インフィニット・EATER   作:マスターM

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ゴッドイーターの戦い

シャルルが着替え終わり更衣室から出て来たタイミングで一夏が到着した。

 

「ジン置いて行く事ないだろ・・・」

 

「俺の事を飛び降りるしか脳がないと思った罰だと思え。他にも方法はあったが、アレが一番被害が無いヤツだったからそうしただけだ」

 

「・・・一応聞くが他の方法って何だ?」

 

「壁や天井を走る事だ」

 

「「・・・・・・」」

 

「ん?どうした2人共?」

ジンが他の方法を話すと一夏とシャルルは黙った。

 

「いや、もういい・・・」

 

「うん。ジンの事数分しか接してないけど、規格外だって分かったよ」

 

「そうか。それと一夏着替えないと出席簿の餌食になるぞ」

 

「やべぇ!!」

一夏は急いで更衣室に入って行き、ジン達3人はグランドに向かった。案の定一夏は遅れ手痛い一撃を貰った。

 

 

 

「本日から格闘及び射撃を含む実戦訓練を開始する」

 

『はい!』

千冬の号令に1組と2組の生徒は元気よく返事した。

 

「今日は戦闘を実演してもらおう。丁度活力が溢れんばかりの十代女子もいることだしな。凰!オルコット!」

千冬は先程喋っていた鈴とセシリアを指名した。

 

「専用機持ちはすぐ始められるだろ。それにあいつ等にいいところを見せられるぞ」

最初の言葉は全員に聞こえるように言い、後半の言葉は2人に近づいてジンと一夏の方を向き言った。

 

(織斑先生お二人の動かし方分かってますね・・・)

 

(鈴さんはジンさんで、セシリアさんは一夏さんですね・・・)

 

(あはは・・・ツバキさんと同じと思ったら少し違うね)

千冬の行動を見て、フラン、アリサ、リッカはこう思った。

因みにISの実習の時はフランとリッカはデータを集める為に参加している。リッカの近くにはアリサの神機が入ったケースが置いてある。

 

「やはりここはイギリスの代表候補生、わたくしセシリア・オルコットの出番ですわね!」

 

「まぁ、実力の違いを見せるいい機会よね!専用機持ちの!」

セシリアと鈴は物凄いやる気が出ていた。

 

「それで、相手はどちらに?わたくしは鈴さんとの勝負でも構いませんが」

 

「ふふん。こっちの台詞。返り討ちよ」

 

「慌てるな馬鹿ども。対戦相手は山田先生だ」

セシリアと鈴の言い合いを沈め、千冬は2人の相手を山田先生と言った。

 

「山田先生は元代表候補生だったからな。さて始めるぞ小娘共」

 

「あ、あの二対一で・・・?」

 

「いや、流石にそれは・・・」

 

「安心しろ。今のお前達ならすぐ負ける」

負けると言われ2人は闘志をたぎらせた。そして千冬の合図で模擬戦が始まった。

空中での戦闘を見ながら千冬はシャルルに山田先生が使っている、ラファール・リヴァイヴの説明をさせた。

 

「山田先生の射撃は精確だな」

 

「そうですね。それに比べ鈴さんとセシリアさんの連携はお世辞にもいいと言えないですね」

 

「そうだな」

シャルルの説明を聞きながらジンとアリサは3人の戦闘を見て感想を言った。そうしている内に鈴とセシリアは落とされた。

 

「くっ、うう・・・まさかこのわたくしが・・・」

 

「あ、アンタねぇ・・・何面白いように回避先よまれてんのよ・・・」

 

「2人ともそこまでだ」

鈴とセシリアが言い争いが始まりそうだったからジンは声をかけた。

 

「今の負けは当然だな。2人共連携しないで動いたのが原因だ。いいか2人以上で組んだ時は連携が一番重要だ。特に今回は遠距離のセシリアと、近・中の鈴ととてもいい組み合わせだった。セシリアが山田先生の動きを封じつつ鈴の援護をしていれば結果は逆になっていたかもしれない」

 

「櫻羽の言った通り2人以上の時は連携が重要だ。それと諸君にもIS学園教員の実力は理解出来ただろう。以後は敬意を持って接するように」

ジンが言った後に千冬が付けたした。

 

「専用機持ちは櫻羽、織斑、オルコット、凰、デュノア、ボーデヴィッヒだな。では・・・」

ビー!ビー!ビー!ビー!

 

「!緊急事態発生!!アラガミの反応を感知しました!!」

IS学園を囲うように設置した360度アラガミ反応器がアラガミの反応をキャッチし、フランのパソコンが反応した。

 

「場所は!?」

 

「ここから南に20キロの所に5つの反応があります」

 

「俺が行く。アリサはここに残れ」

 

「はい!」

急に緊迫した空気になり生徒達は息をのんでジン達のやり取りを見ている。

 

「待って下さい!さらにその地点からさらに10キロ離れた所にも5つの反応があります!!」

ジンが向かおうとしたら更にアラガミの反応を感知した。

 

「何だと!!?くっどうする・・・」

 

「・・・ジンさん私も出ます!!」

 

「だがそれでは学園が手薄になる・・・」

 

「私達ゴッドイーターは人々をアラガミから護る事が義務です!学園が手薄になるなら早く片付ければいいだけです!!」

 

「・・・そうだな。よし!アリサは20キロ地点のアラガミを頼む。俺は30キロ地点の方に行く。フランは極東支部に応援要請!!」

 

「「了解!!」」

ジンの命令にアリサとフランは頷いた。

 

「アリサ捕まれヘリポートまで送る」

 

「はい!」

因みにIS学園のヘリポートの一つに極東支部のヘリが置いており、緊急時に使う事になっている。

 

リッカから神機の入ったケースを受け取りアリサは黒牙を纏ったジンにヘリポートまで送られ、アラガミ出現ポイントまで急行した。

 

「極東支部応答願います!!」

 

『はい。こちら極東支部。どうかしましたか?』

ジン達が動き始めたと同時にフランは極東支部に連絡を入れた。極東で対応したのは同じオペレータのヒバリだった。

 

「IS学園の南に20キロ地点と30キロ地点にアラガミが出現!ジンさんとアリサさんが出撃した為学園が手薄になりました。直ぐに動ける神機使いの手配をお願いします!」

 

『了解しました!直ぐ手配します!!』

そう言い通信を切り、ヒバリは動ける神機使いを探した。

フランは出現したアラガミを調べた。

 

「20キロ地点は・・・プリティヴィ・マータ4体とディアウス・ピター1体。30キロ地点はガルム4体とマルドゥーク1体」

 

「2人にとって因縁の相手だね」

 

「あ、あの~そのプリティ何とかてどんなアラガミですか?」

緊迫した雰囲気から解放されたセシリアが質問した。

 

「まずプリティヴィ・マータは第二接触禁忌種でヴァジュラ神属です」

フランは空中ディスプレイに写真を出しながら説明を始めた。

 

「次にディアウス・ピターはマータと同じ接触禁忌種ですが、ピターは第一接触禁忌種に指定されてます」

 

「これが第一接触禁忌種・・・」

 

「なんて恐ろしい存在なのだ・・・」

生徒達は愚か千冬までもが恐怖した。

 

「続けます。ガルムは基本種のアラガミで、マルドゥークはガルムの感応種です。因みにジンさんが血の力に目覚めたアラガミと同じ個体です」

 

「これが感応種・・・」

 

「写真だけでも恐怖しますわ・・・」

 

「これは!・・・ジンさんマルドゥークの近くに反応があります!!恐らく一般人だと思います、急いで下さい!!」

 

『了解した!!』

 

「モニター出します!!」

フランは30キロ地点の映像を出した。

 

「「蘭!!?」」

 

「一夏と鈴の知り合いか?」

 

「ああ中学で出会った友達の妹だ」

 

「ジン急いで・・・」

 

 

 

 

 

 

今日蘭は学園が臨時休校となり気分転換に出かけていた。しかしそこに5体のアラガミが現れ自身の死を悟った。

 

「嫌・・・誰か助けて!!」

ガルムが蘭に近づいた瞬間上から銃弾だ飛んできてガルムは後ろに飛び避けた。

 

「間に合ったようだな」

ジンは黒牙を解除してマルドゥーク達に目線を向けた。

 

「おいお前」

 

「は、はい!」

 

「俺が合図したら目を瞑れ。その後あそこの物陰に隠れていろ、それとそこから動くなよ奴等は耳が良いから狙われるぞ」

 

「は、はい」

蘭が頷いたのを確認したジンはスタングレネードを取り出し5体共の動きを観察し始めた。

 

「今だ!目を瞑れ!!」

蘭に目を瞑るように言いスタングレネードを使った。マルドゥーク達が怯んだのを確認しジンは蘭を物陰に走らせた。

暫くするとマルドゥーク達が回復し空に向かって吠えた。

 

「アリサの援護にも行かないとな。さっさと終わらせる!」

 

『感応制御システム起動!誓約を履行して下さい』

 

「対象をマルドゥークに選択、追撃の誓い、破壊への衝動、解き放つ本能、追撃の誓い・絶を選択」

ジンは選択を終えマルドゥークに向かって走り出した。当然ガルム達はジンを行かせないよう立ち塞がろうと動く前にジンはガルム3体の横を通り抜けていた。残ったガルムが右脚で攻撃してきたがジンは焦らず勢いを殺すことなく左に避け、マルドゥークの前に出た。

 

『リンクサポートデバイス効果発揮します!』

 

「計算通りだ!」

横一線に神機を振るうと、マルドゥークの顔が結合崩壊を起こした。

 

『拘束フレームパージ!!残り2つです!!』

 

「オッケー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スゲー・・・」

ジンの戦いをみて一夏はそう呟いた。

 

「これがゴッドイーター・・・」

 

「あんな化け物に立ち向かうなんて私には無理だよ・・・」

生徒達もジンの戦いに釘着けだった。

 

「リンクサポートデバイスを上手く使いましたね」

 

「そうだね。破壊の一撃とフルバーストの組み合わせを考えた上でのブラッドレイジを起動したね」

 

「何の話だ?」

 

「リンクサポートデバイスについては私の授業の時に話すよ。丁度ブラッドレイジ発動するみたいだし」

 

「ブラッドレイジ発動します!」

フランがそう言い直ぐジンに変化が現れた。

背中に金色に輝く漆黒の翼が出現した。

 

 

 

 

 

「先ずはガルム達を片付ける」

そう言いジンはガルム達にブラッドアーツ・バリアスライド、ドライブツイスター、秘剣・昇り飛竜を使い的確に結合崩壊を起こしつつコアを破壊していった。

 

『ブラッドレイジ、持続限界まであと10秒!』

フランがそう言った時にはガルムは残り1体になっていた。その1体も無尽ノ太刀・蒼で倒した。倒したと同時にブラッドレイジが終了した。

次にジンはアサルトに可変し氷属性のブラッドバレッド・ホーミング弾を撃ちつつマルドゥークに接近した。マルドゥークは火球を飛ばしてきたがジンは上に跳躍し避けた。ジンが上に避けたのを見てマルドゥークはジンの方に炎を纏って突撃して来た。

ジンは素早くロングブレードに可変して、タイミングを見計らって、バックラーを展開しガードした。次にジンはマルドゥークの後ろから捕食し後足を狙い切って行った。何回か捕食しながら攻撃すると結合崩壊を起こしダウンした。

 

『敵ダウン。敵のオラクル反応が弱まってきました!』

ダウンしたマルドゥークに捕食とブラッドアーツ・疾風ノ太刀・鉄で的確にダメージを与え、起き上がった時にガントレットを目がけ、マルドゥークのアラガミバレッド・神狼焦熱波を連続で撃った。

最後の神狼焦熱波が当たった時にガントレットが結合崩壊を起こした。ジンはロングブレードに可変しそのまま勢いを乗せブラッドアーツ・ソニックキャリバーを当てた。するとガルムがダウンした。

 

「コアを抜き取って終わらせる」

ジンはコアごと捕食しマルドゥークは沈黙した。

 

『マルドゥークの沈黙を確認しました』

 

「よし。もう大丈夫だから気を付けて帰れよ」

ジンは物陰から見ていた蘭にそう言い黒牙を展開しアリサが交戦している所に向かった。

 

「行ちゃった。・・・格好よかったな」

ジンが向かった方を見ながら蘭はそう呟いた。




初の4千字以上!

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