ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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注:原作におけるバンバンシミュレーションズですが、今作では既にシミュレーションゲームをモチーフとしたガシャットが存在する為、弾幕シューティングゲームをモチーフとしたバンバンバースターに名称変更(同時にシミュレーションゲーマーも、バースターゲーマーに名称変更)しています。
基本的なスペック・能力及び外見は変更ありません。


85話_Brand New Riders!

ステージ・セレクト機能を用いて採石場の様なフィールドへと転送された一誠達。

此処で一誠の提案通り、リアス眷属とヴァーリ達との模擬戦が行われる事となったのだが、ヴァーリ達と相対するのは、眷属の主であるリアスでも、ライダーシステムの開発者である一誠でもなく、祐斗、朱乃、イリナ、ゼノヴィアの4人だった。

その4人の手には、一誠が新たに完成させたと言うガシャットであろう、ガシャットギアデュアルらしき物が握られていた。

勿論一誠が新開発だと言っていただけあって白音と黒歌が所有しているガシャットギアデュアルαとは違う、まず祐斗と朱乃が所有しているそれはマゼンタのベースカラー、片側には『TADDLE FANTASY』のタイトルと魔王だと言わんばかりの存在が剣を構える姿がデカデカと描かれたラベルが、もう片側には『BANGBANG BURSTER』のタイトルとロボットみたいな風貌の指揮官らしき存在が戦艦の上で敬礼をする姿がデカデカと描かれたラベルが其々貼られた物。

次にイリナとゼノヴィアが所有しているそれは黄色のベースカラー、片側には『BAKUSOU TURBO』のタイトルとオープンカーと思しき車が走る光景がデカデカと描かれたラベルが、もう片側には『HURRICANE RISING』のタイトルとサイボーグらしき戦士が刀を構える姿がデカデカと描かれたラベルが其々貼られた物だ。

 

「それが、新しく開発したとイッセーが言っていたガシャットか。それとよく似たガシャットを使っていた塔城黒歌と塔城白音が、ソーナ・シトリーの眷属を軽いパンチ一発で仕留めたあのレーティング・ゲームでの光景は覚えている。さぞ、凄まじい力を持ったガシャットなのだろう?」

「ああ。元々マルチな才能を有していた白音の力を十分に発揮する為に開発したガシャットギアデュアルだったが、2種類のバグスターウィルスを共生させる事で今までとは比べ物にならない程の出力を得られることが判明して、他のゲームでも流用出来ないかと考えた末、朱乃達に渡した2種類が出来た。マゼンタカラーのβと黄色のγ、どちらも初号機であるαに引けを取らない、必ずやお前達を唸らせるだろう」

「おおぅ、それは楽しみだぜぃ」

 

それを見て好戦的な笑みを浮かべるヴァーリ達、彼らもまた戦いの準備は万端だった。

ヴァーリは会談の場でも見せた『白龍皇の鎧』を纏い、美猴は先祖である闘戦勝仏も使用していた如意棒を肩に担ぎ、アーサーは『選定の剣(カリバーン)』としても知られる聖王剣コールブランドを構え、そしてルフェイは如何にも魔法使いだという出で立ちで杖を握っていた。

 

「それじゃあ、始めようか」

『TADDLE FANTASY!Let’s going king of fantasy!Let’s going king of fantasy!』

『BANGBANG BURSTER!I ready for battleship!I ready for battleship!』

『BAKUSOU TURBO!Are you ready?Attention!Are you ready?Attention!』

『HURRICANE RISING!』

 

祐斗達も其々のライダーに変身すべく、持っているガシャットギアデュアルのダイヤル部分を回す、すると背後にラベルと同じ様なスクリーンが出現、四種四様の待機音が繰り返し流れ出した。

 

「術式レベルX!」

特殊戦術(スペシャル・タクティクス)!」

「爆速!」

「チャプターX!」

「「「「変身!」」」」

『『『『デュアル・ガシャット!ガッチャーン!デュアルアップ!』』』』

『辿る巡るアールピージー!タドォォォォルファンタジー!』

『スクランブルだ!出撃発進!バンバンバースター!発進!』

『爆走!独走!激走!暴走!バァァァァクソウターボ!』

『レッツスニーキング!ハリケーンライジング!』

 

その後は何時も通りの手順で変身作業を完了、すると祐斗の前方には水色、朱乃の前方には藍色、ゼノヴィアの前方には黄色、イリナの前方には真っ黒に、其々全体が染まり、変身後の姿が映ったパネルが出現、それを潜ると、祐斗は魔王を思わせる鎧を装着したブレイブ――ファンタジーゲーマーレベルXに、朱乃は戦艦を思わせる装備で固めたスナイプ――バースターゲーマーレベルXに、ゼノヴィアはレベル5以降の姿と同じ様な人型の状態でバイクを思わせる装備を身に着けたレーザー――ターボゲーマーレベルXに、そしてイリナは全身及び左眼を真っ黒な装甲で覆った風魔――ライジングゲーマーレベルXに変身した。

 

「これより、堕天使陣営特使との模擬戦を開始する!」

任務開始(ミッション・スタート)ですわ!」

「ノリ良く行かせて貰おうか」

「さあ、振り切っちゃうよ!」

「行くぞ、仮面ライダー!」

「全力で行きますよ!」

「行くぜ行くぜ行くぜぇ!」

「私も頑張りますよ!」

 

双方準備が完了したのを合図に模擬戦はスタート、互いに己が標的と見定めた相手へと向かった。

 

「レベルXの力と聖魔剣の力、これ程までとは!」

「アーサー先生こそ、かの有名なアーサー王の末裔の名は伊達ではありませんね!」

 

ブレイブは、自らと同じ剣士であるアーサーの方へと向かい、斬り合いをスタートさせる。

片やレベルXにまで上がった事によって過剰な程となったパワーとスピードから繰り出される剛剣、片や悪魔にとって天敵である聖剣でもトップクラスの力を有するコールブランド片手に繰り出される流麗な剣撃、お互い掠り傷であっても命とりと言うしかない状況下で、アーサーは最小限の動きで避けながら反撃を仕掛けるも、一誠曰く「今後開発する予定の、主人公である魔王が世界征服を企てるRPG」をモチーフとした事を裏付けるかの様に、左腕からオーラを放ってアーサーの剣撃を強引にいなしたり、ドーム型の障壁を展開して防いだりと、ブレイブもそれを許さない。

 

「あらあら、弾幕薄いかしら?ちょっとギアを上げましょうか」

「あれで本気では無かったんですか!?」

 

スナイプは、自らと同じく後方からの攻撃を得意とするルフェイに砲口を向け、砲撃を開始した。

一発一発が必殺級の威力を有する砲撃を、一誠曰く「今後開発する予定の弾幕シューティングゲーム」をモチーフとした事を裏付けるかの如く、全身に装備された数多の砲塔から掃射するスナイプ、ルフェイもそんな弾幕を、時には魔力弾で相殺したり、時には魔力による障壁を張る事で防いだりと、何とか凌ぎながら反撃の機会をうかがっていた。

 

「そのバイクもアンタも一体どうなってんでぃ!?大砲付きの鎧になったり分離したりアンタと一緒に合体変形したりもう訳分かんねぇ!」

「何でもありな無法レースがバクソウバイクの醍醐味らしいのでね、その続編たるバクソウターボもまた然りという事だ!」

 

レーザーは、変身の際に鎧となっていたバイクを分離・搭乗して美猴の方へと猛スピードで接近した。

美猴も流石は闘戦勝仏の末裔と言うべきか、足元に黄金の雲――觔斗雲を展開・搭乗してレーザーとの間合いを保ちつつ如意棒を駆使して立ち回ろうとするも、そうはさせんと言わんばかりにバイクを変身した時と同じく鎧として装着、ホイール部分から砲撃を放ったり、その鎧と自分自身を変形・合体させて大型アメリカンバイクの様な形態になって突進したりと、奇想天外と言うしかない立ち回りを見せるレーザーには驚きの連続であった。

 

「流石はイッセーと言うべきか、魔王と同等、いやそれ以上の力をこんな短期間で作り上げ、挙げ句リアス・グレモリーを超越者である兄サーゼクス・ルシファーと同じ領域に至らせるとはな!俺の眼に狂いは無かった、禍の団になぞ与しないで正解だった!こんなにも心躍る戦いを、特訓の名目で何時でも楽しめるのだから!紫藤イリナ、いや仮面ライダー風魔!もっとギアを上げて来い!」

「全く、戦闘狂此処に極まれりって感じだね!禍の団からの誘いに乗るんじゃないかってアザゼルが危惧していたのも分かるよ」

 

風魔は、堕天使陣営特使を束ねるヴァーリの方へと向かう。

レベル2の時点で他を圧倒するスピードを得ていた風魔だが、一誠曰く「今後開発する予定の、標的をバッサバッサと切り裂いて道を切り開くスタイリッシュ暗殺ゲーム」をモチーフとした事を知らしめるかの様に更なるスピードアップが施され、軽く走るだけで衝撃波が発生する程にまでなった、そのスピードを駆使してヴァーリを翻弄する風魔だが、そんな中でヴァーリは、ガシャットギアデュアル等を作り上げた事で自分や仲間達を魔王と同等クラスにまで強化して来た一誠を称賛しつつ、狂気としか言えない笑い声を上げていた。

そう、風魔が気付いた通りヴァーリは重度の戦闘狂で、強い奴との戦いを何よりも望む存在なのだ。

故にアザゼルは会談の折、ヴァーリが禍の団からオファーを貰ったとの話を聞いて寝返るのではないかと危惧していたのだ、尤もヴァーリ自身がそれを断ったため杞憂に終わったが…

 

その後数十分もの間、一誠から終了の声が掛かるまで模擬戦は続いた。


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