私達はキッチンに来ていた。するとお燐が、
「・・・さとり様、あのことをユウマに言わなくても良かったんですか?」
「・・・いいの。もう使わないでって言っておいたから・・・。」
「でも、もしかしたらまた使ってしまうかもしれませんよ・・・?」
「ユウマさんは信頼できます。心の中も嘘偽りなく真剣でしたから・・・。もう・・・私みたいな人は現れて欲しくないから・・・。」
☆
さとり様に言われた通りに俺、こいしちゃん、お空は中に入り、リビングで一緒にいた。するとお空が、
「ねぇ、ユウマ。なんでさとり様が君に自分の能力を使わせたくなかったんだと思う?」
「・・・いや?分からないけど・・・。」
「さとり様はね・・・あの能力で人間に忌み嫌われてるの。」
「・・・⁉︎」
俺はそのことを聞いて驚愕した。
「さとり様はあの心を読む能力で里を追われたの。だから地底に住んでいるの。妹様も人間の友達がいたのに人間に嫌われてからその友達にも嫌われて心を閉ざしてしまったの。だからこいし様のサードアイは閉じてしまったの。」
「やめて、お空。」
「・・・はっ!すみません、言い過ぎました・・・。」
「いいの、気にしないで。」
俺は・・・さとり様やこいしちゃん達に悪いことをしてしまった・・・。
「・・・ごめん。嫌な事を思い出させちゃって・・・。」
「いいよ、過ぎた事だし。」
「そうか・・・でもなんで買い物の時は人里に・・・⁉︎」
「あれは追われた里じゃないからね。それにあの里は悪い妖怪でなければ受け入れてるんだよ。」
「そう・・・だったのか・・・。」
さとり様の能力を使うことでさとり様に不快な思いをさせてしまった・・・。ん・・・?そう言えばさっきから心が読めなくなってる・・・?・・・なるほど、能力は作ると10分しか持たないのか・・・。そりゃそうだわな。まぁ、これでさとり様から言われたことは守れそうだから良しとしよう。するとその時、
「みんなー、夕食できたよー!」
そう言いながらお燐が部屋に入って来た。
「・・・どうしたのさ、みんな暗い顔して・・・?」
そして俺らは事情を話した。
☆
「そうなのか・・・事情を聞いたんだね?」
「あぁ・・・。」
「さとり様からは言わないでって言われたばかりなんだったんだけどねー・・・。」
「そうだったの⁉︎ごめん、お燐!」
「いいよ、お空。それに謝るのはあたしじゃなくてさとり様に対してだろ?」
「そ、そうだね・・・。」
「さとり様に謝らなくちゃな・・・。」
「まぁ、聞いてしまったならその方がいいかもね。」
そういった話をした後、俺たちは食卓に向かった。
はい、ということでさとり様とこいしちゃんの過去にちょっと触れた話でした。次の話からはまたいつもの日常が戻りますのでよろしくお願いします!