アーラシュに憑依したオリ主がネギま!の修学旅行中にステラする話   作:偽馬鹿

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2話一気に更新します(ネタバレ注意)
正直見抜かれないか戦々恐々でした


ステラ記念日

「まだ残党がいるみたいだな」

 

パンパンとエアガン(自称)を撃ちながら森の中を侵攻する龍宮。

既にスピカは降ろされていて、駆け足で龍宮を追いかけている。

身長差が恨めしい。

 

古菲は龍宮が撃ち漏らした人間大の大きさの鬼などを蹴散らしている。

なんで普通に殴り飛ばせてるんだろう?

スピカは息切れしながら思った。

 

 

 

ともかく。

スピカ達3人は光の柱を目指して前進していた。

 

途中で戦闘があった跡が見つかったが、氷結した地面を見てエヴァンジェリンだろうなと思ったスピカ。

そういえばあれから見てないな……と思ったところでスピカは楓を見つけた。

見たことのない少年を尻に敷いてニンニン言ってた。

 

「何、そういうプレイ?」

「違うでござるよ!」

 

思ったことをつぶやいたところで猛反発。

どうやら特殊性癖ではないらしく安堵。

いや、別に気にしてるわけではないのだけど。

 

「あの……スピカさん……」

「何?」

 

スピカが遊んでいると、木陰にいた夕映が声をかけてきた。

何やら怯えているような、怖がっているような印象。

スピカには心当たりが欠片もなかったが、怯えられてるようで少し傷付いた。

 

「腕は大丈夫なんですか……?」

「……あー」

 

恐る恐るといった様子で聞いてきた夕映に、スピカは漸く思い至った。

そりゃそうだ、いきなり腕がぐしゃってなったら怖いよね。

 

「別に平気よ。慣れてるし」

 

スピカがそう言うと、夕映は更に複雑な表情になる

なにがまずかったのか。

スピカには分からなかった。

 

 

 

直後、轟音。

スピカが柱の方を向くと、巨大な何かが立っていた。

 

「な……なんですかあれ?!」

「知らないけど……ヤバそうなのは分かるわ」

 

それとあそこにアーラシュがいるだろうことも。

ついでに明日菜と刹那もいるだろう。

あそこが目的地だ。

 

「行くわよ」

「ああ、仕事だからな」

 

急がなくちゃならない。

スピカは言いようのない不安に襲われていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――陽のいと聖なる主よ」

「あっ……」

 

 

 

広い湖に辿り着いた。

そして、その中にある桟橋に立っていたアーラシュが何かをしていた。

 

何をしているんだろう。

いや、わかる。

これは彼の究極の一撃だ。

 

 

 

「あらゆる叡智、尊厳、力をあたえたもう輝きの主よ」

 

 

 

 

エヴァンジェリンが倒れている。

明日菜が倒れている。

刹那が倒れている。

ネギ先生が倒れている。

 

誰かが何とかしなきゃいけない。

 

しかし駄目だ。

わかる。

駄目な奴だ。

 

 

 

「我が心を、我が考えを、我が成しうることをご照覧あれ」

 

 

 

死んじゃう。

アーラシュが死んじゃう。

どうしよう。

どうしよう。

 

 

 

「さあ、月と星を創りしものよ」

 

 

 

止めなくちゃ。

足を動かせ手を振り切れ。

 

 

 

「我が行い、我が最期、我が成しうる聖なる献身を見よ」

「やめて……やめてぇっ!」

 

 

 

声が震える。

手が震える。

足が震える。

 

 

 

「この渾身の一射を放ちし後に」

 

 

ああ駄目だ。

止められない。

そんなの嫌だ。

どうして。

 

 

 

「我が強靭の五体、即座に砕け散るであろう!」

 

 

 

アーラシュが輝く。

手を伸ばす。

届かない。

届かない。

……届かない。

 

 

 

「────『流星一条』!!」

 

 

 

瞬間、流星が閃いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アーラシュ!」

 

スピカが叫ぶ。

アーラシュが振り返るが、その身体は既に光となって消えかかっていた。

 

 

 

「あ……ああ……!」

 

 

 

言葉が出ない。

どうしてこんなことをしたのか。

どうしてこんなことになったのか。

聞きたいことがたくさんあるのに、全然言葉がまとまらない。

 

「まーここまで視えてたわけなんだが。どうだ、うまくやっただろ?」

 

 

 

軽く笑いながら、アーラシュは言う。

何がうまくやっただ。

最悪よ。

馬鹿。

 

 

 

確かにさっきまで視えていた光の柱は消えている。

それに敵だと思う相手もいない。

倒れていた人も立ち上がっている。

さっきの光の矢の影響だろうか。

 

 

 

「最初は俺がいなくなったら大変だと思ってたが、友達もできたみたいだし」

 

 

 

確かにできた。

できたけど平気じゃない。

……平気じゃない。

 

 

 

「達者で暮らせ。お金は気にするな。元気でな」

 

 

 

やだ。

やだやだやだ。

どうしてそんなこと言うの。

 

まだ何も返してない。

まだ何も伝えてない。

まだ何も……何もできていないのに。

 

 

 

スピカの思いはアーラシュには届くことなく。

アーラシュは光の塊を残して消滅した。

 

 

 

 




ちなみに装備してた礼装は絆礼装でした

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