さて、出会った者とは?
その瞳は叡知に溢れ 名前負け等しないオーラを放つ 咥内から見える牙は強弱の証
現地の人々から そう畏れられる森の賢者 しかしアウラはフェンやクアドラシルを使役し自身もlv100NPCである
lv30相当の異形がいくら凄んでもなに食わぬ顔のままで居た
「ふふん 某が恐ろしすぎて呆然としてるのであろう」
現トブの森の支配者になった森の賢者は検討違いも甚だしい事を言っている
モモンガ様がナザリック大墳墓に森の実力者をお招きすると言ってたけど こんなのだったら恭順させた方が早いんじゃ…
アウラは内心 そう思ったが至高の方々の命令は絶対である
「この度は森の実力者である 森の賢者様をお招きせよとの主の御命令で こうしてお招きに参りました」
方膝を付き敬意を現すアウラに対して 森の賢者は
「そういう事なら某は先程殿を見つけたばかりでござる 某よりも殿をお招き頂きませぬか?」
アウラは戸惑った 森の賢者が既に誰かに心服してたのは想定外である
「その殿とは一体?」
「暫しお待ちになられよ 殿~と~の~」
どうやら殿は洞窟の奥に居られるらしい
「ん~なんだいハムスケ」
「殿に御客様でござる」
「お客?知り合いは居ない筈なんだけどな」
「森の実力者に用事なのだから某よりも殿がお相手するべきでござろう」
「仕方ないなぁ今出るよ」
なんとフレンドリーな主従関係だろう ナザリック大墳墓だとこうはいかない
忽ち他の僕に不敬であると断罪されるだろう
アウラは主従関係にも色々あるものだと考えていた
「お待たせいたした 某の主のヘロヘロ様である」
至高の方々であるヘロヘロ様と同名なのは勘にさわったが方膝を着いた姿勢を保ちヘロヘロ様とやらを待つアウラ
「あ、どうもヘロヘロと…アウラ‼」
アウラが…NPCがナザリックを離れて居る事も話してる事もヘロヘロに取っては混乱を増長させるだけである
「ヘ…ヘロヘロ様‼」
アウラも同様で森の支配者をする事がナザリック大墳墓に帰るよりも大事な事なのか…いやいや…何かの作戦を遂行中なのだろう 自分のような矮小な者に至高の方々の謀を見抜けるわけもないだろう 逆にナザリックの名前を出してヘロヘロ様を知ってる態度を表すと邪魔にならないか でもヘロヘロ様も自分の名前を呼んだ事だし…アウラもアウラで混乱していた
「お二方はお知り合いで御座ったか?」
一人ハムスケと呼ばれた森の賢者だけが冷静であった
「と、兎に角落ち着こうアウラ」
ヘロヘロは提案というか懇願じみてる
「はっ」
方膝どころか平伏するアウラであった
どうやらヘロヘロさんもネーミングセンスが残念でした
作者的に「大福」が良いと想う