アーラシュに憑依したオリ主がネギま!の修学旅行中にステラする話   作:偽馬鹿

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ひとまずこれで区切りです
次の更新は26日辺りになると思われます


このちゃんキャスター漫遊記3

「……魔力の枯渇か。ギリギリになるまで使い切ることはあるとはいえ、これは……」

 

エヴァちゃんがベッドに寝かせた夕映の様子を見ている。

容体は安定しているというが、未だに不安である。

 

「夕映、胸に何かつけてたのよ。それが原因だと思うの」

「これか。……古代ルーン文字、か?」

 

スピカが夕映の胸元を指差す。

エヴァちゃんがそこをまさぐると、そこから小さな小石が出てきた。

 

ルーン文字?

木乃香は不思議そうな顔で宙に浮いているであろうキャスターを見るが、そちらも不思議そうな顔をしていた。

やっぱりなんにも知らんやんかー。

 

「古いな。しかも危険だ」

 

エヴァちゃんは深刻そうな顔で小石をつまむ。

そしてその古さと危険性を語る。

 

 

 

ルーン魔法は持ち主の魔力を消費する魔法であり、その比重が重いのだという。

しかも新しい魔法に存在しているような魔法のセーフティー機能も存在していないほど古い魔法なのだとか。

これがないせいで、夕映は魔力を限界まで使って倒れてしまったのである。

 

 

 

「正直生きてるのが奇跡のようなものだ。スピカに感謝するんだな」

 

ペチンと夕映の額を叩いて解説を終わらせるエヴァちゃん。

それでも夕映は目を覚ますことなく、小さな寝息を立てている。

 

「はうーよかったー。ゆえー」

 

のどかがぎゅっと夕映に抱き着く。

親友が命の危機と聞けばこうなるのもわかる。

木乃香自身もせっちゃんや明日菜が命の危機だったと言われれば抱き着くこともやむなし。

 

 

 

「ところで、だ」

「うん?」

 

ちゅーっと木乃香がジュースを飲んでいると、すっとこちらの方を向くエヴァちゃん。

何やら顔がひくひくしてる。

もしかして怒っているのだろうか?

 

「なにー?」

「お前らもサーヴァント付きかー! どうなってるんだうちのクラスはー!」

 

うがーとでも表現するべきか。

そんな擬音が似合う表情でエヴァちゃんが叫ぶ。

そんなん私のせいと違うやんかー。

 

「えーと……挨拶とか必要でしたー? キャスターですー」

「違うわっ!」

 

ふんわりとした表情と動きでキャスターが笑う。

それにしっかりツッコミを入れるエヴァちゃん。

優しいわー。

 

 

 

「しかし、マスター。こいつら色々と知ってそうだぜ」

 

キャスターとは違って、どっしりと構えているライダー。

舌なめずりという言葉が似合いそうな表情。

やーんえろえろやー。

 

「……確かに、私達は色々知らないからな」

 

大きくため息をするちうちゃん。

困ってそうでしたからねー、とキャスター。

そういうのちゃんと言おう?

 

 

 

「聞かせてくれよエヴァンジェリン。この騒動の発端って奴をさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……つまりはこのスピカが原因ってことじゃねーかっ!」

「痛い。痛いってばちうちゃん」

「ちうちゃんはやめろぉ!」

 

一通りの話を聞いたちうちゃんはベシベシとスピカの頭を叩く。

スピカは反撃だろうか、軽めのアッパーカットをちうちゃんにガシガシと繰り出す。

仲良し。

 

「まあ、これは私も想定外だったというか……」

 

エヴァちゃんが顎を掻いて若干気圧され気味。

 

確かに、聞いた限りではこんな状況になるとは思っていなかったようである。

それに気付いていた可能性のあるザジやアーラシュの姿も今はない。

ははーん雲隠れって奴やな?

 

 

 

「まあまあ。緊急性の高い話だったみたいですし? 今は置いておきましょう」

 

殴りあいに発展しそうだった2人を引き離して、キャスターが話を進める。

なお顔面を掴んで引き離しているため2人の呼吸は止まりそう。

筋力Eはどこに行ったん?

 

「一番関わっていそうな奴がいないからな。その辺りは当人に聞こうぜ」

 

ライダーがニヤリと悪人のような笑顔を浮かべながら言う。

可愛い顔と相まって凶悪そうに見えた。

 

「ええ、可愛いライダーちゃんの言う通りですね」

 

ふわふわとした笑顔を浮かべるキャスター。

その内心は何を考えているのかよく分からない。

いや、もしかしたら何も考えてないのかもしれない。

本来敵であるはずのライダーを可愛いとか言ってるし。

 

 

 

「ところでー……ネギ先生? でしたっけ?」

「は、はい!」

 

ふわふわとネギ君に寄って行くキャスターに、緊張気味のネギ君。

何か用でもあるのだろうか。

 

ぼーっと見ていると、キャスターの手がネギ君の頭を撫でた。

なでなで、なでなで。

 

「はー満足しました」

 

なんとそれだけだった。

唐突な上に意味不明である。

 

ツヤツヤしたキャスターをネギ君から引き剥がし、ペシペシと叩く。

結局なんだったんよー。

保養って奴ですよ保養。

木乃香にはよく分からないことのようだ。

 

 

 

「とにかく! ここには1日滞在してもらうからな!」

 

エヴァちゃんがパンパンと手を鳴らして話を終わらせる。

そういえば、1日経たないと別荘から外に出られないのだった。

 

どうしようかと悩んでいると、視界の端っこに真っ暗なオーラを纏ったせっちゃんがいた。

ぶつぶつと小さく何かを呟き、物理的に沈んでいきそうなせっちゃん。

 

きっと自分のことが役立たずだと思って落ち込んでいるんだろう。

そう当たりをつけて、木乃香はせっちゃんに抱き着くことにした。

 

「せーっちゃん!」

「わひゃあっ!?」

 

ぎゅーって後ろから抱き着くと、可愛い声を上げて驚くせっちゃん。

やーん可愛い。

ぐりぐりとせっちゃんに頭を押し付けると、困ったように身体をくねらせる。

やーんもっと可愛い!

 

「このちゃ……やめ……!」

「うりうりうりー!」

「あーん!」

 

ぐりぐりしていると、手を振り払って逃げ出してしまうせっちゃん。

もっと触っていたいー。

でも身体能力的にマジ逃げされるとどうしても勝てないのであった。

 

というか翼使って逃げてるし。

 

 

 

「……何がいけなかったんやろ?」

「全部ですかねー?」

 

 

 

 

 


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