東方恋地底   作:黒い眼鏡の未確認生物

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なんかいきなり投稿ペース早くなったな。まぁ、またサボるんだろうけどね。『東方地底恋〜ユウマの失踪〜』はっじまっるよー


ユウマの失踪

俺は地霊殿から出ていった後、地底の穴の周りの森にいた。空を飛べばこの森は簡単に抜けられるがさとり様のことだろう、あの手紙を見たら探し出すに決まってる。だから空を飛ぶと見つかってしまうリスクが高くなってしまう。だから地上にいるという選択肢を選んだ。

 

「はは・・・さて、これからどーするかな。」

 

あらかたは俺の能力で最低限の生活はできる。だが問題は食べ物だ。俺は食べ物や生き物を創造することができない。流石にそこまで便利なものではなかったようだ。

 

「ま、テキトーに走ってみますかね・・・。」

 

俺は暗殺者時代に鍛えた走力で森を駆けた。どこを走っても木ばかりで何も景色が変わらない。これならさとり様達からは見つからなさそうだ。

 

「今頃は・・・どこら辺で探してるのかな・・・。」

 

俺はきっと俺のことを探しているさとり様達のことを思い浮かべた。

 

「・・・あれ・・・?」

 

いきなり俺の目から何かが出てきた。それは・・・間違いなく涙だった・・・。

 

「今更悲しくなっても、もう後戻りはできないのに・・・。もう出てきて何時間も経ってるだろうな・・・そろそろ日が暮れてきたか・・・。今頃、もう怒って帰っただろうな。ま、そっちの方がありがたい・・・。探しすぎて疲労困憊でもされたらさらに荷が重くなるからな・・・。」

 

そんなことを言いながら、本当は帰りたいとは思ってる。だが、こんな俺を必要としてくれてる人なんていない。俺はいつも・・・1人だったから・・・。

 

「・・・さて、少し休憩しすぎたかな。とっとと移動しようか・・・ーーー」

 

移動しようとしたその時、聞き覚えのある声が後ろからした。

 

「ユウマさーーーん!!どこですかーーー!?」

「お兄ちゃーーーーん!!どこーーー!!?」

「!!」

 

え・・・まだ探していたのかよ⁉︎もう朝から10時間くらい経ってるんだぞ⁉︎その間ずっと探していたのか・・・?・・・っと、そんなこと考える前に、ここから離れなきゃ・・・。そう考えたその時、足元からバキッと音がした。しまった、木の枝が落ちていたか・・・。

 

「!!ユウマさん!」

「!お兄ちゃん、そこにいたの⁉︎」

「・・・!!」

 

やれやれ・・・見つかっちまったか・・・。流石にあの音とこの髪の色じゃ目立つわな・・・。空を飛んで探していたさとり様とこいしちゃんに流石に目立ったこの純白の髪と踏んでしまった木の枝の音が原因で見つかってしまった。

 

「・・・はぁ、やっと見つけました・・・。帰りましょう、ユウマさん。」

「・・・嫌です。」

「どうしてですか⁉︎」

「俺はあそこに・・・地霊殿にいちゃいけない。俺の手は血で汚れている。そんな手でさとり様達に触れられない。迷惑をかけたくない。俺みたいな人間が・・・あなた達のそばにいてはいけないんです・・・光を浴びちゃダメなんです!!・・・どうして・・・どうして俺を探しにきたんですか⁉︎別れの言葉も入っていたでしょ⁉︎」

「そんな言葉・・・急に言われても受け入れられるわけないでしょ⁉︎」

「お兄ちゃんがいなくなったら、ブラッシングは誰がしてくれるの⁉︎」

「またお燐にやってもらえばいいだろ⁉︎俺の手で触れちゃいけないんだ・・・こんな・・・暗殺者の手で・・・!!」

「それは過去のあなたでしょ⁉︎過去のことなんか捨ててしまえばいいじゃありませんか⁉︎」

「過去のことでも俺は俺です!!捨てれるものなら捨てたいですよ!!でも、そんな事簡単にできるわけないでしょ⁉︎簡単に言わないでください!!」

「私はっ!!」

『!!』

 

その時、今までとは比にはならないくらいの声をこいしちゃんがあげた。その目からは涙が流れ出ていた。

 

「こいし・・・?」

「お燐には悪いけど・・・私は・・・お兄ちゃんのブラッシングが好きなの・・・!お兄ちゃんじゃなきゃ嫌なの!!」

「・・・!・・・こいしちゃん・・・。」

「私もですよ、ユウマさん。」

「!さとり様・・・。」

「ユウマさんの手は暗殺者の手じゃありません。・・・とても・・・優しい手です・・・。」

 

さとり様はそう言うと俺に近づき俺の手を握ってきた。こいしちゃんもそれを見て俺に近づき同様に手を握ってきた。

 

「・・・!」

「もしも、誰もあなたを必要としていなくても・・・少なくとも・・・私は・・・私たちは、あなたが必要なんです!私たちの・・・家族として!」

「!!」

「あなたは・・・1人じゃありません!!」

 

その言葉がトドメとなった。俺の目からは涙が溢れ出て止まらなかった・・・。あぁ、そうか・・・俺はずっとその言葉を言って欲しかったんだな・・・。

 

「さぁ、ユウマさん。心にあることを言ってください。今なら言えるんじゃないですか・・・?」

「俺は・・・。」

 

その時俺の心にあった言葉・・・それは・・・。

 

「地霊殿に・・・あなた達の元へ・・・帰りたいです・・・っ!!」

「えぇ・・・帰りましょう、私たちの家へ・・・!」

 

その後、お燐達も駆けつけてみんな泣いていた。泣き止んだ後で地霊殿に帰った。短い家出だったけど、得るものは大きかった・・・。

それは・・・こんな俺にも必要としてくれる人達がいる・・・。暗殺者だった俺を受け入れてくれた地霊殿のみんながいる・・・。もう・・・こんなバカな真似はやめよう。そして、もう悲しませないと決意しよう。特に・・・さとり様とこいしちゃんは・・・。

 

「そういえばお兄ちゃん。」

「ん、何、こいしちゃん?」

「お兄ちゃんの目、キラキラしてるよ!悲しそうな顔もなくなって今はとても嬉しそう!」

「・・・え・・・?」

 

俺は鏡を創造すると自分を写した。そこには・・・目に光を灯した、まるで暗い奥底から光を取り戻したかのように俺の目には光があった・・・。そうか・・・さとり様とこいしちゃんが俺を変えてくれたんだ・・・。

 

「さとり様、こいしちゃん。」

『?』

「ありがとうございました。」

「ふふ、どうしたんですか、急に?」

「いえ、なんでもありません!」

「変なお兄ちゃん。」

 

こいしちゃんのその言葉にみんな笑った。やっぱりこの人達といるととても楽しい。過去のことは少しずつでも忘れていけそうだ・・・。そしてこの時俺はさとり様とこいしちゃんを見てドキドキしていた。この感情がなんなのかは今は分からない・・・。いつかわかる時が来るのだろうか・・・?




うん、本当に短い家出だったね、ユウマくん。
次回からはまた平和な日常が戻ってくるよ〜!これから恋展開になっていくのかね〜?乞うご期待!

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