俺と艦娘と戦後生活   作:灰原衛宮

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第一章です!
ここからこの物語の本当のスタートみたいな感じですね。



第一章「俺と別れと新生活」

吹雪と約束をした次の日の朝5時。

まだ艦娘は起きてこない時間だ。

俺はそのタイミングを見計らって荷物を持ち、鎮守府正門へと向かった。

「ついに、この場所ともお別れか....名残惜しいが、誰も起きてこない内にさっさと行こう。」

俺はそう言って正門を出ようとする。

その時だった。

「別れの挨拶もなしとは、随分と寂しいことしてくれるじゃない。」

俺は驚きつつも、声のする方向に体を向ける。

「....加賀か。」

そこに居たのはこの鎮守府の主力艦隊のメンバーの1人、正規空母一航戦、加賀だった。

「どうした?俺が居なくなるのがそんなに寂しいのか?」

と俺は煽り気味に加賀に問いかけた。

「私は別にそうでも無いですけど、寂しくと思う艦娘は沢山いると思うから、しかたなく艦娘達の代表として提督に挨拶をしに来たの。」

「流石加賀。ツンデレは戦争が終わっても変わらないんだな。」

加賀は頬を赤らめながらこう言った。

「だからツンデレじゃ無いです。しかたなくと言ったでしょう?」

「あーハイハイわかったよ。」

と俺がここにいた時とほとんど変わらない会話をする。

しかし、そんないつもするような会話なのに、加賀は少し、泣き目になっていた。

そして、俺はそんな加賀を見て、こう言った。

「....加賀。」

「はい、何でしょう」

「....泣きたい時は、泣いていいんだぞ。」

「はぁ、本当に提督にはかないませんね。」

そう言って加賀は俺に今まで見せたことのない、涙をたらしながら俺の所に来て、俺の体に抱きついてきた。

俺は驚いて、うまく反応をすることが出来なかったが、慰めるように加賀の頭を撫でながらこう言った。

「本当に、今までありがとうな。また、何処かで会おう。」

加賀は落ち着いたのか、俺の体から離れていく。

目にはまだ微かに涙が残っている。

そして、加賀は俺に向かって今まで見せなかった、最高の笑顔で言葉を発した。

「提督。本当に今までありがとうございました。そして、また何処かで会いましょう。」

俺はその言葉を聞いて安心し、その場から去ろうとした。

「あ、そうだ加賀。」

「はい、何でしょう。」

「泣きじゃくった後で悪いんだが、この紙を大淀に渡しといてくれ。俺の電話番号と住所が書いてある。大淀以外には見せるなよ。なるべくバレたくないからな。」

「わかりました。渡しておきます。」

「それじゃ俺はこれで、また何処かで会おう。」

俺は加賀に背を向けて手を振った。

じゃあな、俺の過ごした鎮守府、共に戦ってくれた艦娘達。

お前達が自由になったらまた何処かで会おう。

俺は歩き出す目的地は、駅だ。

電車に乗って俺の家のある所に向かう。

その後のことは家に着いてから考えよう。

 

 

「....懐かしいな。」

電車に載ってたどり着いたのは俺の家のある地域だ。

俺の住んでいる場所は都会ではない。田舎だ。

その為、とても風が心地よい。鎮守府にいた時と同じ様な感覚だ。

ここから家まではそこまで距離はない。ゆっくり歩いて、懐かしの景色を楽しもう。

そして、俺は家に向かって歩き出す。

「久しぶりだな。この家に来るのも。」

家に着いた俺は懐かしさを感じながら家の中に入ろうとする。

ドアノブに手をかけると腹からグゥーと音が鳴る

「そう言えば昨日の夜からなんも食って無かったからだな。よし、まずは食事をしよう。」

俺はそう言いながら玄関のドアを開けた瞬間

「あ!おかえりなさい!司令官!」

「....え?」

家の玄関には、エプロン姿の吹雪が笑顔で出迎えていた。




という訳で第一章いかがだったでしょうか?
正直内容結構悩んでたんですけどね。
それでは次回お会いしましょう。

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