デュエルバンドなんてなかった。   作:融合好き

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やぁっっと書き終わった………。

短いです。でも今回でシャーク戦は終わります。


爆誕! アーマードエクシーズ!

 

 

 

 

 

「さあさあ、是なるは私の持つ最高ランクのナンバーズ!ランク12、セブンシンズ!

 

那由他の彼方、須臾の可能性、輪廻を経てして手にした我が力、その断片の一つ! なんてね!

 

この子は光波竜が如く本家に至った(・・・・・・)りはしてないけど、神代凌牙である(・・・・・・・)君なら、もしや討ち滅ぼせるやもしれないね!」

 

 

霊魂漂う闘技場を背景(バック)に、化天を統べる少女は笑う。

 

この場にあまりにそぐわない朗らかなその表情(カオ)は、それがより一層奴の不気味さと異常性を醸し出していた。

 

 

(───攻撃力4000、最高ランクのナンバーズ…………)

 

 

デュエルモンスターズにおけるモンスターの最高レベルは12。それと同様の数値を持ったモンスターエクシーズだ。どうあっても無反応ではいられない。

 

無論、あれだけのものを見せられた後だ。今の俺は、奴が先に言ってたようにランクを基準にしてモンスターの優劣を語る気は無い。しかし、アレはそんな奴自身がわざわざ自慢するだけのモンスター。なら、俺が警戒をするには十分だ。

 

 

(───だが…………)

 

 

それに加え、思考の淵にこびり付いて離れない疑問もある。奴のターンに起きた摩訶不思議な戦闘。アレを前提とするならば…………。

 

 

「───随分と妙な表現だな、アンタ」

 

「そうかな? いや、そうだねぇ、確かに。───でもまあ、どうでもいいよね?」

 

「いや、そうでもねぇが…………」

 

「あら、それはちょっと予想外だね───長くなるけど、説明する(言い訳を聞く)?」

 

「それはいい。どうせはぐらかす気だろ」

 

「あ、バレちゃった?」

 

 

(…………)

 

 

へらへら笑って、歌うように奴は告げる。不思議なことに、不快感はあまりない。上手な笑い方、とでも言える何かがあるのだろうか。それとも、彼女の人徳が成せる技なのか。少なくとも俺は、Ⅳに同じことをされたらブチ切れる自信がある。

 

アイドルデュエリスト、蝶野さなぎ。俺はアイドルなんてもんに興味はなかったが、奴は別だ。アイドル云々ではなく、デュエリストとしてアイツは異常過ぎる。だか、それさえも下手すれば塗り替えそうな遊馬に匹敵するお人好しオーラが、その印象を諸共にヴェールで覆い隠していた。

 

 

「───どうも、アンタみたいな奴は苦手だ。調子が狂う」

 

「そう? ───まあ、君みたいなヒトならそうかもね。

 

良く言えば孤高、悪く言うなら人見知り…………良くも悪くも、懐に入られることを苦手とするタイプ。

 

私がそうなら、多分君は遊馬くんも苦手なタイプなんだろうけど、私と彼では君との付き合いが違うからね。君の友達に対する基準は流石にわからないけど、それに自分が入ってるなんて自惚れはできないから」

 

 

どうかな、とおどけて聞き返す彼女に対し、俺は返す言葉を失う。それは果たして、奴の言葉が正しいからなのか、あるいはあまりに的外れであるが故に困惑でもしているのか。自身に問うが、いまいち答えは出ない。俺がどんな人間なのかなんて考えること自体が、ガラではないと自覚しているからだ。

 

 

「あ、ちなみに私はかなり友達の基準が緩いよ。とりあえず君もそう、って言えば伝わるかな?」

 

「…………いや、俺は流石に違うだろ」

 

「違う違う。デュエルをしたら友達(・・・・・・・・・・)なんだよ、私にとっては。

 

勿論、ファンの人たちも友達感覚で接してる私の基準が相当軽いのは認めるけど、これだけは譲れないね。あとはそうだね。自己紹介してから握手をする、とかかな。いや、まあたまぁに例外がいるのは認めるけどね。会話する気すら感じられなかった天城カイトさんとかそれこそあの傍迷惑な大会を開いたDr.フェイカーさんとか」

 

「…………」

 

「トロンくんは微妙かなぁ…………なんか他に思考がいっぱいで私なんか眼中にないって感じだったし。いや、こうして振り返ってみると例外ばっかだね! たまぁにって発言は撤回で。あ、だけど君はちゃんとカウントしてるから」

 

「───そうかよ」

 

 

デュエルをしたら友達。まさしく遊馬と同じようなことを言う女だ───いや、そうだ、思い出した。

 

いつしか俺は、奴と同じように苦手としていた暑苦しい奴(九十九遊馬)を認めていた。煩わしく思って邪険にしていても、きっとどこかで気に入っていた。つまりはまあ、そういうことなんだろう。

 

奴の笑顔が、どこかあいつに被るから、俺は奴にどうにも強く出られない。気に入らないのに、そういう奴なのだと認めている。アイドルなんてくだらない役職も、こういう奴がやっているならば。それもそれで、不快とは思わない。

 

 

「…………俺のターン、ドロー」

 

 

引いたカードは《逆境の宝札》。この場面なら、ノーコストで2枚ドローができる有用なカードだ…………が。

 

 

(───ここで、あいつ(遊馬)が使っていたカードを引くとはな)

 

 

噂をすれば、というヤツか。このカードは、先のデュエルでのあいつを連想させるカード。しかも、対峙してる相手や、一見して絶望的な状況も同じ。単なる偶然なんだろうが、こうもタイミングが良いと笑ってしまう。

 

さて、これはどういうことなのか。あまりオカルトに興味がないこの俺でも、この引きには運命のような何かを感じずにはいられない。

 

 

「ふむふむふむ。手札が2枚に、ね。

 

なーんか嫌なことを思い出すなぁ。でも、今の君にそれができるかな?」

 

「さぁな。───俺は手札から、《ダブルフィン・シャーク》を召喚!

 

水属性モンスターエクシーズの素材とする場合、このカードは1体で2体分の素材にできる!」

 

 

 

 

 

 

 

《ダブルフィン・シャーク》

効果モンスター

星4/水属性/魚族/攻1000/守1200

①:このカードを水属性モンスターエクシーズのエクシーズ素材とする場合、

1体で2体分の素材とする事ができる。

 

 

 

 

 

 

 

お前には無理だ───被害妄想でしかないが、暗にそう言われたような気がして、やや憤って返答する。

 

だが、逆境と言うだけあって戦況は間違いなくこちらが不利だ。残された手札は1枚………いや、2枚。フィールドはアドバンテージ面では互角でも、肝心の中身は向こう側が圧倒的。そもそも俺のデッキは小回りが利く代わりに火力を出すのに向いてない。そんな状況で、俺はあのバケモンをぶっつぶさなきゃならねぇわけだ。

 

 

(───できるか? いや)

 

 

出来るか、ではない。やらねばならないのだ。幸いにも、引いたカードから流れ自体は来ている。これを綺麗に維持できるかはどうあれ、可能性があるならやってやろうじゃねぇか。

 

 

(───だが、一つ。このフィールド魔法…………)

 

 

発動したっきり、何の動きもないこの恐ろしいフィールド。これがどうにも引っかかって仕方がない。

 

このフィールドは、『ランク8以上のナンバーズが破壊された時』に発動できると奴は言っていた。なら、ここで奴がランク12であるセブンシンズを召喚したのはこれを狙っているからなのか?

 

奴に残された手札、ナイトメアシャーク、双龍降臨、そして、このフィールド魔法。

 

 

(───ごちゃごちゃ考えるのは性に合わねえ。どっちにしろ俺にはこれしかねぇんだ。なら、その可能性を信じてやる)

 

 

「手札がこのカードのみの時、マジックカード《オーロラ・ドロー》を発動できる! カードを2枚ドロー!」

 

 

 

 

 

《オーロラ・ドロー》

通常魔法

①:手札がこのカード1枚のみの場合、手札からこのカードを発動できる。

デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

 

 

 

 

 

引いたカードは《死者蘇生》に《プルート・サルベージ》。俺の予想が正しければ、これはほぼベストの手札だ。これならば、きっといけるはず。

 

 

「更に俺は、《死者蘇生》を発動!

 

この効果で俺は、お前の《銀河眼の光波竜》を特殊召喚する!」

 

「──────え?」

 

 

奴の笑顔が完全に固着したことで、俺は更なる確信を深める。

 

ヒントはあった。それは、このカードの名称。カイトと同じ、ギャラクシーアイズ。デュエルモンスターズには、時折このように名称の似通ったモンスターが存在する。それを別の人物が使用する、というケースは珍しいが、それ故に。

 

 

(───おそらく、このカードにはナンバーズを破壊できる(・・・・・・・・・・・)効果がある)

 

 

系統は違えど、カイトのギャラクシーアイズはナンバーズを対策した効果を持っていた。ならばそれを、同じギャラクシーアイズであるこのカードが保有していないと誰が言えよう。

 

 

(───奴の反応からして、これはビンゴだ。ならば後は、火力を増せばいいだけ)

 

 

苦手とはいえ、出来ないわけではない。フィールドには丁度お誂えのカードがあるわけだし、なんとなく、少しだけ気にいらねぇが、やってみせる!

 

 

「この瞬間、罠カード《フル・アーマード・エクシーズ》を発動!

 

自分フィールドにモンスターエクシーズが特殊召喚された時、新たにエクシーズ召喚を行う!

 

これにより、俺はレベル4、2体分のダブルフィンシャークでオーバーレイ!」

 

「ちょっ───それ、私の…………」

 

「吼えろ、未知なる轟き。

 

深淵の闇より姿を顕せ!《バハムート・シャーク》!」

 

 

 

 

 

 

 

《フル・アーマード・エクシーズ》

通常罠

①:自分フィールド上に特殊召喚したモンスターエクシーズ1体を選択して発動できる。

このターンに1度、エクシーズ召喚を行う。

その後、このターンのメインフェイズ、この効果でエクシーズ召喚したモンスターエクシーズ1体に、

選択したモンスターを装備カード扱いとして装備することができる。

この効果でモンスターを装備したモンスターエクシーズの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力分アップする。

また、装備モンスターが破壊される場合、

代わりにこのカードの効果で装備したモンスターを墓地へ送る事ができる。

 

 

 

 

《バハムート・シャーク》

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/水属性/海竜族/攻2600/守2100

水属性レベル4モンスター×2

①:1ターンに1度、エクストラデッキから水属性・ランク3以下のエクシーズモンスター1体を特殊召喚できる。

その後、このカードのエクシーズ素材1つを、この効果で特殊召喚したモンスターに分け与える。

 

 

 

 

 

「バハムートシャークの効果発動!

 

俺のエクストラデッキから《潜航母艦エアロ・シャーク》 を特殊召喚し、このカードのオーバーレイユニット一つをエアロシャークに分け与える!

 

ゴッド・ソウル!」

 

「むぅ………!」

 

「呼び出したエアロシャークの効果発動!

 

俺の手札の枚数×400、つまり400のダメージをアンタに与える!」

 

「っ…………!」 さなぎ LP4000→3600

 

 

 

 

 

 

 

《潜航母艦エアロ・シャーク》

エクシーズ・効果モンスター

ランク3/水属性/魚族/攻1900/守1000

レベル3モンスター×2

①:1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

自分の手札の枚数×400ポイントダメージを相手に与える。

 

 

 

 

 

 

 

これでひとまずライフは逆転した。とはいえ、元から逆転云々と言えるほどの差はない。しかし、口火としては充分。あとは奴のナンバーズを打ち崩し、更にこの最大の懸念事項(フィールド魔法)をさえ封じれば、勝てる!

 

 

「ここで俺は、フル・アーマード・エクシーズの更なる効果を発動!

 

効果の対象となった銀河眼の光波竜に、この効果で特殊召喚したバハムートシャークを装備! 装備対象となった銀河眼の光波竜の攻撃力は、バハムートシャークの攻撃力分だけ上昇する!」

 

「えっと、つまりは5600?

 

しかも、うわぁ、なんかスゴイカッコ良くなってるし…………」

 

「バトルだ!

 

俺は銀河眼の光波竜で、ナンバーズ77、ザ・セブン・シンズを攻撃!」

 

「………………………………」 さなぎ LP 3600→2000

 

 

見れば見るほどカイトのモンスターにそっくりなこいつが、奴の巨大な蜘蛛を仕留めんと光線を吐き出す。

 

その姿にますます既視感を覚えるも、しかし結果はカイトのそれとは全く違い、奴のモンスターは俺が推察した通り、ナンバーズであるはずのセブンシンズを真正面から打破せしめた。

 

 

「見事───と、言いたいところだけど、残念。忘れていないかな?

 

この戦闘によってランク12であるセブンシンズが破壊されたことで、私はフィールド魔法、《魂魄の格闘場》の効果を発動できる。

 

その効果は、手札を全てと引き換えに、エクストラデッキから可能な限り『No.』を呼び出せるというもの。

 

この効果により、私は───」

 

「この瞬間、俺は速攻魔法《プレート・サルベージ》を発動!

 

発動後、2ターンの間、全てのフィールド魔法の効果を無効とする!」

 

 

 

 

 

 

 

 

《プレート・サルベージ》

速攻魔法

①:発動後2ターンの間、フィールド魔法カードの効果を無効にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ…………!?」

 

 

初めて。ここに至ってようやくはっきりと奴の顔が歪む。

 

派手な展開を繰り広げることで、意識を逸らしたと錯覚していた切り札をまんまと防がれた所為だろうか。少なくとも、奴にとって驚愕に値する出来事ではあったのだろう。

 

これで若干の溜飲は下がったが、攻めの手は緩めない。食らいついた獲物は決して離さないことが、鮫の流儀だからな。

 

 

「そして、俺はエアロシャークで、ダイレクトアタック!」

 

「〜〜っ!!」 さなぎ LP 2000→100

 

 

(───もう1枚、手札があれば…………いや)

 

 

もしもの話は好きじゃない。あの時に手札を余分に持って置けなかったのは単に俺が実力不足だっただけのこと。同様にこのタイミングで奴のライフを削り切れなかったのもそう。他ならぬ俺が、それに苦言を呈してどうなるのか。惨めなだけだ。

 

それに、絶体絶命と思われた戦況も完全に逆転し、ライフ差もほぼ初期値にまで膨れ上がった。これ以上は、贅沢と言うものだろう。

 

 

「俺はこれで、ターンエンド!」

 

「…………っ、

 

私の、ターン!」

 

 

《プルート・サルベージ》の効果が適応されていることで、完全に色が抜け落ちたフィールドの中央で奴がカードを引き抜く。

 

既にその表情に余裕らしさは感じられず、しかして気迫は微塵も衰えずに、俺は彼女の仮面(アイドル)に隠されたデュエリストとしての面を垣間見た気がした。

 

 

「来た………!

 

私はマジックカード、《ディメンション・エクシーズ》を発動!

 

ライフが1000以下で、フィールド・手札・墓地のいずれかに同名のモンスターが3体揃っている場合、それらのカードを素材としてエクシーズ召喚する!」

 

 

 

 

 

 

 

《ディメンション・エクシーズ》

通常魔法

①:自分のLPが1000以下の場合に発動できる。

自分の手札・フィールド・墓地に同名モンスターが3体揃っていれば、

それらを素材としてX召喚できる。

 

 

 

 

 

 

おそらくは奴にとってのラストターン。最後に彼女が発動したのは、見覚えのないエクシーズ召喚補助カード。だが、今までのとんでもないカードと比べると随分妥当な効果のサポートではある。

 

しかし、奴が今までに使用した同名モンスターなど、最初に素材としたあのカードしか思い当たらない。最後の1枚は手札のアレだとしても、この場面で再びランク1のモンスターを…………?

 

 

「私は手札に1枚、墓地に2枚存在するレベル1、《光波異邦臣》3体をオーバーレイ!」

 

「来るか………!」

 

 

大地に煌めく銀河が爆発し、莫大な光がフィールドを覆う。

 

いつも目にする、モンスターエクシーズの召喚エフェクト。この場においても正しく行われたその先にあったのは、とてもランク1とは思えない派手な様相をした獅子のモンスターだった。

 

 

「ランク1、《No.54 反骨の闘士ライオンハート》…………。

 

だいぶ予想外だったけど、このカードで決めさせてもらうよ───!」

 

 

 

 

 

 

 

《No.54 反骨の闘士ライオンハート》

エクシーズ・効果モンスター

ランク1/地属性/戦士族/攻 100/守 100

レベル1モンスター×3

①:フィールド上に表側攻撃表示で存在するこのカードは戦闘では破壊されない。

②:このカードの戦闘によって自分が戦闘ダメージを受けた時、

受けた戦闘ダメージと同じ数値のダメージを相手ライフに与える。

③:このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時、

このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。

その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは代わりに相手が受ける。

 

 

 

 

 

 

 

「攻撃力100…………?」

 

 

この場面で、攻撃力100のモンスター? いや、ランク1に攻撃力の高さを期待してなんかいないが、3体をも素材にした割には…………。

 

 

「ステータスやランク、効果の強弱に優劣、ましてや希少さでそのカードの価値は決まらない。

 

属性のサポートを受けられる。レベルの高さが武器になる。その種族であることに意味がある。名前こそ重要な要素となる。君もテーマデッキを組んでいるのなら、その理由はわかるよね?」

 

「…………ああ」

 

「このカードも、その一つ。ステータスや効果に無視できないほどの癖があって、簡単に対策されるからこそ使いづらい、されど強力な効果を持つモンスター。

 

私の切り札とは比べるべくもない、だけれどこの場においてはその評価を軽々と凌駕する価値を持ってるカードだよ」

 

 

真剣に、真っ直ぐこちらを見つめて彼女は続ける。

 

ランクに優劣など、本来なら無いと。ランクアップなど、単なる芸でしかないのだと。よりにもよって、その常識を覆した女が。

 

 

「つまり何が言いたいかと言うと───まあ、あれだね。勝利宣言。

 

君のフィールドには、さっきの私のように強力なモンスターが棒立ちしているだけ…………故に、勝利の方程式は、ここに全て揃った」

 

「───」

 

 

それは、その言葉は確か。あいつの、いや、あいつに憑いた、アストラルの───

 

 

「ライオンハートの効果。

 

攻撃表示のこのカードは戦闘では破壊されず、このカードの戦闘で自分が受けるダメージと同じ数値のダメージを相手にも与えることができる。

 

───また、オーバーレイユニットを一つ使い、戦闘ダメージを反射する能力も持っている。

 

君のライフは、3900。銀河眼の光波竜の今の攻撃力は5600。つまり、発生するダメージは5500」

 

「───なるほどな」

 

 

確かにかなり癖のあるカードで、対処も容易なモンスターだ。さらに言えば、レベル1を3体も素材とする関係上、そもそもが出しづらい一面もある。しかし、この場においてのあのカードは、おそらく奴にとっての最後の切り札。最強の1枚。出した以上は、その経緯などどうでもいい、と。

 

 

「今回は私の勝ちだけど───一歩間違えば、私は惨敗していた。でも、それでいい。それがいいんだ。だってそれが、デュエルモンスターズという遊戯なんだから。

 

では、バトル。私はライオンハートで、銀河眼の光波竜を攻撃!」

 

「ぐっ…………!」 シャーク LP 3900→0

 

 

 

 

 

静かに紡がれた最後の言葉と共に、かなりの衝撃が身体中を襲う。

 

これで、俺が企てた奴の正体を少しでも暴こうという目論見は失敗に終わり、結局奴の謎はカケラも明かされないままとなったが───不思議と、俺は彼女のことを、ほんの少しだけ理解できたような気がした。








ゴールドラットを出せる(出すとは言ってない)


ようやく書きたかったバリアン戦に入れるよ…………でもこれからガチで仕事が忙しい罠。下手すれば休みがある18日辺りまで更新できないかも。






さなぎの思考


→よりにもよって光波竜を奪った挙句まさか強化してくるなんて!

→セブンシンズを戦闘破壊する気かな? じゃあやっぱりナンバーズ耐性がないことはバレてるか。でもセブンシンズには耐性が………。

→いや、待てよ。このままセブンシンズで耐えるのもいいけど、セブンシンズで私の光波竜を破壊するのはちょっと嫌だなあ。

→よし、ここはフィールド魔法の効果で色んなナンバーズを持ち出して…………そうだ。ジェットストリームギミパペやってデステニーレオ辺りを進化させれば攻撃込みで綺麗に終わるし!

→ファ!? なにその超ピンポイントカード!?

→あぶなっ!? ライフ超ギリギリじゃん。死ぬかと思った。しかも発動タイミングを逃しちゃった(物理)し、手札が雑魚モンスター(光波異邦臣)だけってどうすれば…………。

→あ、勝っちゃった。やったぜ☆

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