アーラシュに憑依したオリ主がネギま!の修学旅行中にステラする話   作:偽馬鹿

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ルビの練習をしつつ投稿です。
簡潔とか言ってた割にすぐ投稿する駄目作者。


聖杯戦争編
拾われっ子の魔法事情


「……ふむ、異常は見当たらないな」

「そう?」

「ああ。むしろ魔力が安定している」

 

スピカはアーラシュと契約した経過を見てもらう為にエヴァンジェリン宅を訪れていた。

経過は良好。

むしろ契約した結果スピカの魔力が安定して、色々な魔法が使えるようになるという話だった。

 

「良かったじゃないか」

「うん」

 

アーラシュの台詞にそっけなく答えたが、内心嬉しかったりするスピカである。

やはり魔法使いらしい魔法にも憧れがあったのだ。

実際使えるようになると言われると何やら不思議な気分だが。

 

 

 

「マスター、ネギ先生です」

「うん?」

 

何の用事だろうかと考えるが、スピカに心当たりはなかった。

エヴァンジェリンと顔を見合わせても同じ様子。

アーラシュだけが分かった風な顔をしているので蹴っておいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エヴァちゃん……」

「どうした」

「エヴァちゃんって呼んでた……」

 

ネギ先生を弟子を取るという話をした後、スピカがむくれていた。

神楽坂明日奈がエヴァンジェリンのことをエヴァちゃんと呼んでいたのが不服らしい。

そのことに気付いたエヴァンジェリンがふふっと笑う。

 

「好きに呼べばいいじゃないか」

「……いいの?」

「ああ」

 

じゃあ、とスピカは一瞬だけ口ごもり、小さな声で呟いた。

 

「え……エヴァおねぇちゃん」

「ぶふぉっ!?」

 

噴き出すエヴァンジェリン。

笑い出すアーラシュ。

ついでにおろおろする茶々丸。

 

「エヴァでいい。というかエヴァって呼べ!」

「えー……」

「お姉ちゃんは駄目だ!」

「駄目なんだ……」

「……人前では駄目だ!」

 

じゃあここならいいのね! と前向きなスピカ。

女に二言はない、と男らしいエヴァンジェリン……もといエヴァ。

いい雰囲気なので気配を消すアーラシュと茶々丸。

 

 

 

今日も麻帆良学園は平和である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある朝。

茶々丸がネギ先生を追いかけているのを見つけたスピカ。

何やら不穏な気配を感じたので尾行していると大きなドラゴン。

 

ドラゴンですよろしくおねがいします。

ではなく。

 

慌てて茶々丸が助けに入る。

ネギ先生の他に夕映とのどかがいたが、2人が少し離れていたので茶々丸が抱えることができなかった。

それは夕映の方。

 

「こっち!」

「ッスピカさん!?」

 

スピカは夕映に駆け寄り、思い切り引っ張る。

すると今までいた場所をドラゴンが大きな足で踏みつけた。

 

「ク・リトル・リトル・クリトリア」

 

始動キーを唱え、スピカは腕を突き出す。

 

来たれ氷精(ウェニアント・スピーリトゥス)闇の精(・グラキアーレス)闇を従え(・オブスクーランテース)吹雪け(・クム・オブスクランティオーニ)常夜の氷雪(・フレット・テンペスタース・ニウァーリス)!」

 

スピカは練習中の魔法を唱える。

可能性のあると言われた氷雪系の魔法の1つ。

お揃いの魔法なので頑張って覚えたものの1つである。

 

 

闇の吹雪(ニウィス・テンペスタース・オブスクランス)!」

 

瞬間、炸裂。

氷と闇が混じり合ったような色の暴風がドラゴンを襲う。

 

やった、と内心で喜んでる暇もなく、あっさり無効化される闇の吹雪。

がっかりしてる間もなく襲い掛かってくるドラゴンの突進をかわして、夕映を茶々丸に向かって投げる。

 

「行って!」

 

茶々丸は一瞬躊躇したものの、すぐに飛んで戦線を離脱していく。

どうやらドラゴンは追いかけていくことはないようだ。

 

 

 

「ということは私か……」

 

意識を引き締め、ドラゴンと向かい合うスピカ。

 

「遊んでないで帰るぞスピカ」

 

勝てないまでも時間は稼げるだろうという覚悟をして、戦おうとしたところでアーラシュが現れる。

同時に矢が2本ドラゴンの目に刺さる。

いや、ぶつかっただけでダメージはなさそうだ。

 

「あ……」

 

アーラシュはスピカを抱えて即座に跳躍した。

瞬動術であった。

スピカはそれよりも抱え方が御姫様抱っこだったことに気を取られていたが。

 

 

 

図書館島の出口ではネギ先生達が倒れ込んでいた。

どうやら疲労困憊状態のようである。

立っているのは茶々丸だけ。

 

アーラシュはいつの間にか消えていた。

というより跳び過ぎて湖に突っ込んだようである。

スピカだけ綺麗に着地させた模様。

 

 

 

スピカは夕映達に言いたいことがあった。

それは前々から思っていたというか、言う必要があるかなって思っていたことだった。

 

「覚悟も実力もない人が()()()に関わらないで」

「な……っ!」

「どうしてですか!?」

「危ないからよ。あなたたちも、巻き込まれるネギ先生も」

 

そう、危ないのだ。

ネギ先生は実力はあるものの、まだ子供だ。

どうしてもフォローしきれないところが出てくるだろう。

自分も子供なことはスルー。

 

「それは……っ! でも、あなたも同じ年齢です!」

「関わってきた時間が違うのよ」

「それが関係あるですか!」

「あるわ」

 

夕映がやたらと絡んでくる。

スピカがそう思いながら流しているとネギ先生も駆け寄ってくる。

あ、面倒臭い予感。

スピカはそういうことに敏感である。

 

「僕が守りますから大丈夫です!」

「む……」

「大いなる力には大いなる責任が伴う。アーラシュ先生が教えてくれました!」

「むぐ……」

 

アーラシュめ、余計なことを。

スピカは内心で毒づきながらも顔に出さないように心掛けた。

ばっちり漏れていたが。

 

「わかったわ。そこまで言うなら私も言うことありません」

 

ふん、とスピカはその場を去る。

あとは茶々丸やネギ先生がフォローするでしょう。

結構適当である。

 

 

 

「いいのか?」

「別にっ……っていうか何ずぶ濡れになってるの?」

 

アーラシュが現れたが、何故かずぶ濡れ。

実は瞬動術が完璧ではなく、着地というか終わり際が上手くいかないのであった。

移動するだけなら余裕だが、緻密な移動はできないのだ。

 

「友達なんじゃないのか?」

「え?」

「なんだ、心配してるようだからそう思ったんだが」

「違うわよ」

 

ふん、とスピカはどんどん歩いて行ってしまう。

アーラシュは苦笑しながら後を追いかける。

 

 

今日も麻帆良学園は平和である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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