アーラシュに憑依したオリ主がネギま!の修学旅行中にステラする話   作:偽馬鹿

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古戦(ry
まあ本戦は終わってるので(忘れてた)普通に更新です
一応ですが、スピカはアーラシュが大好きですよ?


拾われっ子の甘え事情

「スピカ、身体に異常はないな?」

「うん、大丈夫」

 

エヴァが心配そうな顔で話しかけてくるので、大丈夫だと口にするスピカ。

魔力が流れていく感覚はあるが、それは許容範囲内だ。

大方綾瀬夕映とアーラシュが無茶してるんだろう。

 

そういえば、アーラシュはどこにいるのか。

いい加減姿を現すべき。

スピカは若干不機嫌になった。

 

 

 

「エヴァお姉ちゃんー」

「う、む。なんだ?」

 

スピカはそんな思いを放り投げ、エヴァに甘えることにした。

エヴァは若干戸惑い気味だが、それでもちゃんと反応してくれた。

そのことに嬉しくなったスピカは、ぎゅーっとエヴァに抱き着いた。

 

「こ、こら! 動きづらいわっ」

「えー」

「えー、じゃない!」

 

エヴァが思い切り引き剥がそうとするので、仕方なく離れるスピカ。

魔法まで使われたらたまらない。

いや、エヴァはそんなことしないと分かっているのだが。

 

 

 

暫くの間甘えていると、エヴァが出かける準備をし始めた。

何やら深刻な様子。

スピカもついていくことにした。

 

「……いや、ついてこられても困るぞ」

「アーラシュ探すのもなんか違う」

「なんか違うってなんだ……?」

 

なんか違うのだ。

スピカは上手く説明できなかったが、エヴァは仕方なさそうについてくるようにと言ってくれた。

なんとなくガッツポーズしたスピカだったが、特に理由は思い至らなかった。

 

 

 

「とにかく、真面目な話だからついてくるならちゃんとするんだぞ」

「はーい」

 

 

 

本当に真面目な話でした。

スピカはついてきたことを若干後悔した。

 

 

 

どうやらサーヴァントが麻帆良学園内に潜伏しているとのこと。

そのサーヴァントは人間を乗っ取って動かすことができるのだという。

それも無茶な動きをさせる為に、その人間はほとんど死んでしまうとか。

しかも、乗っ取っている状態でなくても魔法生徒を撃退してしまうほどの戦闘力を持っているらしい。

 

そんなわけで、エヴァに出番が回ってきたということである。

ついでにタカミチがついてくる。

2人っきりだと思っていたから不満である。

 

「ははは、まあ念のためって奴さ」

「は、大方監視だろうさ」

「ふーん……」

 

気に入らない。

スピカはそう思ったが、タカミチには勝てそうにないので諦めた。

アーラシュ相手とはえらい違いである。

 

 

 

今歩いている場所はちょうど駅と学園の中間辺りだろうか。

路地裏が多く、人通りが割とある場所だ。

 

「さて、地道に探そうか」

 

タカミチがそう言った瞬間、路地裏から黒い何かが飛び出してきた。

それはスピカを狙っていたようで、触手のようなものを伸ばした。

 

しかし、それは叶うことはなかった。

エヴァによる氷結魔法によって半身が凍らされ。

タカミチによる居合い拳によってぶち抜かれた。

 

「……噂をすれば影って奴ね」

 

スピカは最近覚えたことわざを使ってみるが、2人は反応してくれなかった。

不満気に頬を膨らませてみるが、それでも2人は反応してくれない。

 

不思議に思って辺りを見渡してみると、ぞろぞろと黒い何かが溢れるように路地裏から出て来ていた。

まるでスライムである。

 

 

 

「これだけ大勢で来るとはね……」

 

予想外だよ、とでも言いたげなタカミチ。

その割にはいつでも準備万端といった様子である。

何となく戦闘中のアーラシュを思い出した。

 

「こいつは……悪趣味だな」

 

エヴァが不愉快そうな顔で言う。

確かに黒い何かの姿形は気持ち悪いと思ったスピカ。

パキパキと氷が弾ける音が聞こえてくるので、エヴァも既に臨戦態勢のようだ。

 

「えーっと……何か言った方がいい?」

 

スピカは何も思い浮かばず、両手を身体の前に突き出した。

自分なりの戦闘態勢である。

 

 

 

しかし、とスピカは思う。

これだけ黒い何かが出てきたのに、()()()()姿()()()()()()()()

気にはなったが、それを口に出す前に黒い何か達が襲い掛かってきた。

 

「ふっ!」

 

即座にタカミチが反応。

見えない拳が2発、3発と飛んで、黒い何かが吹き飛んでいく。

 

魔法の射手(サギタ・マギカ) 氷の17矢(セリエス・グラキアリース)!」

 

エヴァは片手で糸を使って牽制し、もう片方の手で魔法の矢を放つ。

糸によって締め上げられた黒い何かは、ギリギリと音を立てて千切れ、消滅していった。

 

「えーっと……ク・リトル・リトル・クリトリア! 氷神の戦鎚(マレウス・アクイローニス)!」

 

スピカは練習中の魔法の中で詠唱が短いものを選び、大きな氷塊を作り出して叩きつけた。

大きな氷塊は、何体もの黒い何かを巻き込みながら爆散する。

 

「やった」

 

魔法の出来に満足したスピカはガッツポーズをした。

そして自慢しようとエヴァの方に向いた。

 

 

 

すると、目前には黒い何かの顎。

 

 

 

「スピカっ!」

 

 

 

あ、これ1回死んだ。

スピカはそう思って目を瞑って衝撃に備えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、いつまで経っても衝撃はやってこない。

そっと目を開けると、目の前にいたはずの黒い何かは消えていた。

 

「あれ……?」

 

それどころか、エヴァとタカミチの姿もなかった。

辺りをくまなく見渡しても影1つない。

まっさらな空間に出てしまったようだ。

 

「ええっと……」

 

手をふわふわ。

足をぶらぶら。

しかし辺りに変化はなし。

 

 

 

ふと、頭にある名前が浮かぶ。

しかし、こんな場所にいるはずがない。

 

だがその名前を呼ばずにはいられなかった。

何故ならそれはスピカにとって大切な人だったから。

さっきからずっと会いたいと思っていたからである。

 

 

 

「アーラシュ……」

 

 

 

すると、目の前に突然アーラシュが現れた。

いつものように間抜けな顔で、それっぽい鎧を着ていた。

 

 

 

しかし、何かがおかしい。

いつものような雰囲気ではない。

なんというかそう、いつも以上に洗練されているというか。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「アーラシュ?」

 

声が聞きたい。

しかし、応えてくれない。

 

 

 

魔法の射手(サギタ・マギカ)

 

 

 

なので撃った。

どうせ本物でも偽物でもどっちでもいいや。

撃ってから考えようということである。

 

ぐしゃあ! と大きな音を立てて砕けるアーラシュに、やっぱり偽物かとスピカは安堵する。

本物だったとしても安堵するのだが、それは言わぬが花というべきか。

 

 

 

すると、空間全てが歪んでいく。

何か変な空間に囚われていたようだ。

 

 

 

なんだか気分がよくなってきて、スピカは眠るように意識を手放した。

 

 

 

 


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