現代傭兵の異世界休養録   作:フリズム

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ふはは。街の名前を執筆中に考え付いて、そのまま使ったぜ。

...話数がずれてたので、直しました。


三話目 娘

はぁ。と溜め息をつくと、突き刺したナイフを抜き取り、皮の胸当てらしきもので拭う。

村自体が、道の合間のようなものなので、誰かが通ることを考え、家の影に2つの死体を引きずると、家の中に入った。

 

 

「......ありがとう」

俯いて、そう言う言われた

「人前で見せることの無いことをしてしまった。申し訳ない。」

「もう慣れてしまいました。私は隠れていたのですが、村の人が殺されて行く所を見てしまいましたから。」

俯いた顔が持ち上がると、濁ってしまった碧色の目に目が合った。顔はかなり整った綺麗な顔つきだが、憔悴しきったような表情が浮かんでいて、何とも言えないものになっていた。

「立てるか?」

「すみません...... 足が生まれつき不自由で、自力で動けないのです。」

「ん。そうか。」

首に掴まるように促し、腰に手を回すと、近くのベッドに腰掛けさせた。

「おい。」

「何でしょう。」

「近くに町とかはあるのか?」

「ええと。あります。」

「そうか...... 近いか?」

「そこそこ近いですよ。」

「そうか。 お前、身寄りはあるのか?」

視線をずらして、苦い顔つきになり。

「......居ないです。」

「そうか。」

「はい......」

微妙な沈黙が流れた。 はぁ。と再び溜め息をつき、口を開いた。

「着いてくるか?」

「......悪いですよ。 自分で動けないのですよ?」

足を忌々しげに睨んだ。

「その町に、車椅子はあるか?」

「えっ? ありますけど......確か。」

「なら、取り敢えず、町まで行こうか。 人1人背負う位どうしたこともないからな。」

「そう......ですか。」

「少し寝ておけ、直ぐ戻る。」

そう言うと、身体を反転させ、家から出ようとすると、腕を掴まれた。後ろを振り向くと、必死な顔が見えて。

「怖い......です。 その.......置いていかないで、下さい......」

三度目の溜め息をし、身体を起こすのを手伝うと、背中に背負い、置いてきた少しの物資を取りに戻り始めた。

 

 

~~~

家を出てすぐ、背負った娘は寝付いてしまった。 人に安心したのか、揺れが心地好かったのかは知らない。だが、初めてあった俺に、無用心過ぎやしないかと考えてしまう。

少し、村から離れた所につくと、頭に暖かいものが落ちてくると、肩に降りる感触があった。片方、寝こけている娘の顔が乗っているため、空いているはずの方を見ると、リスが肩に乗っかっていた。 一緒に実があったはずだが、探すのも面倒なので、戻り、娘を寝かせることにした。

 

 

~~~

「ふぅあっ。」

ベットに寄りかかるように寝ていると、日差しが眩しく、ほぼ強制的に起こされた。

「あっ。 起きましたか?」

そう言う声を聞き、見上げると、昨夜とは別人のような表情の娘と目が合う。まだ、多少は目に濁りがあるものの、透き通るような碧い目に若干見惚れてしまい、顔を反らし。問いかけて。

「俺は何だと思う。」

ふふっ。と笑われると。

「恩人。ですかね?」

「そうか。」

まるで別人のような話し方に、驚いて、若干声が上ずる。

こうして見ていると、細かい顔の輪郭がわかる。日本人調の整った、堀が浅い顔つきで、かなりの美人だ。

「どうしました?」

「無用心だなと思ってな。」

「一緒にいてくれましたから。」

即答された。

 

 

 

~~~

「これ。貰って良いか?」

「大丈夫です。もう使う人なんて居ませんし。」

山賊がほとんど物品を持っていってしまったが、残った衣類等で、自分の服装を変える。知っている世界と違うとなると、今の自分の服装では怪しまれると思ったからだ。

なぜ、世界が違う、と考え付き、落ち着いているかというと、そう言うもの(ラノベ)を読んでいた時期があったからだ。

今、ベットの上に座る娘......名をシルヴィと言うそうだが.......に丈のかなり長いローブを突きつけると、返事が直ぐ飛んできた。

腕を通し、動きやすいことに驚きつつ、シルヴィに声をかける。

「出るか。戻ってこないと思う。心残りは無いか?」

「無いです。行きましょう。」

にこやかに笑いかけられ、純粋な好意だと思い至ると、何処かで染み渡るような嬉しさと、痛みがあることに気づく。

「行くぞ。」

シルヴィを背負い、リスをポーチに入れさせると、村を後にした。

目指すは、道なり進むとあるはずの、『フォルトヌス』という町だ。随分、水産資源が豊富な町らしい。聞いているだけでも。『町』より『街』では無いのかと問い直してしまいそうに栄えているらしい。

「どうなるんだろうな......」

不安しかないが、取り敢えず歩を進めることにした。

 

 

~~~

「頭、部下が3名ほど帰って来ていません。」

その男は、ゆったりと据わって構えている男におどおどと伝えた、すると、考え込むような仕草をして。

「何かあった......のだな。 何人かつれて、様子を見てこい。 何かあったら直ぐに帰って、報告をしろ。」

「わ、わかりましたっ。 では。」

へこへこと頭を下げると、部屋を下がっていった。

「ふむ...... そうだな。私も出ようか。」

ゆったりと立ち上がると、隙の無い動作で部屋を出ようとする。その際、立て掛けていた、鉄の直剣をてに取り。腰に巻き付けた。

「何か、絶対面白いものが見つかる。」

野性的な勘がそう告げると、ニヤリと口角を少し上げ、また歩き出した。




お疲れ様です。 今日は特にありません。

では、暇潰し程度に、今後ともお付き合いをよろしくお願いします。

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