ギャグマンガの描写ってリアルに考えると相当グロいのが結構ありますよね(汗
「ま、マザルアップ!?」
「マザルアップ、ですか…!?」
「マザルアップだって!?」
「マザルアップですって!?」
「マザルアップ…!」
『おぉっとぉ此処で塔城白音選手、見た事も無い姿に変身しました!見た所自身が変身する仮面ライダーノックス・ノックアウトファイターゲーマーと、姉である黒歌選手が変身する仮面ライダーパラガス・パーフェクトパズルゲーマーを足して2で割った様な姿です、マザルアップの名は体を表すと言う事でしょうか!』
白音が新たなる仮面ライダーに変身した。
その衝撃はフィールドを越え、会場内にも広がった。
白音が変身した新たなる姿、仮面ライダーパラドクス・パーフェクトノックアウトゲーマーレベル99の姿にリアス達は勿論の事、向かい側のサイラオーグ達や周囲の観客も驚きを隠せない中、
「あれこそガシャットギアデュアルにおける禁手。本来は2つのジャンルが違うゲームを素早く使い分ける為、1つのガシャットに共存させる目的で開発したガシャットギアデュアル。それを2つ同時に、もっと言えば2つを混ぜ合わせて使用する事で互いが互いに強く干渉し合い、より強大な力を持ったゲームへと融合する事で至る変身、それがマザルアップ!」
ガシャットギアデュアルの開発者である為、白音の身に起こった現象が何なのか(理論上は)知っていた一誠がそれに答えた。
「勿論、両方のゲームを融合させる事で高いレベルの形態となる訳だから、変身者には両方のゲームに対する、今までとは比べ物にならない水準での適性能力を併せ持つ事が求められる。ガシャットギアデュアルの力を最大限引き出せる変身者にしかなれない、正に禁手だ」
「あらあら。そうなると片方の適性しか持っていない私達はなれない、という事ですわね。選ばれし者だけが至れる、白音ちゃんが少し羨ましいですわ」
「そうだな、朱乃。ガシャットギアデュアル自体、様々な術式を扱う技能に格闘能力と、マルチな才能を有した、パズルゲームと格闘ゲームへの高い適性を併せ持っていた白音の力を最大限発揮させる為に開発した物だった。その後2つのゲームを1つのガシャットに共存させる事で、其々が少なからず干渉し合った結果今までとは比べ物にならない程のレベルに至る事が分かり、RPGとシューティングを合わせたβにステルスとレースを合わせたγといったバリエーションを開発、量産したが、やはり一番使いこなしていたのは白音だった。その白音がマザルアップに至ったのは必然なのかも知れないな…」
ガシャットギアデュアルに搭載された両方のゲームに対して高い適性を持った変身者しか至れない領域、マザルアップ。
その存在自体は知っていた為に説明は出来た一誠も、実際にそれが成されると思っていなかったのか、何処か感慨深げにそう呟いていた。
(ガシャットギアデュアルの禁手と言える力、マザルアップ…!
僕も
その後ろでガシャットギアデュアルβを握りしめながらそう思った祐斗。
もしそれを一誠が察していたら「お前はシューティングの適性が無いから無理だ」と一刀両断していたであろうその思いを強く抱く祐斗、それに呼応するかの如く左眼がほんのり、赤紫色に輝いた…!
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『それでは第二試合、開始です!』
「重力よ!」
「む、これは…!」
一方のフィールド内、マザルアップというまさかの偉業を成したパラドクスに他の3人は驚きを隠せなかったが直ぐ平静になり、リーバンとガンドマが構え直し、ゼノヴィアもレーザーに変身して準備万端となった中、始まった第二試合。
開始早々に動いたのはサイラオーグ側の2人、パラドクスのレベルを聞いて真っ先に抑えるべき脅威は其方だという考えが一致したのか、まずはリーバンが自らに宿った神器『
元72柱の一角「だった」クロセル家の末裔であるリーバン、クロセル家は大昔に断絶したと伝わっていたがその実、人間界に居を移していた事が最近になって判明、その中で人間との間に生まれた所謂『混血』の子がその跡を継いでいた様で、リーバンを始めとした末裔たちはその血を引いている。
その出自故に神器を宿したリーバン、彼の神器である魔眼の生む枷は
この力でパラドクスを視界におさめ続け、彼女を高重力によって拘束、其処をガンドマが叩き潰そうという魂胆だ。
その第一段階である拘束は、パラドクスが自らを覆いつくす重力に気付きはしても其処から動かない様子から成功した模様、念のために魔力でパラドクスの足元を凍らせたのを受けてガンドマが、スピードを活かして突撃しようとするレーザーをリーバンと共に牽制しながら接近する。
そしてその剛腕の一振りが届くまでに近づいた所で、パラドクスへとその腕を振るった。
戦車として転生しているのもあってそのパンチは上級悪魔も一撃必殺と言って良い物、まして今はリーバンの神器の効果で重力が増大している状態、その一撃を食らったらパラドクスもただでは済まないだろう、と思ったその時だった。
「其処です!」
「っ!?がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「ガンドマ!?馬鹿な、ぐぁっ!?」
『サイラオーグ・バアル選手の騎士、リタイア!』
ただで済まなかったのは、何故か腕を振るった筈のガンドマだった。
右腕からのストレートパンチでパラドクスを叩き潰そうとしたガンドマ、だがその攻撃が彼女を捉えようとした次の瞬間、何かが思いっきり潰れる様な轟音と共に、その腕がまるでギャグマンガの如く押し潰され、複雑骨折したであろう骨の破片が針鼠の如く飛び出、吹き出た血で即座に赤く染まった。
まさかの事態に動揺するリーバンも、直後に何処からか放たれた銃撃を諸に食らってしまい、それで戦闘不能状態に陥ってしまったのかフィールドから離脱してしまった。
「この程度の重力、蚊ほども効きませんよ」
そんなリアルで再現すると思いっきりグロテスクな光景になる状況を生み出したのは、重力の影響を受けた筈のパラドクスだった。
「私、体重は素で30kgちょっとなんです。パラドクスに変身した所で精々1.5倍、50kgもありません」
『ガッチャーン!ウラワザ!』
「そんな私に掛かる重力を10倍にした所で500kg、20倍にしても1tもありません。その程度の重力ではレベル99に至った私を止める所か、ほんのちょっぴりでも阻害出来はしません!」
『ガッチャーン!パーフェクト・ノックアウト・クリティカル・ボンバー!』
「真!昇○拳!」
「が!?あ…!」
高重力下に置かれた所で自分への影響は軽微だと、あの状況下で動けた理由を話したパラドクスはそのままゲーマドライバーを開閉し、潰れた右腕に走る激痛で身悶えるガンドマに連続でアッパーを叩き込み、
『サイラオーグ・バアル選手の戦車、リタイア!』
この試合を決めて見せた。