インフィニット・EATER   作:マスターM

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専用機

フランの合図で模擬戦が始まった。先に仕掛けたのは鈴で青龍刀・双天牙月を両手に持ち2刀流で斬りかかった。対してジンは打鉄からブレードでガードした。

 

「中々重いな」

 

「それをこうも簡単にガードするアンタが言う!?」

 

「パワー勝負をしたい所だが、生憎一人に構っている訳にはいかないからな」

そう言いジンは打鉄を上に避けた。その瞬間鈴に当たらないよう後ろ、右、左とビットからビームが放たれた。

 

「ウオオオオオ!!」

避けた所に一夏が白式の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)の零落白夜を発動させ突っ込んできた。

 

「それは危険だな」

ジンはブレードで受け止めるのを止め回避に回した。ふと鈴の方を向けば肩のアーマーがスライドして開き、中心の球体が光った。その瞬間衝撃が飛んできた。

 

「おいおいコンゴウと同じ攻撃かよ。あの蒼いのはサリエルに似ているな」

 

「な!?衝撃砲を初見で防ぐなんて・・・」

 

「それに似た攻撃をするアラガミがいるもんでな、その要領で避けただけだ」

 

 

 

 

その頃地上ではリッカ達がモニターで観測していた。

 

「凰の衝撃砲を初見で避けるとはやるな」

 

「そりゃアレに似た攻撃をするアラガミもいるからね。恐らく熟練の神機使いなら避けれると思うよ」

千冬の言葉にリッカが説明し今度は山田先生が聞いてきた。

 

「それにしても櫻羽君が圧倒すると思ったのですが、以外と劣勢ですね」

 

「恐らくですが神機ではないので、本調子が出ないと思います」

 

「そうだね。神機一つで4つの形態があるから、わざわざ武器を入れ替える必要はないけど、ISは一体に出来ていないからそこに苦戦しているんじゃないかな」

現にジンは武器を入れ替える時に攻撃が掠り、徐々にエネルギーが減っていた。

 

 

「これは!?感応波が上昇しています!!」

 

「ちょっと見せて!!これは・・・」

 

「おい何が起きているんだ!?」

モニターの一つにジンの感応波が上昇しているのをフランが気づき、リッカもその数値を見て何が起きたか察した。千冬が全員を代弁し何が起きているのか聞いてきた。

その時、ジンの体から赤い光が広がり、眩い光がジンを包み、地上で待機状態の打鉄とラファール・リヴァイヴが起動した。

 

「ジンさんの『血の力』が発動しています」

 

「まさかISまでに作用するなんて、ホント面白いよ彼」

 

 

 

 

 

その頃ある島のラボ

 

「ふふふ。気になる反応を見て見れば面白い物が見れたよ~。それにこの子面白い力を持っているね。会う時が楽しみだよ~」

うさ耳をつけ不思議の国のアリスの格好をした女性は、姿を変えた打鉄を纏うジンに興味を持った。

 

 

 

 

 

 

 

ジンを包んでいた光がなくなり全員がジンへと視線を向けると、打鉄が変わっていた。全身が黒に統一され全身装甲(フルスキン)となり肩にはマントが付いており中心にフェンリルのマークが印されていた。姿を変えた打鉄の名はジンと地上のモニターに出ていた。

 

「「『黒牙』それがこれ(あれ)の名前だ(です)」」

ジンとフランは同時にその名を言った。

 

「そんな量産機が一次移行(ファーストシフト)するなんて・・・」

 

「喚起の力が働いた結果だね」

 

「その喚起の力と言うのは?」

 

「ブラッドには血の力、簡単に言うと特殊能力です。ジンさんのは喚起と言い、神機使い達の潜在能力を引き出したり」

 

「第一、第二世代神機使いにブラッドアーツやブラッドバレットを習得出来たり、様々な事が出来る興味深い能力だよ」

 

「そのブラッドアーツやら、ブラッドバレットってのは何だ?ブラッドと言うのは櫻羽の部隊名だろ?」

 

「そうこのブラッドアーツは本来血の力を持つブラッドにしか使えなかったんだ。でもジン君の喚起の力で誰でも習得出来るようになったんだ」

千冬達はフランやリッカの言葉を聞きジンが偉大な人物だと理解した。

 

「これからが本領発揮ですね」

 

「そうだね。武器も変わったようだし」

 

 

 

一夏達も黒牙になったジンを警戒していた。

 

「ふぅ。やっとまともに戦えるぜ」

そう言いジンはロングブレードを構えた。

 

『一夏、セシリア気を付けて。アタシの見間違えじゃなかったらアレは恐らく神機よ』

 

『分かった。俺が攻めるからセシリアは援護を頼む。鈴は隙を見て衝撃砲を頼む』

 

『分かりましたわ』

 

『オッケー』

一夏は雪片弐型で攻撃するもジンは上に避け、ビットからのビームは正面以外避け正面のビームをシールドで防いだ。その隙に鈴は衝撃砲のチャージを終了し撃ちだそうとしていた。それを見たジンは回避は不可能と思い、スナイパーに可変し、ブラッドバレット・キャンセラーを撃った。キャンセラーに当たり衝撃砲は消滅しそのまま鈴に命中した。

 

「きゃ!」

 

「鈴!!」

 

「鈴さん!!」

 

「余所見は禁物だ」

鈴に気を取られた隙に狙撃弾を一夏とセシリアに当て、ロングブレードに可変し瞬時加速(イグ二ッション・ブースト)でセシリアに近づいた。

 

「決める!」

ブラッドアーツ・エリアルキャリバーを発動させ大型化した刃でセシリアを切りつけ、シールドエネルギーを削り取った。

 

『ブルー・ティアーズ戦闘不能です』

フランの言葉を受けセシリアは地上に降りた。

 

「さっきとは大違いだ」

 

「それよりも衝撃砲を打ち消すなんて出鱈目すぎよ!!」

 

「専用機になった上にブラッドバレットもブラッドアーツも使えるなら、この勝負俺が貰う」

そう言い瞬時加速で一夏に近づいた。一夏は零落白夜を発動させ目の前に来たら切りつけるつもりだっだ。しかし零落白夜の効果範囲に入った瞬間、ジンは更に瞬時加速をし一夏の背後を取った。

 

「二連加速(ダブルイグ二ッション)!!?一夏避けて!!」

一夏は零落白夜を振り下ろした状態だったので避けれず、捕食形態に捕食されジワジワエネルギーを食われた。そのままエネルギーが尽きた。

 

『白式戦闘不能です』

フランの言葉で一夏も地上に降りた。

 

「成程捕食すれば相手のエネルギーは自分の物になりバースト状態になるのか」

ジンの黒牙は白式から取ったエネルギーで回復しており、バースト状態になっていた。

 

「残りは鈴だけだな」

 

「アタシをあの2人と同じと思ったらおお間違えよ!!」

そう言い双天牙月を連結させジンに接近した。

 

「これならあの銃は使えないでしょう!」

 

「残念だが」

ジンは持ち手の引き金に指をかけ。

 

「ロングブレードは銃も使用可能だ」

引き金を引き銃弾を鈴に浴びせた。

 

「キャアアア」

 

「決めるぞ」

ブラッドアーツ・飛天車で決着を付けた。

 

『甲龍戦闘不能です。よって勝者ジンさんです』

フランの言葉を聞きジンと鈴は地上に降りた。

降りたジンを待っていたのは呆れ顔の千冬達だった。

 

「ある程度この2人から聞いたが、厄介だなお前の機体は」

 

「そうですね。普通にブラッドアーツ、バレットが使えましたし」

 

「それだけではない。瞬時加速や二連加速など何処で覚えた?」

 

「あれは此処に来るまで、過去の試合のデータなどを見て学びました。自分が関わる物なので。後リッカ喚起率って出てたけどもしかして・・・」

 

「うんブラッドレイジが単一仕様能力になってるよ。おまけに喚起率は500%まで上昇可能で、消費する時は何%か選べる様になってたよ、最低100%だけど」

 

「うわぁ、自分でも引くわ。凄いチート機体になってるし」

 

「櫻羽ISを解除しろ。専用機になったなら、何かの待機状態になっていると思うぞ」

 

「分かりました」

ジンがISを解除すると超小型ディスプレイとなった(元々通信用に着けていた物と一体化した)

 

「後で提出してくれ。それを改めてお前の専用機として登録する為に」

 

「分かりました」

 

「では授業を始めるぞ。今回は専用機持ち達に実際にやってもらいながら説明する」

模擬戦が終わり、授業が始まりジンは心の中で黒牙にこれからもよろしくと言い授業を受けた。


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