インフィニット・EATER   作:マスターM

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簪登場

午前中の授業も終わりジンは一夏に昼食を誘われ食堂に来ていた。その中には箒、セシリア、鈴もいた。

 

「じゃ改めて自己紹介ね。アタシは凰鈴音。中国の代表候補生よ」

 

「わたくしはセシリア・オルコット。セシリアでいいですわ。イギリスの代表候補生ですわ。」

 

「篠ノ之箒だ。箒で構わない」

 

「篠ノ之?ISの産みの親の篠ノ之束の縁者か?」

 

「・・・私の姉だ」

 

「・・・そうか」

 

「詳しく聞かないんだな」

 

「言いにくいのだろ?なら無理に聞くのは野暮ってもんだ」

 

「助かる」

 

「ああ。じゃあ最後に俺だな。櫻羽ジンだ。ジンでいい。歳は18だが気軽に接してくれ。何か質問はあるか?」

鈴から自己紹介を始めセシリア、箒と続いてジンも自己紹介をし質問がないか一夏達に問いかけた。

 

「じゃアタシから。ジンは昨日の奴とずっと戦ってるの?」

 

「ああ。アレはヤクシャと言ってアラガミの中では中型種だ」

 

「はぁ!?アレで中型!!?」

 

「大きさ的に3メートルなのにか!?」

 

「ボス的な奴だったら約10メートル以上のもいるし、小型で人位の大きさだな。他に質問はないか?」

 

「ではわたくしから質問です。神機の種類は幾つですか?」

 

「近接用はショートブレード、ロングブレード、バスターブレード、ブーストハンマー、チャージスピア、ヴァリアントサイズの6種類で遠距離用がスナイパー、アサルト、ブラスト、ショットガンの4種類。装甲用がバックラー、シールド、タワーシールドの3種類だ。因みに可変機能が付いたのは第二世代の新型からみたいだけどな」

 

「じゃジンさんが使っているのは第二世代の物ですか?」

 

「いや、俺達ブラッドは第三世代と言われている」

 

「何が違うのよ?」

 

「ん~まず投与された因子が違うな。一般のゴッドイーター達はP53偏食因子だが俺達ブラッドはP66偏食因子だな。P66偏食因子を投与された者は血の力に目覚める事が出来るそうだ。後腕輪の色だがブラッドは黒、他のゴッドイーター達は赤だ」

 

「その血の力と言う物は授業で起こったあの現象か?」

セシリアに神機の事を聞かれ神機の種類と世代を話した後に血の力の事を話した。

 

「ああ。『喚起』それが俺の血の力だ。他にも『統制』『直覚』『誘引』『鼓吹』『対話』『慈愛』がある」

 

「リッカさん達の話だと、血の力を持つ人はブラッドなんだよな?」

 

「ああそうだ」

 

「詳しく教えて欲しいですわ」

 

「んー教えるのは授業の時な」

そうジンはジン達の世界の事を知りたいと多数の意見があり、授業の一コマに組み込まれことになった。そしてジンは教える側に回る。

 

「せめてもう1人欲しいな」

 

「リッカさんとフランさん以外にか?」

 

「ああ、出来れば神機使いがいいな」

 

「どうして?」

 

「まず一つ目。俺のサポートが出来るから。二つ目。俺が呼び戻された時にもしもの場合の保険だ」

 

「保険?」

ジンは周りを見渡し一夏達に集まるように指示し保険の理由を言った。

 

「俺が呼び戻された時にアラガミがここを襲っても対処できるようにだ」

 

「「「「!!?」」」」

 

「ど、どう言う事だよ・・・」

 

「アラガミが何の目的もなく現れる訳ないと思う。恐らくだがアラガミはISを捕食するために此処に現れたと思う。アラガミに通常の兵器は効かない、実際に分かった事だ」

 

「だからこそジンさんの他に神機使いが欲しいという事ですか?」

 

「ああ。本当ならブラッドを呼びたいが・・・如何せんこちらに着ききりだと向こう側が手薄になるし、聖域の管理も出来なくなるしな・・・」

 

「聖域?」

 

「簡単に言うとアラガミがいない世界だな。この世界みたいに緑豊かになっている」

 

「凄いな聖域って」

 

「で、その聖域で農業をやっている」

 

「何で農業なのよ?」

 

「聖域ではオラクルの技術を使った作物は育たないらしい。サカキ博士の見解では聖域は今後広がるかもしれないという事でブラッドが主体でやっているんだ」

 

「へ~そうなんだ」

 

「まぁ詳しくは授業だな。さて昼からも頑張るか」

ジン達は昼食を食べ午後の授業に備えた。

 

 

 

放課後ジンは神機と専用機になった黒牙を預けているリッカのいる整備室に向かった。

 

「リッカいるか?」

 

「ここだよ」

整備室の一角からリッカが顔を出してきて居場所を教えた。

 

「調子はどうだ?」

 

「神機の方は特に異常はなかったよ。黒牙なんだけど、アラガミにも有効だって分かったよ」

 

「血の力の影響か?」

 

「そうだと思うよ。但し捕食してもエネルギーも回復しないから、緊急時の移動にしか使えないと思うよ」

 

「そっか。・・・で、そこの奴コソコソしてないで出てこい」

ジンに言われ物陰から盾無に似て眼鏡を掛けた生徒が出て来た。

 

「盗み見は関心しないな」

 

「ご、ごめんなさい。でも、量産機が一次移行したって聞いて興味が湧いたの。どうやって一次移行したの?」

 

「あー普通はそんな事ないからな。言うならば俺の特殊能力だ」

 

「特殊能力?」

 

「そ、血の力って言うんだ。その力が働いた結果一次移行になったんだ。そう言えば名乗ってなかったな。俺は櫻羽ジン、向こうの世界の人間だ。フェンリル極東支部所属ブラッド隊隊長を務めている」

 

「私は楠リッカ。極東支部で整備士をしているよ」

 

「更識簪です」

 

「更識?楯無の妹か?」

 

「お姉ちゃんは関係ない!!」

 

「すまん。悪かった」

 

「う、ううん気にしないで」

 

「それで更識は「更識って言わないで!・・・簪でいい」じゃ簪は何しに此処へ?」

 

「・・・専用機を組み立てに来たの」

 

「一人で?」

 

「・・・うん」

 

「なんて無茶な・・・」

リッカが一人でかと聞き頷いた簪をみて呆れた。

 

「ISの組み立てなんて技術者何人もいて初めて出来るのに一人でやろうとか無謀だよ?」

 

「・・・でも1人でやらないと、あの人には追い付けないから。・・・私作業に取り掛かるから」

そう言い簪は別の所に移動した。

 

「それにしてもリッカ。何時の間にISの勉強をしたんだ?それも詳しく」

 

「最初にしたのはジン君がISを動かした時でその後に本格的に調べたりしたんだよ」

 

「へー。じゃ俺は部屋に戻って授業の為の編集をするわ」

 

「分かったよ。あ、部屋の番号教えて。後でフランさんと尋ねるから」

 

「ああ部屋は1050だ」

 

「分かったよありがとう」

ジンは整備室を出て自室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま」

 

「おかえりなさい」

ジンが言うと本を読んでいた楯無が本から目を離しジンの方に向かって言った。

 

「楯無お前妹と喧嘩でもしているのか?」

 

「な、なんでジン君が簪ちゃんの事を!?」

 

「さっき整備室で会って少し話しただけだ」

 

「手出してないわよね?」

楯無は威圧感のある声でジンに聞いた。

 

「お前はシスコンか?手は出してない俺の専用機の事を話しただけだ」

 

「・・・そう」

 

「大方お前が暗部の当主になった時に簪が弱点にならないよう、簪にきつい言葉でも言って姉妹仲が拗れたのだろ?」

 

「うっ!そ、その通りよ・・・」

 

「それと簪はお前が一人で専用機を組み立てたと思い、一人で専用機を組み立てようとしているが、お前は一人で専用機を組み立てたのか?」

 

「いいえ。専用機を一人で組み立てるなんて篠ノ之博士しか出来ないわ。私の専用機は虚ちゃんに協力してもらったし。あ、虚ちゃんってのは私の従者で生徒会の会計もしてもらっているわ。他にも資材とかも沢山の人達に協力してもらって私の専用機は出来上がったわ」

 

「楯無お前は簪と仲直りしたいか?」

 

「勿論よ!世界に一人だけの妹だもの!!」

 

「だったら面と向かって話せ。人は話さなければ分からない生き物だからな。それと仲直りして簪が人を頼るようになったら、リッカも協力するって言ってたから頼るといい。明日整備室に来い。そしてお前の本当の気持ちを誤魔化さずに話せいいな?」

 

「・・・うん」

 

コンコン

ジンが明日楯無に整備室に来いと言い楯無が頷いた後にノックの音が聞こえた。

 

「ジンさんフランです」

 

「開いてるから入ってきていいぞ」

 

「失礼します」

 

「ジン君彼女は?」

入って来たフランを見て楯無はジンに尋ねた。

 

「彼女はフラン=フランソワ=フランチェスカ・ド・ブルゴーニュ。極東支部でオペレーターをしていて今はIS学園との調停役と俺の補佐をしてくれている」

 

「初めまして。私の事はフランで構いません」

 

「私は更識楯無。ここIS学園の生徒会長を務めているわ。よろしくね」

 

「フラン資料は?」

 

「此処に」

フランは授業の為の資料をジンに渡した。

 

「サンキュー。後は編成だな」

 

「では私はこれで」

 

「まぁそう言わず少し休んで行けよ。今茶入れるな」

 

「ありがとうございます。ではお言葉に甘えていただきます」

その後リッカも合流し四人で暫く話した。

 


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