アーラシュに憑依したオリ主がネギま!の修学旅行中にステラする話 作:偽馬鹿
次も早く投稿したいところ(願望)
「はぁあああぁぁああああぁあああああっっっ!」
「ひえええええええ!?」
大振りの横薙ぎを、キャスターはしゃがみ込むようにしてよける。
まるで素人。
というか戦闘経験ないですよねと近衛木乃香。
「あかんやんかー!?」
「私は筋力Eですよー!?」
やーんとでも言いたげな顔で逃げ出すキャスター。
近衛木乃香を抱えることは忘れずに。
「というかあれ、神性相手に特攻持ってるみたいです! やばいです! 弱点です!」
「もっとあかーん!」
全力で走るキャスターだが、徐々に相手のサーヴァントに距離を詰められてしまう。
剣を振り回すだけの筋力を持っているだけのことはある。
ちなみにキャスターは剣で相手の攻撃を受け止めるだけで精一杯だった。
「ぎぃいぃぃぃいいいいいい!」
ギギギギと剣で地面を削りながら片手で頭を抱えて走ってくる敵サーヴァント。
まるで頭痛をこらえながら走っているようだ。
それでもキャスターの走る速度を上回っているのだが。
「
あと少しで相手サーヴァントの剣がキャスターを捉えるという瞬間。
薔薇をあしらった剣が閃く。
その斬撃は見事に敵サーヴァントの左腕を斬り裂いた。
「ちっ! 浅いか」
しかしその傷は一瞬でふさがる。
まるで時間が巻き戻るかのように。
「だ、誰ですか!?」
キャスターが斬撃を繰り出した相手に向かって声をかける。
その相手は、ふわりとしたスカートを靡かせ、ローブを纏い、胸元に大きなリボンをした少女。
金髪ゆるふわウェーブ。
あーん可愛いやんかー。
「ライダーだ。俺様に感謝するんだ……なっ!」
「ぐ、うううう!」
剣が閃く。
一撃、二撃と踏み込むように放たれた斬撃が、相手サーヴァントを遠ざける。
まるで訓練したようなその剣術は、力に任せた相手サーヴァントのそれとは大きく違うものだった。
「ははっ、どうしたどうした! ようやっと大物が出てきたと思ったらこの程度かよ!」
剣が閃く。
近衛木乃香が見ているそれは、まるで剣舞のようであった。
スカートがはためく。
マントが揺れる。
リボンが小さくふんわり揺れる。
「はぁ、はぁ……ライダー! いきなり走り出すんじゃねー!」
ライダーと名乗った少女が来た方から、誰かが走ってきた。
近衛木乃香はその人影に見覚えがあった。
そう、確か名前は……
「ちうちゃん!」
「その呼び方はやめろぉ!」
合ってるらしい。
いや、当人的には駄目らしいけれど。
「どういうことなん?!」
「そりゃこっちが聞きてぇ! どうしてあんたがサーヴァントなんか連れてるんだ!?」
「……えーと」
どう説明したものか。
何となく呪文を唱えたら突然光に包まれて、気付いたらキャスターが目の前にいたのである。
近衛木乃香本人もよくわかってない。
「よーわからん」
「はぁ!?」
だからこう言うしかないわけで。
当然納得してくれないわけである。
「でもでも、私もちょーっと現状が分かってないっていう感じで」
「サーヴァントの方も駄目かっ!」
するとキャスターの方から援護射撃。
主にちうちゃんを仕留める方向の奴。
「どーでもいいけどよ! こっちを! 手伝えよっ!」
ちうちゃんが頭を抱えていると、ライダーとサーヴァントの戦いが拮抗していた。
いや、ややライダーの方が押されている。
俊敏性が相手サーヴァントの方が高いのである。
「て、手伝えって言われても……」
「ど、どうするのー?」
正直近衛木乃香には何かできるような手札はない。
あるとすればキャスターの太陽びーむくらいだろうか。
「ああ、その太陽びーむとやらでいい。
「ええっ正気ですか!?」
やけに自信満々で言うライダー。
どうやら本当に大丈夫だと確信しているようだ。
「ええい、どうなっても知りませんからねー!」
バババッと衣服を整え、力を込めてキャスターは両腕を突き出した。
「太陽びーむ!!」
閃光、そして爆発。
先程の爆発よりも大きい爆発だった。
「やったか!?」
「ちょっおまっ!」
ふわりと爆風を利用したかのように跳躍したライダーが、キャスター達の近くに着地する。
着地と同時にお約束の台詞。
ツッコミを入れるちうちゃんに近衛木乃香はなんだか安心してしまった。
しかし。
「ぃぃぃぃぃぃ異教徒ぉおぉぉぉぉおぉぉおおおっ!!」
煙の中から現れたのは無傷のサーヴァントだった。
しかし、それまでの正体すらわからないような姿ではなかった。
血塗れのドレスを着込み、簡素な胸当てをした女性。
茶色い髪は腰までの長さがあり、それでいてボサボサになっている。
その眼は狂気に染まっており、何かを見ているようには見えなかった。
「くそっ面倒臭い奴だなぁッ!」
敵サーヴァントが振り降ろした剣を受け止め、苛立った様子で薙ぎ払う。
確かにあんなビームが直撃したのにほとんど無傷なのはひどい気がする。
「マスター! 宝具使うぞ!」
聞きなれない単語をライダーが発する。
振り返ってキャスターを見るとふるふると首を振る。
なんで知らないんだろうこの人。
「って、あれ……?」
ふと気付くと、辺りに花びらが舞っていた。
赤白ピンク、色とりどりの花びら。
それが敵のサーヴァントの身体を覆っていく。
気付けば敵サーヴァントの姿は花びらで見えない。
すると、まるで強大な力で圧し潰すように花びらがどんどんと集まっていく。
ギチギチとかなり離れているここからでも軋むような音が聞こえてくる。
そしてライダーが剣を上段に構える。
綺麗な構えだ。
前に見た剣道の試合を思い出す。
そして、疾走。
敵サーヴァントの横をすり抜けざまに切り裂いた。
「
瞬間、花びらが散る。
データが更新されました
【CLASS】ライダー
【マスター】長谷川千雨
【真名】マルクス・アウレリウス・アントニヌス・アウグストゥス(ヘリオガバルス)
【性別】男性
【身長・体重】158cm・47kg
【属性】秩序・悪
【ステータス】筋力C 耐久B 敏捷D 魔力C 幸運A 宝具C++
【クラス別スキル】
騎乗:C
騎乗の才能。
大抵の乗り物なら人並みに乗りこなせる。
対魔力:D
無詠唱による魔法行使を無効化する。
魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
【固有スキル】
皇帝特権:D
本来持ち得ないスキルも、本人が主張する事で短期間だけ獲得できる。
該当するスキルは騎乗、剣術、芸術、カリスマ、軍略、等。
傀儡として甘やかされていた為ランクが落ちている。
薔薇の皇帝:B
薔薇を用いた処刑方法などで有名な為獲得したスキル。
特定の判定に対してプラスの補正を与える。
該当するスキルは芸術、カリスマ、軍略等。
また、自身の宝具にも適応される。
エル・ガバルの加護:A
太陽神を信仰し、ヘリオガバルスの名で呼ばれたことによる加護。
太陽の下にいる限りステータスにプラスの補正を受ける。
また、自身の宝具にも適応される。
宝具
ランク:C++ 種別:対人宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:10人
薔薇の花による圧殺、窒息死を行うという残虐な宝具。
スキルによる強化が適応された場合、ランクAに迫る宝具となる。
『ローマ皇帝群像』のなかにある「客人に薔薇の山を落として窒息死させるのを楽しんだ」とする逸話であり、このエピソードは有名なローレンス・アルマ=タデマの絵画「ヘリオガバルスの薔薇」のモチーフとされている。
これは、ヘリオガバルスが宴会に招いた客の上に巨大な幕を張り、幕の上に大量の薔薇の花を載せたうえで宴会中に幕を切り、花を一斉に落として客を窒息死させたという風評にちなんでいるが、真偽のほどは明らかでない。