「今日転校生が来ます」
ジンがIS学園に来ての翌日。朝のSHRで山田先生が転校生が来ると言った。
この時昨日千冬から説明を受けた一夏達は誰か察した。
「入って来い櫻羽」
「はい」
千冬に呼ばれジンは教室に入った。ジンはIS学園の制服ではなく、ブラッドの制服だった。
「櫻羽ジンだ。世間にはまだ知られていない2人目の男性操縦者だ。年上だが気軽に接してくれて構わない。よろしく頼む」
「「「・・・」」」
ジンの自己紹介を聞き沈黙した女子達をしり目に、一夏、箒、セシリア、千冬、山田先生は耳を塞いだ。
「「「キャアアアアアア!!!」」」
「男子2人目よ!!」
「年上クール系美男子!!」
「ああ、地球に生まれて良かった!!」
女子達は喜びのあまり狂喜乱舞状態になった。それを沈めたのはやはり千冬だった。
「あー静まれ。全員櫻羽の制服に気になっていると思うから言っておく。櫻羽は向こうの世界の人間だ」
「「「えええええええ!!?」」」
「あー!!その服葦原ユノのライブ会場にいた人たちと同じ服だ!」
「ユノのライブに行ったのか?」
「え、あうん。私ユノさんのライブに行ったの」
「そうか。ユノとは親しい事から俺達ブラッドがユノの護衛をしたんだ」
「ブラッド?」
「ああ。フェンリル極東支部所属、ブラッド隊。俺が部隊長を務める部隊だ」
「って事はサックー偉いの?」
「まぁ階級は一応大佐だ。それよりサックーって俺の事か?」
「うんそうだよ~。櫻羽だからサックー。あ、私は布仏本音。本音でものほほんさんでもいいよ~よろしくね~」
「ああよろしく。それでIS学園の制服ではない事だが・・・俺は向こうからの呼び出しがあれば向かわなければならない。いちいち着替えるのも面倒だしな、だからブラッドの制服で通う事になったんだ」
「呼び出しって?」
「アラガミの討伐だ」
「アラガミと言うのは櫻羽達の世界の脅威だ。櫻羽は神機使い、ゴッドイーターと言われアラガミに唯一対抗できる者達だ。そうゆう事で櫻羽は基本的に向こうから要請があれば公欠扱いとなる」
「え~いいなー」
千冬がジンの代わりにアラガミの説明をして、その際呼び出しがあれば公欠扱いと聞いて生徒達は羨ましがった。
「いいわけないだろが!!櫻羽は命がけの戦場に行くんだぞ!!それを理解しろ!」
「・・・はい。すいませんでした」
千冬に事の重要さを言われ生徒は謝罪した。
「さて、一時間目は二組と合同だ。遅れるなよ。織斑、櫻羽を案内してやれ。以上だ」
千冬が言い終わったタイミングでチャイムが鳴り、一夏は慌ててジンに近づいた。
「自己紹介をしたいけど、女子達が着替えるから先に移動しますね」
「分かった。それと敬語はいらない。俺の事もジンでいいぞ織斑」
「なら俺も一夏で良いぜ。よろしくなジン」
「ああよろしく、一夏」
ジンと一夏は走りながら話した。
「あ!織斑くん発見!!」
「転校生も一緒よ!!」
「者ども出会え出会え!!」
ジン達の前から大勢の女子達が迫って来た。
「あーもう、時間ないのにどうしよう!」
「こっちだ一夏」
「へ?」
ジンは一夏の襟を掴んで窓から飛びおりた。
「ギャアアアア!!死ぬぅううう!!」
「よっと」
ジンは木の枝の太い所に捕まり落下を止めた。そして地面に一夏を降ろした。
「大丈夫か?」
「大丈夫な訳あるか!何躊躇いもなく窓から飛び降りるんだよ!!死ぬと思っただろ!!」
「安心しろアラガミとの戦闘なら今よりも高い所から飛び降りたり、降りてる最中に攻撃されたりするが、今回は飛び降りただけだ」
「そういう事じゃなくって・・・はーもういい。更衣室はこっちだ」
一夏は諦めて更衣室に向かった。
「ここが更衣室だ実習の時はここで着替える」
「そうか、なら着替えるといい。俺は先に行く」
「え?着替えないのか?」
「何時呼び出しが来るか分からないからな」
「あーさっきも言ってたな」
「そう言う事だ先に行っている」
「分かった」
ジンは先にグラウンドに向かった。そこには以外の人物達がいた。
「リッカにフランどうしてここに?」
「私は神機の調整に。昨日戦闘したんでしょ?呼び出しで戻るのは何時か分からないから出張して来たんだ。後ISにも興味もあったから」
「成程。フランは?」
「ジンさんに荷物を届けに。流石にリッカさん一人に持たせる訳にはいかなかったので、後携帯因子もお持ちしました」
「ありがたい」
ジン達が話していると生徒体が集まって来た。見知らぬ2人に生徒達はうずうずしていた。そんな生徒達を見て千冬はジンに視線で紹介しろと送った。
「あーこの2人も極東支部で働くメンバーだ」
「私は楠リッカ。神機のメンテとかをする整備士だよ。よろしくね」
「私はフラン=フランソワ=フランチェスカ・ド・ブルゴーニュです。フランで構いません。私はオペレーターをしています。今後はジンさんのサポートとしてIS学園と極東支部の調停も務めます」
「あのー神機ってなんですか?」
「これの事だ」
ジンは神機を打鉄の格納領域から出した。
「これでアラガミと戦うんだ。リッカ頼む」
「オッケー」
リッカは神機を受け取るとメンテを始めた。
「今日は専用機持ち達に色々やってもらうつもりだったが、変更して櫻羽対専用機持ち3人の模擬戦をして貰う」
「なら私はオペレーションします」
「あ、私もデータとるね。ISに私も興味あるし。序に上もジン君のデータ欲しがってたし」
そう言いフランとリッカは山田先生に手伝って貰い簡易のオペレーション出来る場所を構えた。
「あのー織斑先生流石に3人掛りは・・・」
「オルコットお前の言いたいことは分かる。だが櫻羽はゴッドイーターになって1年も経たない内に英雄になったのだぞ。この模擬戦はお前達にとって得るものがあるかもしれないから行うんだ分かったな?」
「はい」
セシリアと千冬の話を聞き、一夏と鈴もやる気が出て来た。
一夏は白式を、鈴は甲龍を、セシリアはブルー・ティアーズを展開した。ジンも打鉄を展開した。
「櫻羽ISを展開したのは何回目だ?」
「三回目ですね」
「そうか。中々早いな」
「ありがとうございます」
「よし飛べ」
千冬の号令でジン達4人は飛んだ。
『一夏、セシリア。ジン相手に一人で戦ったら駄目よ。恐らく瞬殺されると思ううから』
『本当ですか鈴さん?』
『うん。昨日の戦闘を見てそう思ったわ。戦い慣れているから気を付けて』
『鈴が言うならよっぽどだな』
『そうですわね。一夏さん、鈴さん、わたくしは後方から援護します。お二人は前衛をお願いしますわ』
『分かった』
『オッケー』
一夏達3人はプライベート通信で作戦を決めた。
『皆さん準備はいいですか?』
「「「「大丈夫です」」」」
『ではルールを確認します。ジンさんの勝利条件は、織斑さん、オルコットさん、凰さんのシールドエネルギーを全て削る事。反対にシールドエネルギーを全て削られると敗北となります。なおこの模擬戦は各国にも提出され、フェンリル本部及び極東支部にも提出されます』
『フラン。本部に送るならフェルドマン局長宛に頼むな』
『了解しました。それでは模擬戦開始して下さい』
次回模擬戦をしているとジンの打鉄に変化が!?