「あっという間だったな・・・」
「はい、恐らく5分もかかってなかったと思いますわ・・・」
「ジンって普通のゴッドイーターじゃないわね」
ジンの戦闘を見て一夏、セシリア、鈴は思った事を言った。
「それはそうだろう。櫻羽は向こうの世界では英雄と称えられているからな」
「千冬姉それってどういう事?」
パアンッ!
「織斑先生だ。言っては無かったが、櫻羽は向こうの世界の破滅を止めたんだ」
『『『え、えええええええ!!!?』』』
千冬の言葉に生徒達は驚いた。
「うんうん。私も鼻が高いよ」
「何でリッカさんが誇らしそうにしているのですか?」
「だって私が開発した、ブラッドレイジで終末捕食を止めたんだから嬉しいんだよ」
「終末捕食?」
「簡単に言うと一度初期化させ生命を再分配させること。この初期化の時に地球上の生物が全てなくなり、その後に新たな命が生まれるって事だね」
「世界の終わり・・・」
「それを救うなんて・・・」
「凄すぎだよ・・・」
「でもジンさんは、最初から終末捕食を止めるつもりはなかたんですよ」
「え?じゃどうしてジンは戦かったんだ?」
「仲間を助ける為だ」
一夏が疑問に思ていると、第三者の声がして全員が声がした方に振り向いた。
そこには薄桃がかかった銀髪を三つ編みにし、紅のフードを被った女子がいた。
「その腕輪、櫻羽の隊の者か?」
「ああ私はリヴィ・コレット。ブラッドの隊員だ、ヒバリから事情は聴いている」
「それより仲間を助ける為に戦ったってどういうことだ?」
「それは本人から聞けばいい」
そう言いリヴィはアリサの方のモニターを見始めたので、一夏達もモニターの方を向いた。
ジンがアリサの援護に向かっているその頃にはプリティヴィ・マータを2体撃破し残りマータ2体とディアウス・ピターとなっていた。
今はアサルトで牽制しながら距離を取っていた。しかし、マータはアリサの前後に移動し挟み撃ちを狙っていた。ピターは離れた所で戦いを見ていて、攻撃はしてこない。
一瞬チラッとピターを見た隙にマータ達は同時に動いた。
「前方にアサルトを撃て!!」
アリサは回避をしようとしたが、上からの声で前方に向かってアサルトを撃った。
上から声を掛けたジンは、アリサの後方のマータにアサルトを撃ち、アリサからマータを引き離した。
「悪い遅くなった」
「いいえ、大丈夫です」
ジンとアリサは背中合わせで話した。無論目の前のマータから目を逸らさず。
「ピターはずっとあのままなのか?」
「はい。ずっと傍観しています」
「流石『帝王』だな。マータ2体やられた位じゃ同って事ないってか」
「同感です。ですがその慢心が命取りだと教えてあげましょう」
「そうだな。・・・背中は任せたぞアリサ」
「はい!私も貴方に背中を預けます」
そう言い2人は同時に駆け出し、目の前のマータに仕掛けた。
数分でマータを仕留め2人は左右からピターに仕掛けた。しかしピターは前に走り、神機は空振りに終わった。
ジンはすぐさま追撃に移り、アリサは援護の為、アサルトに可変し神属性の銃撃で牽制した。
ジンはすぐさま捕食形態にし、捕食しバーストした。
「もう一丁!!」
もう一度捕食を行いピターから離れ、アサルトに可変し銃口をアリサに向けた。
「アリサ!!」
「お願いします!」
ジンの意図に気付きアリサは返事した。
その瞬間受け渡し弾を2つ撃ち、アリサはバーストレベル2となった。
「これで!!」
受け取ったアラガミバレッド『神雷双槍』をピターに放ち、胴体に直撃した。
「グアァァァ!!」
ピターが咆えると、ジャキンとなり翼の様なものが生えた。
「ようやくやる気になったようだな」
「そうですね、どうします?」
「あと少しで喚起率が100%になるから、その時にブラッドレイジを使って終わらせる」
「分かりました」
そう言い2人はピターに仕掛けた。
学園ではリヴィが解説の元ジンとアリサの戦いを見ていた。
「ジンは誰と組もうと連携して戦おうとしている。ジン単体でも倒せるが連携を取ればもっと早く討伐出来るからだ。ジンの真骨頂は単騎での戦闘ではなく連携だ」
リヴィの説明に皆真剣に聞いていた。モニターに映っている2人は頭とマントを結合崩壊させた。
「感応制御システム起動!誓約を履行して下さい」
喚起率が溜まりジンはブラッドレイジの準備を始めた。今回は追撃の誓い、解き放つ本能、追撃の誓い・絶、連撃遂行・強を選択した。
ジンはアリサとの連携で感応制御システム起動中に全てクリアした。
「ブラッドレイジ発動します!」
その瞬間ジンの背中に金色に輝く漆黒の翼が出現した。
そして前にいたピターを怯ませその隙に捕食した。アリサもピターの右から捕食を行いブラッドアーツ・ソニックキャリバーを発動した。ジンはブラッドレイジ発動中にピターを仕留めようとブラッドアーツ・バリアスライドを連続で使用した。
「グオオオオオ!!」
ピターは赤い雷撃を放つがアリサはガードし、ジンはブラッドレイジ中は無敵状態なので気にせず攻撃に集中している。
「決めるぞアリサ!!」
「はい!」
ジンの声にアリサは返事しブラッドアーツを発動する動作に入った。
「これで!」
「終わりだ!!」
2人同時にブラッドアーツ・ソニックキャリバーを発動させた。
「ディアウス・ピター完全に沈黙しました」
ワーーー!!と一夏達はフランの言葉を聞き歓声を上げた。
『帰投準備頼む』
「了解です。10分程でヘリが到着すると思います。ジンさん、アリサさんお疲れ様でした」
『はい。フランさんもオペレータお疲れ様でした』
それを最後にモニターは消えた。
「では授業を再開する。と言っても時間が少ないので片付けに入れ」
「「「はい!」」」
千冬の言葉に全員頷き片付けが始まった。そして授業の終わりのチャイムが鳴って、着替えようと戻ろうとしたら、ジンとアリサが戻って来た。
「ふーただいま戻りました織斑先生」
「ああ、モニターで見ていたが見事だった。お前達ゴッドイーターには脱帽だ」
「「ありがとうございます」」
「先にシャワーを浴びてきたらどうだ、次の授業は遅れても文句は言わない」
「ならそうさせていただきます」
そう言い2人はシャワーを浴び次の授業に出た。
「・・・どう言う事だ」
昼休み屋上で箒がボソリと言った。今この屋上には箒の他に一夏、セシリア、鈴、ジンとアリサ、リヴィそれとシャルルがいた。
「天気がいいから屋上で食べるって言ったのは箒だろ?」
「それはそうだが・・・」
箒は一夏と2人きりで昼食を取ろうと思っていたが、一夏がジン達にも声を掛けたためこうなった。
「折角なんだから皆で食べた方がいいだろ?」
「まぁそうだな」
箒は渋々納得した。
因みにジンは弁当を持参しておりアリサの分も作っていた。リヴィは急いで来たのでジン達から分けて貰っていた。
鈴はジンに自慢の酢豚を作って来ていて渡した。好評でアリサとリヴィも食べ絶賛した。シャルルもジンと鈴から分けて貰っていた。
一夏は箒から弁当を、セシリアからサンドイッチを引き攣った顔で受け取っていた。
賑やかな昼休みは過ぎて午後の授業に入って行った。
因みにリヴィも初めての学校の授業にさんかした。