...話数がずれてたので、直しました。
はぁ。と溜め息をつくと、突き刺したナイフを抜き取り、皮の胸当てらしきもので拭う。
村自体が、道の合間のようなものなので、誰かが通ることを考え、家の影に2つの死体を引きずると、家の中に入った。
「......ありがとう」
俯いて、そう言う言われた
「人前で見せることの無いことをしてしまった。申し訳ない。」
「もう慣れてしまいました。私は隠れていたのですが、村の人が殺されて行く所を見てしまいましたから。」
俯いた顔が持ち上がると、濁ってしまった碧色の目に目が合った。顔はかなり整った綺麗な顔つきだが、憔悴しきったような表情が浮かんでいて、何とも言えないものになっていた。
「立てるか?」
「すみません...... 足が生まれつき不自由で、自力で動けないのです。」
「ん。そうか。」
首に掴まるように促し、腰に手を回すと、近くのベッドに腰掛けさせた。
「おい。」
「何でしょう。」
「近くに町とかはあるのか?」
「ええと。あります。」
「そうか...... 近いか?」
「そこそこ近いですよ。」
「そうか。 お前、身寄りはあるのか?」
視線をずらして、苦い顔つきになり。
「......居ないです。」
「そうか。」
「はい......」
微妙な沈黙が流れた。 はぁ。と再び溜め息をつき、口を開いた。
「着いてくるか?」
「......悪いですよ。 自分で動けないのですよ?」
足を忌々しげに睨んだ。
「その町に、車椅子はあるか?」
「えっ? ありますけど......確か。」
「なら、取り敢えず、町まで行こうか。 人1人背負う位どうしたこともないからな。」
「そう......ですか。」
「少し寝ておけ、直ぐ戻る。」
そう言うと、身体を反転させ、家から出ようとすると、腕を掴まれた。後ろを振り向くと、必死な顔が見えて。
「怖い......です。 その.......置いていかないで、下さい......」
三度目の溜め息をし、身体を起こすのを手伝うと、背中に背負い、置いてきた少しの物資を取りに戻り始めた。
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家を出てすぐ、背負った娘は寝付いてしまった。 人に安心したのか、揺れが心地好かったのかは知らない。だが、初めてあった俺に、無用心過ぎやしないかと考えてしまう。
少し、村から離れた所につくと、頭に暖かいものが落ちてくると、肩に降りる感触があった。片方、寝こけている娘の顔が乗っているため、空いているはずの方を見ると、リスが肩に乗っかっていた。 一緒に実があったはずだが、探すのも面倒なので、戻り、娘を寝かせることにした。
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「ふぅあっ。」
ベットに寄りかかるように寝ていると、日差しが眩しく、ほぼ強制的に起こされた。
「あっ。 起きましたか?」
そう言う声を聞き、見上げると、昨夜とは別人のような表情の娘と目が合う。まだ、多少は目に濁りがあるものの、透き通るような碧い目に若干見惚れてしまい、顔を反らし。問いかけて。
「俺は何だと思う。」
ふふっ。と笑われると。
「恩人。ですかね?」
「そうか。」
まるで別人のような話し方に、驚いて、若干声が上ずる。
こうして見ていると、細かい顔の輪郭がわかる。日本人調の整った、堀が浅い顔つきで、かなりの美人だ。
「どうしました?」
「無用心だなと思ってな。」
「一緒にいてくれましたから。」
即答された。
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「これ。貰って良いか?」
「大丈夫です。もう使う人なんて居ませんし。」
山賊がほとんど物品を持っていってしまったが、残った衣類等で、自分の服装を変える。知っている世界と違うとなると、今の自分の服装では怪しまれると思ったからだ。
なぜ、世界が違う、と考え付き、落ち着いているかというと、そう言う
今、ベットの上に座る娘......名をシルヴィと言うそうだが.......に丈のかなり長いローブを突きつけると、返事が直ぐ飛んできた。
腕を通し、動きやすいことに驚きつつ、シルヴィに声をかける。
「出るか。戻ってこないと思う。心残りは無いか?」
「無いです。行きましょう。」
にこやかに笑いかけられ、純粋な好意だと思い至ると、何処かで染み渡るような嬉しさと、痛みがあることに気づく。
「行くぞ。」
シルヴィを背負い、リスをポーチに入れさせると、村を後にした。
目指すは、道なり進むとあるはずの、『フォルトヌス』という町だ。随分、水産資源が豊富な町らしい。聞いているだけでも。『町』より『街』では無いのかと問い直してしまいそうに栄えているらしい。
「どうなるんだろうな......」
不安しかないが、取り敢えず歩を進めることにした。
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「頭、部下が3名ほど帰って来ていません。」
その男は、ゆったりと据わって構えている男におどおどと伝えた、すると、考え込むような仕草をして。
「何かあった......のだな。 何人かつれて、様子を見てこい。 何かあったら直ぐに帰って、報告をしろ。」
「わ、わかりましたっ。 では。」
へこへこと頭を下げると、部屋を下がっていった。
「ふむ...... そうだな。私も出ようか。」
ゆったりと立ち上がると、隙の無い動作で部屋を出ようとする。その際、立て掛けていた、鉄の直剣をてに取り。腰に巻き付けた。
「何か、絶対面白いものが見つかる。」
野性的な勘がそう告げると、ニヤリと口角を少し上げ、また歩き出した。
お疲れ様です。 今日は特にありません。
では、暇潰し程度に、今後ともお付き合いをよろしくお願いします。