アーラシュに憑依したオリ主がネギま!の修学旅行中にステラする話   作:偽馬鹿

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大変お待たせしました。
スランプというかイベントが立て込んでいたというか。


拾われっ子の旅行事情2

 

 

 

「ふむ、桜咲刹那。5班と合流してこい」

 

朝の話。

桜咲刹那から昨夜の話を聞いたエヴァンジェリンがそう切り出した。

 

「ど、どうしてですか!?」

 

納得いかないのが桜咲刹那。

ネギ先生がいれば少し頼りないとはいえ護衛としては十分。

更に神楽坂明日菜がいれば安心度は上がる。

一緒に行動する必要があるとは思えなかったのである。

 

「だが不安だろう?」

「うっ」

「だんだん不安になってきただろう?」

「こ……このちゃん……」

 

エヴァンジェリンがとった手段は催眠術だった。

ふらふらとしたまま部屋を出て行った桜咲刹那。

なんやかんやで一緒に行動することになるだろう。

 

「いいの?」

「いいんだ。少しは苦労した方がいいだろう」

 

ふーん、と興味なさそうに寝っ転がるスピカ。

あんまり関係ないと思っている様子。

 

エヴァンジェリンはそんなスピカを微笑みながら叩き起こす。

二度寝は許さないらしい。

 

 

 

特に問題もなく朝食は過ぎていく。

彼女たちにとって、桜咲刹那が近衛木乃香に追いかけられているのもイベントの1つのようだ。

 

5班に桜咲刹那がついていくことは、既にエヴァンジェリンがネギ先生に伝えてある。

護衛として必要だとか何とか。

こちらは催眠術の出番すらなかった。

どうやら近衛木乃香が押し切った模様。

 

そしてネギ先生争奪戦を5班が制したところで朝食タイム終了。

スピカはあまり食欲がなかったが、エヴァンジェリンに励まされて頑張った。

苦手なピーマンも残さず食べた。

 

 

 

「お」

「あ……」

 

スピカが少しぶらつくと暇そうなアーラシュが空を見上げていた。

想定外の遭遇に、スピカは襲い掛かることも忘れて呆然としてしまった。

 

「お、アーラシュか。ちょうどいい、一緒に回るぞ」

「いいぞ」

「え、え?」

 

スピカが突っ込む暇もなく、エヴァンジェリンがアーラシュを誘う。

そして突っ込む暇なくアーラシュが了承し、同行が決定する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、結局どういうことなの?」

「昨日の話か?」

「そう」

 

道中、スピカたちは昨日起こった出来事について話し合っていた。

 

近衛木乃香が攫われたこと。

それをネギ先生達が追いかけていったこと。

その先で戦い、最終的にアーラシュが矢で追い払ったこと。

 

「え、本当なの?」

「一応な。手助けはいらなかったかもしれないが」

 

弓矢一発放ったはいいが、役に立てたかどうかわからないとのこと。

スピカもそれだけで役に立ったと言われても困る感じがすると思った。

 

 

 

「ところで友達はできたのか?」

「は?」

 

しばらく観光していると、アーラシュがスピカに話しかけてきた。

どうやら学校での様子が気になるらしい。

 

スピカはエヴァンジェリンを見て、ザジを見て、アーラシュを見た。

それだけでアーラシュは察したらしい。

いい笑顔でスピカの頭を撫でた。

スピカはなんとなく不機嫌そうな、それでいて満足そうな顔をしてそれを甘んじて受けている。

 

 

 

 

 

夜。

しっかりと観光を楽しんだスピカは満足げな表情を浮かべながら布団に飛び込む。

足をバタバタさせながら寝転がる。

エヴァンジェリンはその様子をため息つきながらも笑って見ていた。

 

 

 

ちなみにイベントはスルー。

というよりエヴァンジェリンが参加させなかったという方が正しい。

お姉ちゃんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜の話。

ふと目を覚ましたスピカはエヴァンジェリンがいないことに気付く。

ふらふらと起き上がり、のろのろと外へと向かう。

探しに行くつもりらしい。

 

「……ん?」

 

小さな声。

聞こえた方向へと向かうとどうやらアーラシュとエヴァンジェリンが喋っている模様。

なにそれ仲間外れ?

頬を膨らませながらスピカは声の聞こえる方向へと小走りになる。

 

 

 

 

「俺は多分もうすぐ死ぬ」

 

 

 

 

そして、その言葉で足が止まった。

 

 

 


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