「まさか一気に6人もの仮面ライダーを生み出せたとは驚いたぜ、それも今回処置を施した6人中全てだ。悪魔って、バグスターウィルスと適合しやすい体質なのか?」
「かも知れない。だが今回処置を施したのは部長と、部長が持っていた悪魔の駒で転生した皆だけ、それが関係した可能性もある。結論を出すのは時期尚早だ」
バグスターウィルスに対する免疫の付加処置をリアス達に施し終え「今日はワクチンを施したばかり、状態を安定させる為にも、今日は以上としましょう」と帰した一誠、その後、処置を担当したパラドと共に、とあるデータを整理していた。
そのデータとは、
「それにしても親父。何てゆーか、大方想像通りの適性傾向になったな、アイツら」
「そうだな、パラド。父親であるバラキエルさん譲りの雷光による遠距離砲撃が得意分野の朱乃さんはシューティング、騎士としてのスピードから繰り出す剣術が専門の木場は
黒歌先生を姉に持っている影響か、白音ちゃんがパズルに対しても高い適性を有していたのには驚いたが、大体が予想通りの傾向だ」
今しがた仮面ライダーに変身する資格を得たリアス達、その彼女達が何のゲームジャンルに対する高い適性を有しているかをレーダーチャート化したデータリストである。
「然し、想定外の傾向も見られる。部長のデータを見て欲しい。滅びの魔力による遠距離砲撃が持ち味の部長が、朱乃さんと同じくシューティングに対して高い適性を有していたのは想像通りだったが、アクションに対しても高い適性を持っているのは驚いた。アクロバティックな動作をするイメージは無かった筈だが…」
「調べた所によると、リアス・グレモリーは様々なスポーツを趣味にしていて、殊にテニスの腕前は駒王学園のテニス部員ともタメを張る位らしいぜ。スポーツと言えばあのゲーム、あれもアクションの1つ、其処も関係したのかもな。とはいえ、親父みたいにアクションジャンルのライダーに変身出来る程の適性があるとは驚いたな…」
そのレーダーチャートを見て話し合う一誠とパラド、そのデータ傾向は一部で予想外な高さを記録していた以外は想定通りだった様子だ。
「成る程、その辺りにバグスターウィルスが着目したという事か。だがこれは好都合だ。この傾向なら其々で使用するガシャットが、変身する仮面ライダーが被らずに済む」
その予想外な事態も、どうやら一誠にとっては好ましい物だった様だ。
その結果を受けて何処かにこやかな雰囲気で、一誠は懐にしまっていたガシャットを並べ出した。
「まずは木場。RPGに高い適性を有する彼が変身する仮面ライダーは、RPGをモチーフとした騎士、仮面ライダーブレイブ」
そう言いながら並べたガシャットは、先程アランブラを呼び出す為に起動させた水色の物と、ガスバーナーが放つ炎の様な青色の『MADOH DUNGEON』とラベリングされた物。
「次に朱乃さん。シューティングに高い適性を有する彼女が変身する仮面ライダーは、シューティングゲームをモチーフとした狙撃手、仮面ライダースナイプ」
そう言いつつ次に並べたガシャットは、紺色の『BANGBANG SHOOTING』とラベリングされた物と、オレンジ色の『JET COMBAT』とラベリングされた物。
「続いて黒歌先生。パズルに高い適性を有する彼女が変身する仮面ライダーは、パズルゲームをモチーフとした参謀、仮面ライダーパラガス」
続いてそう言って並べたガシャットは、空色の『HATESATE PUZZLE』とラベリングされた物と、灰色の『METEOR BLOCKER』とラベリングされた物。
「更に白音ちゃん。格闘に高い適性を有する彼女が変身する仮面ライダーは、格闘ゲームをモチーフとした格闘家、仮面ライダーノックス」
更にそう呟いて並べたガシャットは、朱色の『BAKURETSU FIGHTER』とラベリングされた物と、メタリックカラーの『METALIC FIST』とラベリングされた物。
「アーシアも忘れてはいけないな。サウンドノベルに高い適性を有する彼女が変身する仮面ライダーは、音楽をモチーフとした応援団長、仮面ライダーポッピー」
そう呟きつつ並べたガシャットは、ラメが散りばめられたピンク色の『TOKIMEKI CRISIS』とラベリングされた物と、桜色の『DOREMIFA BEAT』とラベリングされた物。
「そして部長が変身する仮面ライダーは、このマイティアクションXオリジンを用いて変身する、全ての仮面ライダーの
そしてそう呟きながら並べたガシャットは、黒色の『MIGHTY ACTION X』とラベリングされた物と、黄緑色の『SHAKARIKI SPORTS』とラベリングされた物。
「覚悟しろ、焼き鳥野郎。俺達7人ライダーが、お前のおごり高ぶったその性根、粉々にして見せる!」
「ああ、親父!あの調子に乗りまくったホストかぶれのチャラ男に、目に物見せてくれよな!」
その並べたガシャットを前に、一誠とパラドは10日後のレーティング・ゲームに向けて意気込みを新たにしていた。
------------
「今からゲーマドライバーと、其々が使用するライダーガシャットを配布します。今日はそれを用いての変身を行い、慣れて行く所から始めましょう」
翌日のオカルト研究部の部室、其処で一誠は、昨日並べていたガシャットと同じ物と、各メンバー用のゲーマドライバーを配布していた。
「このガシャットは昨日、アランブラを呼び出した時に使っていた物だったね。タドルクエストか、という事は、アランブラはあの大魔法使いを模したバグスターなのかな…?」
「うふふ、私のはバンバンシューティング、ならこのガシャットの力で全て撃ち抜いて見せますわ!」
「ほえー、可愛いガシャットです!」
「ハテサテパズル、これみたく敵を私の掌で踊らせろって事かにゃ」
「バクレツファイターですか、私の戦い方にぴったりですね」
一誠からゲーマドライバーと、其々の専用ガシャットを受け取り、思い思いのコメントを口にする皆。
ところが、
「部長のは、こちらになります」
「マイティアクションX?これって一誠がエグゼイドに変身するのと同じ・・・?
でも黒い?それにラベルもモノクロだし、っ!?」
リアスが一誠からガシャットを受け取った、その時だった。
「な、何、これ・・・!?」
「い、一体何が起こっているんですか!?」
「ガシャットから、魔力が・・・?」
「その色合いに、気配、まさかリアスの滅びの魔力を・・・!?」
「だ、大丈夫か、ロックソルティ!?」
『わ、分かりませぬ、お父様!
然し身体中に、底知れぬ力が湧き上がってきます!』
突如ガシャットから紫色のオーラが噴き上がり、
「く、黒だったガシャットが、紫に・・・?」
「それに、ラベルも色付けされているのにゃ・・・」
「あらあら、一誠君のガシャットとはまた違った色付けですね・・・
何だか、禍々しい様な・・・」
それが消えた後には、本体が紫色に、ラベルの文字が赤色となったガシャットが、あいもかわらずリアスの手に握られていた。