執事と妹
執事と妹
「ふふ、待っていてくださいね?我が主・・・・ルノ様」
「早く行こうよ、白夜!」
「はい、分かっていますよ『ナユリ様』」
パラレルワールド
「おや?ブリッツ、これを見てみな?」
「なんだい姉さん?今忙しいんだが?って、エニグマがどこかに繋がってるねぇ?行ってみるのかい?」
「行きますかぁ!」
クロスフィード : アカデミー生徒会室
「セルス先輩、この資料これでいいですか?」
「済まないな?頼んでしまって」
「いえ、俺の仕事ですから」
いま、俺達がいるのは、アカデミーに新しく作られた生徒会室だ。数ヶ月前の騒ぎが嘘なように平和で静かに過ごしている気がするが、この平穏がいつまで続くか?
「ルディ!セルス先輩!来てください!」
「ど、どうしたんだ?クロノ?」
「いいから!早く外に!」
「「外?」」
アカデミー上空
「なんだ?あれ?」
「なんでしょう・・・嫌な感じがします」
「大丈夫、アイリとミイシャは、俺が守るから」
「よろしくお願いしますね?旦那様」
ミイシャとは、俺とアイリとの間に生まれた子供だ。幸いなことに、髪の色はピンクで、旧帝国特有の銀色にならなかったのは、不幸中の幸だっただろう。何せ、今でも新王国には、旧帝国をよく思わない人がいるからだ。
「ワームホール?あ、消えた」
「お、おいクロノ!引っ張るな!」
「あれ?ワームホールは?」
「今しがた消滅したぞ?」
出遅れた!?く、くそぉぉぉ!!
「ホントにあったんだ」
「まさか、エニグマが起動したんでしょうかねぇ?」
「誰だ!」
「お初にお目にかかります・・・・ルノ様並びにアイリ様の専属執事をしておりました、切皇白夜と申します・・・・いご、お見知りおきを?アイリ様の旦那様、フィールス・アイングラム様も」
なんだ?こいつ・・・・どこか、底知れない闇が見える気がする・・・・
「久しぶりだな?白夜?」
「はい、リュウネ様」
「リュウネさん・・・・彼は、まさか?」
「帝国の狂刄・・・・切皇白夜だよ」
帝国の狂刄とは、旧帝国が存在していた頃にいたとされる暗殺者のことだ。
「ルノ?」
あれ?なんで、あんな顔してるんだ?まるで、家族の仇みたいな顔・・・
「白夜は、ルノの仇なんだよ・・・もう1人の妹のな・・・・」
「え・・・・?妹?でも、俺が知ってるのは・・・・」
「アイリだけだろ?でも、もう1人居たんだよ」
もうひとり・・・あれ?俺、どこかで会ってるのか?いや、そんなわけ・・・・いや、あの子か!?
「あの、ルーちゃん・・・ルーちゃんのもう1人の妹ってさ?ナユリって名前?」
「そう、だけど?」
「呼んだ?フィーくん?」|ω・)
「え!?ナユリ!?」
「う、うそ?だって、あの時・・・」
「ナユリ様は、私が連れ出しました・・・・あの日、特殊な薬を使われ、凌辱されていた、ナユリ様を」
「え?」
女性にとって、凌辱とは、しにも等しいことである。しかも、アーカディア帝国の生き残りだ・・・・これがどんな意味を意味するのか、ルノとアイリは、瞬間的に、理解していた。
さてさて!切皇白夜編!スタート!
ルノとアイリに妹が!?この妹の正体とは!?次回を待て!