アーラシュに憑依したオリ主がネギま!の修学旅行中にステラする話   作:偽馬鹿

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Q.どうしてこれが本編じゃないの?
A.だってステラまで時間かかるし



拾われっ子の友達事情

3年生になった。

特に問題なく期末試験を終わらせることができた。

それもこれもいいんちょの合同勉強合宿のおかげである。

自力の勉強だけではまったく役立たずだっただろう。

 

「おい、私はどうした」

 

スルーである。

結局間違いを指摘するくらいだったじゃないか。

あまり口を挟まなかったようである。

 

ともかく。

スピカは3年生になり、ネギ先生は無事先生として勤務を継続することができた。

嬉しいとは言い切れないところがスピカの悪いところだろうか。

はやく(魔法制御)改めないと死んじゃうよネギ先生、である。

 

 

 

ところで。

最近桜通りに吸血鬼が現れるというもっぱらの噂。

スピカがすーっとエヴァンジェリンを見るとふいっと目を背けた。

何か知ってるっぽい。

そして教えてくれないっぽい。

 

スピカはエヴァンジェリンへの追及を諦め、その従者の茶々丸へと狙いを定めた。

ねえ何か言って?

いいえ何も言えません。

どうやらこちらも門前払い。

ふくれっ面でスピカは座席に座り込んだ。

 

 

 

となったのもつかの間。

その夜にエヴァンジェリンとネギ先生が戦ってるじゃないかと。

びっくり仰天である。

 

特に理由もなくそんなことするとは思えない。

スピカはそう確信し、その戦闘を追いかける。

 

すると隣に並走する影が1つ。

どうやら神楽坂明日菜その人である模様。

そそくさと隠れようとしたものの、その前に気付かれた。

 

「ちょっとあんたスピカでしょ! 何?! アレどうなってるのよ!?」

「知らないわ。だから私も追いかけてるところ」

 

わたわたと叫びながら全力疾走の明日菜。

ちょっと魔力で下駄履いてるはずなのに並走されてることに少し凹むスピカ。

 

 

 

暫く走ってようやくエヴァンジェリンとネギ先生に追いついた2人。

するとちょうど、エヴァンジェリンがネギ先生の首筋に歯を突き立ててるところだった。

 

「ちょっとあんたたちー! うちの居候に何してんのよー!」

 

建物の屋根まで跳躍し、そのままエヴァンジェリンと茶々丸にハイキックをかます明日菜。

どうあがいても勝てないわあれ。

スピカは明日菜に体力面で勝つことを諦めた。

 

というかお得意の魔法障壁はどうしたのよ。

直撃喰らうなんてエヴァンジェリンらしくない。

何だかんだ信頼している模様。

 

 

 

ふらふらと撤退していくエヴァンジェリンを見つつ、ネギ先生の動向をうかがう。

すると子供のように、いや実際子供なのだが、泣き出してしまった。

こりゃ話は聞けそうにない、とスピカも撤退することにした。

明日エヴァンジェリンに直接聞いてやる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「内緒だ」

 

聞いてみた結果がこれである。

いじわるそうな笑みを浮かべながらの一言。

これは拷問の時間ですね間違いない。

 

「だから目潰しはやめろ! なんでいつもいつも目潰しなんだ!?」

「?」

「心底不思議そうな顔はやめろ!」

 

心外である。

例え痛みに慣れていてもダメージが入るというからやっているだけだというのに。

机の角に小指をぶつけるのと同レベル扱い。

頭のネジがどこか外れているのではあるまいか。

なおアーラシュ相手には目潰ししない模様。

 

「教える、教えるからその手をしまえ! 効かなくても怖いものは怖いわ!」

「最初からそう言えばいいのよ」

 

ガツガツ障壁にぶつける手を止め、スピカは話を聞く態勢になった。

ちょっと指が痛い。

貸してみろすぐ治す。

ん、ありがと。

仲良しか。

 

 

 

ともかく。

スピカはエヴァンジェリンの思惑を知ることとなった。

なるほど腕試しか。

それも実践的なそれ。

 

「ところで学園長に許可とか取ってるの?」

「は?」

「え?」

 

ふと思いついたことをスピカが聞くと予想外な返事。

というか許可なしで大立ち回りとか何やってるんだろうこの吸血鬼。

 

「まあ事後承諾という奴だな。多分大丈夫だろう」

「本当かなぁ?」

 

軽い感じのエヴァンジェリンに不安げなスピカ。

どうなることかと考えながら、スピカはエヴァンジェリンへの対応を待つことにした。

 

 

 

駄目だったらしい。

しっかり怒られた模様。

 

とはいえネギ先生に実戦経験を積ませるチャンス。

いい感じに手加減することを条件にOKとなった。

 

「本当は登校地獄を解けるくらい血を吸う予定だったんだがなー」

「それってネギ先生死なない?」

「……多分?」

「どっちよ」

 

死なない程度にー。

本当かしらー。

云々言いながら別荘へ。

今日も今日とて特訓である。

 

 

 

「……なあ本当に気の方に手を出した方がいいと思うぞ? 才能のなさが悲しい」

「どういう意味よ」

「そういう意味だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで。

スピカには友達と言えるような間柄の人間がいない。

古菲は多少喋る機会がある程度。

明日菜とはこの間の事件の時にほとんど初めて喋ったほどだ。

 

とはいえ決して馴染んでいないわけではなく。

話しかけられれば応えるし、一緒に遊びに出たりする。

その機会はほぼないが。

 

やはりエヴァンジェリンとの関係が問題なのだろうか、とスピカ。

あまり友達が欲しいわけではないのだが、喋る相手がいないのは体裁が悪いのではないかと考えたのである。

一応茶々丸とも喋る、喋るのだがほとんど事務的な会話しかしない。

茶々丸関係で葉加瀬とも喋るが、これまた関係性は薄い。

 

 

 

どうするべきかと考えていると、タカミチから連絡が入る。

数日中にアーラシュが帰ってくるという連絡だった。

 

さっきまでの思考を追いやり、今回の襲撃作戦を練る。

今度こそアーラシュの膝をつかせるのである。

 

 

 

……友達を作るのはもっと先になりそうだ。

 

 

 

 

 




最近どうにか執筆の勘が取り戻せてきたような気がします

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