特訓も終わり着替えていると楯無からメールが届いており見てみると・・・
『デュノア社の件で話があるから、生徒会室に来て頂戴』
ジンはこれを見て了解と送り、一夏達に用事が出来たと言い生徒会室に向かった。
「現在デュノア社は反社長派が動かしてるわ。そして狙いはデュノア夫婦とアルベール・デュノアの血を引くシャルルいえシャルロット・デュノアの抹殺よ」
生徒会室について開口一番に楯無がそう言った。
「ならデュノア社長はシャルルを逃がす為にIS学園に入れたんだな」
「恐らくね」
「その反社長派のメンバーは割れているのか?」
「ええ。調べれば調べる程黒よ。恐らく全ての責任をデュノア社長に押し付けて辞職させてデュノア社を掌握するつもりね」
「更識家を動かしてるのか?」
「ええ。反社長派と繋がってるフランス政府の役人も分かっているわ。後は私が合図を出せばすぐに動くわ」
「なら今日シャルルに全て話す。最初は俺と2人だけにしてくれ」
「分かったわ。任せるわよ副会長」
「おう」
夕食後シャルルに話がるといい自室に入った。楯無はシャワールームで待機している。
「ジン話って何?」
「シャルルいやシャルロット・デュノアに関しての話しだ」
「ッ!?」
シャルル否シャルロットは本名を言われ動揺した。
「楯無は暗部の当主でデュノア社の事を調べていたんだ。その過程でデュノア夫婦には子はいない事が分かった。いるのは愛人の子だ」
「・・・うん。僕だよ。2年前にお母さんが亡くなった時に父の部下がやって来て引き取られたんだ。それから色々と検査する過程でIS適応が高いと分かって、非公式のデュノア社のテストパイロットをやることになったんだ」
「・・・デュノア社長と話した事はあるのか?」
「無いよ。会ったのも二回くらいだし。普段は別邸で生活をしているんだけど、一度だけ本邸に呼ばれた時は酷かったよ、本妻の人に『泥棒猫の娘が!』って言われ殴られたんだ」
「シャルルお前は頑張った。もう楽になっていいんだぞ」
「そうだね。ジンと楯無さんにバレたんだ僕はもうどうすること出来ないよ。今まで騙しててごめんね。僕は戻されて牢屋行きになるけど仕方ないよね」
「シャルル勘違いしてるぞ。誰がシャルルが悪いって言った?」
「え?でも僕ジン達のデータ取ろうとしてたんだよ?」
「でも取ってないんだろ?」
「それは、そうだけど・・・」
「それにシャルルはデュノア社長の事を勘違いしてるぞ」
「どう言う事?」
「現在デュノア社は反社長派によって舵がとられている。奴等はデュノア社長と妻そしてお前を無き者にしてデュノア社の覇権を握ろうとしている。それに気づいたデュノア社長はお前を守る為にIS学園に編入させたんだ」
「う、嘘・・・嘘だよね、あの人が僕を守るなんてあり得ないよ。僕の事避けてたし・・・」
「それは反社長派が常に見張っていたからだ。迂闊に動けばその場で殺られる可能性がある」
「じゃどうして男装させたの?」
「それは反社長派の目を欺く為だ。ただ編入させるだけだったら編入出来ない可能性があったからだ。デュノア社長も苦渋の判断だったと思うぞ。こんなことでしか守れないからな」
「それじゃ・・・僕はずっと勘違いしてたの?」
「ああ。そこで提案なんだがこれまでの事を全て織斑先生と学園長に話し、反社長派を排除してデュノア社長に再び覇権を握ってもらう」
「そんな事可能なの?」
「ああ。楯無もう入ってきていいぞ」
ジンはタイミングを見計らっていた楯無を呼んだ。
「え?ええ??」
「ゴメンねシャルロットちゃん全て聞かしてもらたっわ。いいのねジン君」
「ああ。やってくれ」
「分かったわ」
楯無は電話でフランスにいる更識家に合図を出した。
「これで問題は解決するはずよ。後は学園長と織斑先生に言えば終わりね。それと混乱を避ける為に学年別トーナメントが終わるまで男装のままでお願いね」
「は、はい。あの楯無さん、ジンありがとうございます。僕なんかの為に動いてもらって・・・」
「なんかじゃない。友達だろ俺達」
「ッ!?あ、ありがとう!ありがとう!!」
ジンの言葉に遂に耐え切れずシャルルは涙を流した。ジンは優しく抱きしめ子をあやすように髪を撫ぜた。
「すーすー・・・」
シャルルは泣き疲れ眠ってしまった。ジンは自分のベッドにシャルルを寝かした。
「あ、ジン君言い忘れてたけど、今度の学年別トーナメントはペアになったから」
「ペアか・・・俺はシャルルと組んだ方がいいな」
「そうね。でもジン君って一人でも関係なさそうだけどね」
「確かにな。先に学園長と織斑先生に報告に行くか」
「そうね」
ジンと楯無は学園長と千冬に報告に行った。
翌日
ジンはシャルルにトーナメントの事を話しペアを組む事になった。
「ジンって全距離万能型だよね?ある意味一人でも通用するんじゃ・・・」
「まあ通用するが俺の真骨頂は連携だからな。シャルルも見てただろアリサと戦った時」
「うん。2人共一言だけですること理解してた」
「まあアリサだからな。他に理解できるのはブラッド、クレイドル、極東支部の神機使い達にヒマラヤ支部の第一部隊だな」
「ジンって極東支部所属なんだよね?なんでヒマラヤの人達?」
「それがヒマラヤに感応種が出現して、対処するために俺が派遣されたからだ」
「そうなんだ」
ジン達は話しながら朝食をとり教室に向かった。
「そ、それは本当ですの!?」
「う、ウソついてないでしょうね!?」
向かっている最中廊下まで聞こえる声に疑問をもった。
「本当だってば!月末の学年別トーナメントで優勝したら織斑君か櫻羽君かデュノア君と交際ーーー」
「俺がどうしたって?」
「「「きゃああっ!?」」」
一夏が声をかけると女子達は悲鳴をあげた。
「・・・なんでそんな事になってんだよ」
「ジンは聞こえたの今の話?」
「まあな。結論を言うとトーナメントで優勝したら俺達男の3人の内誰かと付き合える事になっているみたいだ」
「え?ええ!?ジン何時そんな事言ったの!?」
「俺は言ってないしかし誰が・・・」
と言った所で箒が落ち込んでいるのが見えてシャルルを連れて箒に近づいた。
「ジン大変だ助けてくれ!!」
近づいたジンに箒は気が付き助けを求めた。
「まず何があったか教えてくれ」
「ああ実は・・・」
箒から語られたのは昨日一夏にトーナメントで優勝したら付き合ってもらうと言った。言った場所は一夏の部屋の前で恐らく聞いていた女子がいたと思いその事が女子達の間で広がり、優勝者は男性3人の内誰かと付き合えるという事になったみたいだ。
「どうすればいい?」
「方法は一つ。俺達男が優勝するか、箒が優勝するかだ」
「わ、私が優勝!?」
「最初にそう宣言したのは箒だろ?ならやってみせろ」
「わ、分かった」
「それでよし」
ジンは箒から離れ自分の席に座った。
「ジンペアの事言わなくっても良かったの?」
「あ、言い忘れた。まあそのうち分かる事だし」
「そうだね」
「なぜこんなところで教師など!」
ジンは昼休み次回の授業の事で話があり千冬の所に向かっていた。ふと曲がり角からラウラの声が聞こえて来て、覗いてみるとラウラと千冬がいた。
「何度も言わせるな。私には私の役割がある。それだけだ」
「このような極東の地で何の役目があると言うのですか!お願いです、教官。我がドイツで再びご指導を。ここではあなたの能力は半分も生かされません。大体、この学園の生徒など教官が教えるにたる人間ではありません」
「ほう、何故だ?」
「意識が甘く、危機感に疎く、ISをファッションかなにかと勘違いしている。そのような程度の低い者達に共感が時間を割かれるなどーーー」
「そこまでにしておけよ、小娘。少し見ない間に偉くなったな。十五歳でもう選ばれた人間気取りとは恐れ入る。選ばれた人間とは櫻羽みたいなやつの事を言うんだお前とは違う」
「わ、私は・・・」
「さて、授業が始まるな。さっさと戻れよ」
千冬に言われラウラは早足で去っていた。
「そこの男子共。盗み聞きか?異常性癖は感心しないぞ」
ん?共?
「な、なんでそうなるんだよ!千冬ねー」
ばしーん!
「学校では織斑先生と呼べ」
「は、はい。って共?」
「一夏も聞いていたのか」
「英雄が盗み聞きとは感心しないぞ」
「まさか。織斑先生に次の授業について話がしたくって、探していた所を偶然に通りかかっただけですよ」
「そう言う事にしといてやろう。それより早く行け劣等生。このままじゃお前は月末のトーナメントで初戦敗退だぞ。勤勉さを忘れるな」
「わかってるって・・・」
そう言って一夏は教室に向かった。時間を見てみると後少ししか時間はなくジンは放課後に話す事にして教室に向かおうとした。
「櫻羽」
教室に向かおうとしたジンを千冬は止めた。
「織斑、一夏とラウラの事頼む」
「・・・俺の出来る範囲で見てみます」
「スマン。恩に着る」
「いいですよ。気にしないで下さい」
そう言い教室に向かった。