この先どうなるのか⁉︎それでは「ユウマの過去」スタートです☆
「・・・ん・・・んぁ・・・。」
そんな情けない声を出しながら俺は目覚めた。どうやらベッドに入れられているらしい。
「・・・!目が覚めましたか、ユウマさん⁉︎」
「・・・あ・・・さとり様・・・俺は・・・いったい・・・。」
「急に何かに怯えたような顔になってそのまましゃがみこんで泣きながら絶叫してたんだよ。」
「そう・・・だったのか・・・。」
「・・・ユウマさん。教えてください。」
「・・・何を・・・ですか・・・。」
「あなたは『もう誰も殺したくない』と言いました。あなたは・・・何か思い出したんじゃないんですか?」
「・・・。」
さとり様が聞きたいことは大抵予想はついていた。
それは・・・何か思い出したんじゃないのか、というものである。
案の定その通りだったようだが。
「・・・言いたくなければ、無理にとは言いません。」
「とは言っても、さとり様なら心を読んでわかってしまうでしょう?・・・なら、話しますよ。・・・確かに、何もかも思い出しました。」
「やっぱり・・・そうなんですね・・・。」
「俺は・・・暗殺者でした・・・。」
『!!』
俺の言葉を聞いた瞬間みんなは驚きを隠せなかったようだ。無理もない。
「暗殺者として過ごしていた頃は上からの命令で動いていてその日々は血に濡れていました。今まで殺してきた人間は数知れません・・・。日に日に感情は薄れて行きました。けど、本当にこんなことをしていていいのかと不安になってきて、最後にはもう殺したくないと思って逃げてきました。その途中でこの地底の穴に落ちてその時の衝撃で記憶をなくしていたんだと思います・・・。」
「・・・そんなことが・・・あったんですね・・・。」
「・・・はい・・・。」
「ま、まぁ、今日はもう遅いですし、暗い話はやめて今日は寝ましょう!」
「は、はぁ・・・。」
「ほら、みんな、出るわよ。ユウマさんの邪魔をしちゃ悪いわ。」
「え、あ、はい・・・。」
「・・・お姉ちゃん?」
「それではユウマさん、おやすみなさい。」
「は、はい・・・。」
☆
「お姉ちゃん、どうしたの、急に?」
「ううん、なんでもないの・・・。気にしないで。」
「・・・ユウマに・・・あんなことがあったんですね・・・。」
「そう・・・みたいね・・・。ユウマさんのあんな悲しそうな顔・・・初めて見たわ・・・。」
「お姉ちゃん・・・泣いてるの・・・?」
「え・・・?」
私は目から溢れるものを拭った。それはまさしく涙だった・・・。
あの人の悲しい顔は・・・どこか・・・私に似てた気がする・・・。
そんな気がした。
「・・・あの人の悲しい顔を見てたら、こっちまで悲しくなったわ・・・。でも、もう大丈夫。明日からまたいつも通り接していきましょう?」
「うん、そうだね!」
「はい、そうですね!」
私はあの人を悲しませないようにしようと心に決めた。なぜかもう・・・あの人の悲しい顔は、見たくないと思ったから。
☆
ーーーー翌日の朝ーーーー
「お兄ちゃーん、おっはよー!」
「ユウマー、いつまで寝てる・・・あれ・・・?」
「お兄ちゃーん?どこー?」
「・・・ん?置き手紙・・・?ーーーー・・・!!これは⁉︎」
☆
「さとり様!」
「?どうしたの、お燐?」
「これを見てください!」
「・・・手紙?ーーーー!!」
私が読んだ恐らくユウマさんの置き手紙、そこにはーーー
『地霊殿の皆様へ
昨日言った通り、俺は暗殺者です。自分がやっていたことを知ってさぞ驚いたことかと思います。記憶を取り戻した今だから言えます。俺はここにはいれません。いてはいけないと思いました。こんな俺を誰も必要とはしていません。誠に勝手ながら出ていきます。いままでありがとうございました。さようなら。 ユウマより』
私はその手紙を見て涙が出てしまった。・・・あの人が・・・ユウマさんが・・・離れていってしまう・・・!そう思った私は無我夢中でこう叫んだ。
「みんな、ユウマさんを探しに行くわよ!!」
「・・・!うん!」
『はい!』
ユウマさん・・・どうか・・・そう遠くにはいっていませんように・・・!!
きゅーーに修羅場だね。本日小説2つ目でございます。
次回、「ユウマの失踪」お楽しみにー