ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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115話_煉獄のRider's

「初めまして。リアス・グレモリーの兵士、いや、仮面ライダーエグゼイド、兵藤一誠です。先程は我が子達が失礼しました」

「ご丁寧にどうも…

異世界『煉獄の園』を統治する煉獄義姉弟の長男で仮面ライダー隷汽の鬼崎陽太郎です。以後、お見知りおきを…」

 

煉獄の園よりこの世界へとやって来た陽太郎達、誤解によって引き起こされた到着時のゴタゴタも収まり、一誠達が待つ屋敷へと向かい、無事に到着した。

車を運転していた黒歌がそのまま先導すると其処では、玄関前で待機していたらしい一誠達がいた。

 

「仮面ライダーゲンム、リアス・グレモリーです。今日は宜しくお願いします。さ、皆も自己紹介を」

「はい。仮面ライダースナイプ、姫島朱乃ですわ」

「仮面ライダーブレイブ、木場祐斗です」

「仮面ライダーノックス、塔城白音です」

「仮面ライダートゥルーブレイブ、ロスヴァイセです」

「か、仮面ライダーポッピー、アーシア・アルジェントです!」

「仮面ライダークロノス、ギャスパー・ヴラディです!」

「仮面ライダーレーザー、ゼノヴィアだ」

「仮面ライダー風魔、紫藤イリナです!」

「仮面ライダーレーザーX、レイヴェル・フェニックスですわ」

 

一誠と陽太郎、2人が挨拶を交わしたのを受け、リアス達も自己紹介を始める。

本来なら幾ら恋人と言えど、自らの主であるリアスを差し置いて自分が真っ先に挨拶するのは眷属として礼儀がなっていないと突っ込まれそうな話だが、今回陽太郎達が接触するのはリアスの眷属としての一誠達ではなく、ライダーシステム開発者としての、天才ゲームクリエイター『IS』としての一誠、一誠がリアスの眷属としての立場を言おうとして自らが変身する仮面ライダーの名に言い換えたのも、リアス達もまた続いたのもそれ故である。

 

「仮面ライダー煉王、兵鬼薫だよ」

「仮面ライダーヘレナ、鬼町夏煉です」

「仮面ライダーロスト、鬼鉄一輝です。宜しくお願いします」

 

それを受けて薫達も自己紹介を行った。

バグスター達から敵と勘違いされ武器を向けられていた事もあって当初は不信感を抱いていた3人だったが、陽太郎が気にしていなかった事、送迎中の車内での黒歌の気さくな対応で一先ずは張りつめていた気を緩めた。

 

「さて、一輝さんが変身するロストでしたか…

新しいライダーシステムを開発したので、その実戦データを収集すべく我々との模擬戦を行いたいとの事ですが…」

「はい、それでその件については」

「ええ、喜んで。俺としても、異世界のライダーシステムには大いに興味がありますから。アマゾンにディケイド、ダブルにオーズ、フォーゼにウィザード、鎧武にドライブ、ゴーストにビルド…

異世界には俺が開発したそれとは違うライダーシステムが数多く存在する、そのメカニズムを、力をこの目に焼き付ける事で新たな力が、其処に起因する新たなゲームのアイデアが生み出される。俺はそれが楽しみで仕方ありません」

 

挨拶もそこそこに本題を切り出した一誠、改めて了解を求めた陽太郎の問い掛けに快諾の意を示した。

今から一ヶ月以上も前に一誠達が突如として放り込まれた異世界、其処での様々な怪人との戦闘(我望との対談だったアーシア等、一部例外はあるが)を経て手に入れたレジェンドライダーガシャットの存在から一誠は気づいたのだ、自分が作り上げたそれとは違う力を持つ仮面ライダーが、その仮面ライダーが様々な怪人達と戦う異世界が存在する事を。

新たに作り上げたライダーシステムのテストという向こう側の都合とはいえ、その異世界の仮面ライダーである一輝…ロストとの戦いは自分達にとっても実りのある物になる、一誠はそう考え、高鳴る思いのままに快諾したのだ。

 

「さて、誰が出る?まあ俺が出ても良いけど…」

「イッセー君、そしたら私が出ても良いかな?丁度私も試してみたい事があって」

「分かった、イリナ。イリナの他には…

いない様だな。なら此方からはイリナ、風魔がお相手しましょう」

「宜しくお願いします、イリナさん」

 

こうして模擬戦が決まったのは良いが、誰がロストの相手をするのか事前に決めていなかった一誠達、自分が出たい気持ちを抑えて立候補を受け付けた一誠の問い掛けに真っ先に、というか唯一手を上げたのはイリナだった。

 

「それとこれは、個人的な頼みなのですが…

僕もこの世界のライダーシステムの開発者である貴方に興味がある。僕と貴方とでも模擬戦を組みたいのですが、どうでしょうか?」

「分かりました、是非やりましょう」

 

こうしてロストのテストを目的とした模擬戦の相手はイリナに決定したが、個人的な頼みと称して陽太郎自身も一誠に模擬戦を申し込んで来た。

唐突な申し出ではあったが、高鳴る思いが収まっていなかったのか二つ返事で快諾した。

 

「陽太義兄さんが戦うのなら、私も白音さんと戦いたいのですが良いですか?」

「私ですか。ええ、良いですよ」

(()()さんそっくりな彼女、けど彼女は()()()()()()()が呟いていた『白音』と名乗っていた。白音さんがこの世界における小猫さんと同じ存在だとしたら、もしかしたら小猫さんが…!)

 

そんな陽太郎に便乗してか、夏煉もまた白音に模擬戦を申し込んだ。

夏煉の心中には()()()()()()()()()()()()()()の存在があった、彼女が呟いていた『白音』という言葉、それを名乗っていた白音はもしや…

その夏煉の心中を知ってか知らずか、白音はその申し出を承諾した。

 

「陽も夏煉も戦うんだったら、アタシも良いかな?折角来たのにアタシだけ仲間外れ、ってのもねぇ。

ああ…そうそう、アタシは誰が相手でも良いよ」

「なら、私が受けて立つのにゃ!丁度この前京都で神器を手に入れたけど、実戦で試すのは初めてだからね」

 

こうして今回の訪問の目的であるロストの模擬戦の他にも2回の模擬戦が組まれたが、此処に来て自分だけ何も無しはどうなのかと思ったのか、薫も模擬戦を申し込んで来た。

誰が相手でもいいという薫の申し出に応じたのは、黒歌だった。

結果、模擬戦が計4回組まれる事となり、

 

「では、模擬戦のカードも決まった事です。戦闘ステージへと移動しましょう」

『ステージ・セレクト!』

 

一誠がそう言いながらステージ・セレクト機能を起動させた、が、

 

「あれ?こんな闇深そうなステージ、組み込んでいたか?」

 

模擬戦の舞台に相応しいステージを選んでいた一誠の視界に、見慣れないパネルが入って来た。

そのパネルは暗紫の空、石が敷き詰められた円形のフィールドが広がり、外周部には牙らしき物が所々から飛び出ているもの、一誠が組み込んだ覚えのないステージだった。

 

「おぉ、何か面白そうにゃ。折角だし、このステージにするのにゃ!」

「ちょ、黒歌!?」

 

まさかの事態に首を傾げる一誠だったが、元が猫又であるが故の好奇心を抑えられなかった黒歌がそのステージを勝手に選択してしまった。

黒歌による突然の暴挙に一誠が驚いたのも束の間、一行はそのステージへと転移していった…


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