駄目神様にご注意を。   作:淋傘

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第三話!第三話ですよ!第三話!


神様「サダメは俺の秘書、いや下僕になる運命だったのさ!」

どうも、神導運命(シンドウサダメ)です。

 

前回、駄目神様(ダメガミサマ)に「俺の仕事を全部やれ!理由?面倒だからだ!」とかいう吃驚仰天(ビックリギョウテン)のとんでも理論を言われ、議論の末(といっても一方的に質問して、一方的に理不尽なこと言われただけですが)神様の秘書をやることになりました。

 

 

それだけでも大変だっていうのに……

 

 

『ねーねー?それなに?』

 

「……これはシャーペンだよ」

 

『それくらい知ってるよ!!!』

 

「じゃあなんで聞いたの!?」

 

誰と話してるか?そりゃあ【精霊】だよ。

え?またまた冒頭からツッコミどころしかない?ツッコミどころだけで出来てるのがこの作品のデフォらしいよ。僕だって、神様に会った後じゃなければ信じなかった。

でも今の僕は大抵のことは受け入れられるようになっているようだ。

昨日だったら、そんなオカルトありえません!とかツッコんでいたことだろう。

といっても、やっぱり説明がないとみんなは分からないだろうから、時間を戻して回想行こうか……

 

「ハァッ、間に合った……」

 

なんとか遅刻ギリギリってところだった。危ない……

 

「おーい!どうしたんだよ、遅いじゃねぇか!いつもは馬鹿みてぇに早く来るのに」

 

「いや~ちょっと寝坊しちゃってさ……」

 

神様と話してたら遅れた、なんて言ったら完全に電波キャラ認定だ。せっかくの青春を、そんな黒歴史で塗りつぶして同窓会にも呼ばれません。なんてことは御免である。

 

「まぁ、間に合って良かったな!」

 

「うん、なんとかギリギリだけどね……」

 

と、紹介しておこう。今話しているのは、僕の親友である【殿社(シンガリヤシロ)】。

何かと一緒に過ごしている、元気がよくムードーメーカーだ。こいつと出会ったのは中学時代で……

 

「おーいお前ら!席に着けー!」

 

「ヤベッ!じゃあまた後でな!」

 

「うん、後で」

 

担任がやってきたので会話中断。とりあえず社の紹介はまたの機会(あるかは不明だけど)にしよう。

 

「出席とるぞー!」

 

先生がテンプレ通りに生徒の名前を呼んでいく。生徒の中には、ダルそうに答える人、明るく答える人、色々いるが、やはり大半はダルそうな感じがする。あの神様ほどじゃないけどね。

 

「神導ー」

 

「はい」

 

少しして、僕の名前もテンプレ通りに通過された。誰も僕の言葉に興味を示さない。いや、当たり前の「はい」に対して、なにか反応する人もいないだろうけど。

 

『おぉ~!神導運命!は~い!カッコイイ!』

 

いた。意味不明な反応をする意味不明な存在が。

 

「女の子が……浮いている」

 

みんな、いきなり浮いている女の子(テンションが異様に高い)を発見したらどうしますか?

 

①話しかける

②触ってみる

③捕獲

④無視する

 

当然④。誰がなんと言っても④を選ぶよ僕は。

 

だが悲しいかな。僕は先程最悪の一言を零してしまっていたんだ。

 

『え!?今私のこと呼んだ!?』

 

「いや、呼んでないよ、気にしないで」

 

ミスった!全力でミスした!リセットを、リセットを要求します!助けて神様!S・O・S!世界を盛り上げるほうじゃないやつ!

 

『すごっ!私が見えてるの!あなたが神か!』

 

「いや、人間です。一応神様の秘書だけど……」

 

って真面目に答えるなよ、僕!!

 

『うん!知ってる!!!』

 

「いや、なんで知ってるの!?」

 

大声を出してからハッとした。しまった。今HR中だよ。絶対注目浴びる!

と、周りを見渡すと、誰も僕を注目してはいなかった。というか、みんなそれぞれ、そこそこ大きな声を出していた。

 

「何時の間にか休み時間になってたのか……」

 

全く気づかなかった。集中してると周りのことが見えなくなるって本当だなぁ。

 

「あ、そうだ!とりあえずこっちに来て!」

 

僕は女の子の手を握って、人気のないところまで連れていく。

 

『もしかして……襲われちゃったり?』

 

「しない、しない」

 

『なんだぁ~!つまんない!』

 

「いや、襲ってほしかったみたいに聞こえるよ、それ」

 

『うん!!!』

 

「笑顔で言うな!」

 

疲れる、神様と同等か、それ以上に疲れる。このままでは他人を見るだけで恐怖してしまうような体になってしまうかもしれない。

 

「単刀直入に言うけど、君はあれ?神様関連のなにか?」

 

それ以外に考えられないけど。

 

『いや?違うよ?』

 

「え?そうなの?」

 

的が外れたな……こんな非科学的な存在。神様関係以外の何者でもないと思ってたんだけど……

 

「じゃあ……君は誰だ?」

 

『聞いて驚くなかれ!私は……今流行の精霊ちゃん、でーすっ!!!』

 

「精……霊……?」

 

精霊ってなに?流行ってなに?まだ僕を面倒ごとに巻き込むつもりなの?

 

「言っとくけど、仕事はやらないからね?」

 

『仕事?別にそんなのないよ?』

 

「ハァッ……良かった……」

 

ここで拒否権はない、とか言われたらどうしようかと。

 

『それよりもっと大事なこと!キミはなんとレアものなんだよ!!』

 

「レアもの?」

 

『そう!運命くんにしか見えないの!レアもの!』

 

「いきなり名前呼びって……え?それより僕にしか見えないとは?」

 

『本当は私みたいな精霊は神にも見えないはずなんだよ!誰からも認識できないはずなのに!なぜか!運命くんには認識できる!これって運命かな?運命だけに!』

 

「文字で書いたら意味が分からないよ、それ」

 

というか、なんだって?神様にも見えない存在、精霊?僕にしか見えない?それなんのフラグ?

……とりあえず、全力で面倒臭い……

 

「さっき僕が神様の秘書だってことを知ってる、って言ったよね?どこで知ったの?」

 

もうとりあえず質問攻めだ。謎は全て聞く、コナンくんや、右京さんとかだったら謎は解くんだろうけど、残念だから僕は目の前に答えを知ってる人(精霊だけど)がいるのに考えるなんて発想はできない。

 

『え?神界で話してたじゃん!駄目神(ダメガミ)さんと!』

 

「もしかして……聞いてたの?」

 

ってか駄目神さんて。

 

『モチのロンだぜ!ドードーとこっそり聞き耳たててたよ!』

 

「一回、堂々という言葉を辞書で調べることをお薦めするよ」

 

『メンドーだから嫌だ!』

 

「なんでここにいるの?」

 

無視だ無視。質問を進めよう。

 

『ん~神様に選ばれた人間ってのが気になったから、ついてきた!』

 

「……つっこんだ方がいいかな?」

 

『できれば!!!』

 

「ハァッ……」

 

 

キーンコーンカーンコーンーキーンコーンカーンコーン

 

 

「うわっ、授業はじまる!」

 

『よしっ!がんばろー!』

 

「なんで着いて来るの!?」

 

 

そんな感じで回想終了、現在放課後。

 

 

それから……と、もうこんな時間!次回へ続く!え!?




神キャラ、いや新キャラ2人登場!
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