睨み合っている人たちの間に入って仲裁に入った。

軽井沢もそれについて行ったが、綾小路と佐倉はそんなこと気にする余裕がないのか、テントに腰をかけて座っていた。

 

俺もクラスの中で喧嘩していてはこの試験を乗り切らないと思ったので、少し離れた場所から話を聞いてみることにした。

 

話を聞いてみると、川の水を飲むことに女子たちが反対していて、男子たちは実際に飲んで安全生を証明したようであった。

その実際に飲んだことに対して女子たちが貶したようで、池や山内たちが反論し、互いににらみ合ったまま火花をぶつけ合っているようであった。

 

平田は周りにいたクラスメートに落ち着いて話を聞いてから仲裁に入った。女子たちが喧嘩腰に突っかかっているため、まずは女子たちを大人しくしようと試みるが、なかなか上手くいかない。そして、その喧嘩腰に頭が来た池や山内たちも今にも飛びかかりそうな勢いで迫っていた。

 

平田もどうすることができず困っていると、意外にもここで須藤が喧嘩の仲裁に入った。女子たちには全てを否定していたら始まらないと言い、男子たちにもムキになって話をするな、そう言った。

 

男子たち、特に中心になって話している池や山内たちは須藤に言われて落ち着きを取り戻したようで、喧嘩腰になっていたのを辞めた。

 

しかしながら、女子たち、特に篠原を中心としたグループは須藤にも突っかかり、チームワークを散々無視して迷惑かけてきたあんたがチームワークを語るなと言った。

 

この言葉によって須藤が怒るかもしれない、そう直感的に思った平田が須藤を宥めようとしたが、意外にも須藤は冷静に対応したため、その場は喧嘩の様相にはならないで済んだのだった。

 

そして、その場で須藤が煮沸をやったらいいんじゃないかと言う。これに対して女子たちはそんな事は分からない、バカなあんたがそんなこと言っても信用ならないと言った。

 

これに業を煮やした池や山内が再び突っかかろうとしていたが、俺が制して止めさせる。そして、喧嘩腰の女子たちに少し話をする。

 

「須藤の言ってることは間違いじゃない。実際、災害にあった時の対処マニュアルにもそれは乗ってるからな。それによると災害時に川の水を飲む際には、水をろ過し、煮沸をした上で、消毒をすれば安全な水になる、とのことだ。ここの水を見る限り澄んでいるからろ過については多分あまり考えなくてもいい。最低限煮沸消毒だけすれば飲み水として適するようになるだろう」

 

「で、でも…」

 

「それでも気になるのはわかる。普段安全な水を気にせず飲んでいたからな。川の水を飲むってなると気がひけるかもしれない。だから俺が気になる人の分はろ過、煮沸も行う。それで手を打ってはくれないか?」

 

「…」

 

女子たちはみんなで相談を始めた。いいんじゃないかな…と話している人たちもいたが、断固反対している人もいた。

それから少し話を続けていたが、最終的に俺の案になってくれたようなので、この話も解決となった。

 

その後平田が「ありがとう、助かったよ」と感謝の言葉を伝えてきたが、そんなに大したことをしたわけでもないのでそれを伝えてその場を後にした。

 

 

 

しばらくしてDクラスの面々は様々なことをするために一度別れることになった。櫛田の率いる食料調達班、須藤たち男子組の島の探索、及び他クラス監視組み、平田と軽井沢率いるベースキャンプで準備を整える組み、そして俺の所属する焚き火のための枝の回収班に分かれた。

 

俺は個別でろ過、煮沸をするためのセットも用意しないといけないが、そこもなんとかしなければならない。そう思いつつも同じく枝を回収に向かったのだった。


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