ハイスクールDevil×Ex-aid   作:不知火新夜

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113話_School Tripは終わり…

禍の団との戦いで八坂を守り切り、敵が所有していた3つの神滅具と、数々の魔剣を奪取して撤退に追い込むという最高に近い勝利を手にしてから一夜明けた今日、修学旅行最終日。

昨夜の戦闘による疲労や寝不足も何のそのといった様子で、残り少なくなった京都での時間で京都タワー等のまだ訪れていなかった名所へと回り、お土産を購入した一誠達、

 

「方々、旅行中の身でありながら妾の無理難題に応えて頂いた事、この地をテロリストの魔の手から守って頂いた事、改めてお礼申し上げる。誠にかたじけない」

 

そして遂に京都から帰る時間となった。

京都駅の新幹線が発着するホームに見送りに来た八坂・九重母娘を始めとした裏京都の面々、その代表として八坂が、一誠達仮面ライダーらの尽力に対して礼をしていた。

 

「そしてイッセー殿」

「はい、八坂さn」

 

そして新幹線が発車する直前、一誠を呼び止めた八坂は、

 

「既に数多の女子(おなご)と想いを通じ合わせた貴方の関係に、一回り以上も歳が離れておる妾が割って入るのは迷惑やも知れん。裏京都を統べる身故に悪魔の下に入る事も出来ん、仮にこの想い通じ合わせたとして、所謂『遠距離恋愛』になるであろう。

 

 

 

それでも妾は女子として、貴方をお慕い申しております」

 

振り向いた一誠にキスをし、己の想いを打ち明けた。

余りに唐突な状況に思わず固まってしまった一誠、何か言おうとしてはいたがそれが間に合う事無くドアは閉まり、新幹線は一路、東京へと向けて発車した。

 

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(八坂さんが、俺を…

どうしたら良いのだろうな、俺は。今まで9人も彼女が出来た俺だが、皆リアスの眷属と、主人であるリアス本人。八坂さんの場合は今までと訳が違う。さっき八坂さんがいった通り彼女は裏京都を統べる身、彼女になったからと言って)

『相棒、相棒。今大丈夫か?』

「うぉっ!?この声、まさか『赤い龍』か?何処ぞの総司令みたいな声だ」

『総員、第一種戦闘ってやらせるな。おっと、初めましてと言うべきかな。俺こそがお前が持っている神器に宿った魂、『赤い龍』ことア・ドライグ・ゴッホだ。これからも宜しく頼むぞ、相棒』

「俺に宿って一晩しか経っていないのにもう相棒認定か?まあ良い。俺は兵藤一誠、昨日までお前が宿っていた兵藤誠次郎の双子の兄だ。宜しく」

 

その東京駅へと向かう新幹線の車内で八坂からの告白について考えていた所に、昨日リプログラミングによって誠次郎から分離され、一誠に宿った神器『赤龍帝の籠手』、それに宿る魂である伝説の二天龍の一角『赤い龍』――ドライグがふと一誠に呼びかけ、一誠も切り替えるべきと思ったのか応じた。

 

「そういえばドライグ、誠次郎の身体から切り離(リプログラミング)された時に何か叫んでいたな。『遂に戻って来た』だったか?どういう事だ?アイツがどうしようもないクズなのは、宿っていたお前が一番知っているだろう。そんなアイツに力を貸すのが嫌になるその心中は理解出来るが、それでも今代の赤龍帝に選ばれたのはアイツであって俺では無い筈。俺に宿って一晩しか経たない中でいきなり俺を相棒呼ばわりする事と言い、まるで俺こそが赤龍帝だったと言わんばかりの様子だが…」

『おっと、その件についてこれ以上俺が口にするのは禁則事項だ。歓喜の余りつい口が滑ってしまったが、幾ら相棒であれどもう口を割れん。まあ、そう遠くない内に分かるとだけは言えるが』

「自分で疑問を生む様な事を口走っておきながら、なんだその言い草は。とはいえ禁則事項という事は、他の誰かとの取り決めで口に出来ない訳か。ならばこれ以上お前を問い質しても無駄か」

『そういう事だ、済まないな』

 

其処で一誠は、リプログラミングした際にドライグが発した言葉が気になっていたのか、その真意を問い質した。

一誠の言う通り今代の赤龍帝に選ばれたのは一誠ではなくその双子の弟である誠次郎である、にも関わらずドライグはあの時、あるべき場所へと戻って来たと言っていたのだ。

確かに誠次郎の人間性を踏まえれば、彼が赤龍帝である事、神器として彼に力を貸す事に嫌気が差すのは当然ではあるが、だとしてもあの状況なら「解放された」とか「やっと抜け出せた」という様に、現状を抜け出せた的な意味の言葉を吐くだろう、「戻って来た」は明らかにおかしい。

そんな違和感丸出しな言葉に対して疑問をぶつける一誠だったが、ドライグは如何にも口止めされていますといった言葉でこれ以上は口を割らなかった。

 

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「パパの元にあるべき物が戻った。いよいよ、我々が本格的に動き出す時が来たか。○○○○○○○さん、其方はどうです?」

「此方も予定通り向かいそうだよ、○○○君。イッセー君達が神滅具を得た事、大王派の面々も掴んでいるだろうね、それで危機感を覚えて行動を起こす筈。動かない様なら先手を打つまでさ。間接的ではあるけどテロ支援をしていた須弥山を取り込む算段も整えた、今度行われる若手のレーティング・ゲームに主神である帝釈天を招待している、其処に来た所を秘密裏に粛清する。冥府のハーデスが目立った動きを見せないのは想定外だけどね。彼は、いや冥府に属する死神の大半は三大勢力への敵愾心を隠そうともしない、禍の団の行動に対して何かしらのアクションを起こす物だと思っていたけど…」

「問題ありません、○○○○○様。ハーデスが「蝙蝠」と侮蔑する悪魔(イッセー様達仮面ライダー)の活躍を聞いて黙っている筈はありません、必ずや何かしらの行動を起こすでしょう。その時こそ、冥府をも支配する好機です」

 

その頃とある場所では、夫婦と思しき男女と、1人の青年が何やら不穏な事を話していた…

 




次章、ハイスクールDevil×Ex-aid――

「さぁ、みんな……準備は出来てるよね?」

その日、思わぬ場所から一誠達を訪ねる客が――

「総員構え!」
「動くんじゃねぇ、テロリスト共!」
「貴様ら、此処が我らが義母様、リアス・グレモリー様の管理する街と知っての行動か!?」
『お前ら落ち着け!彼らは今日『煉獄の園(パーガトリー・エデン)』から親父を訪ねて来た人達だ!』

予想だにしない状況故か一触即発な状況となるも、パラドの連絡で無事、一誠の元へと案内された彼ら――

「初めまして。リアス・グレモリーの兵士、いや、仮面ライダーエグゼイド、兵藤一誠です」
「ご丁寧にどうも……異世界『煉獄の園』を統治する煉獄義姉弟の長男で仮面ライダー隷汽の鬼崎陽太郎です。以後、お見知りおきを……」

彼らは『煉獄の園』から世界の壁を越えてやって来た異世界の仮面ライダー達である――

「あれ?こんな闇深そうなステージ、組み込んでいたか?」
「おぉ、何か面白そうにゃ。折角だし、このステージにするのにゃ!」
「ちょ、黒歌!?」

一誠が組み込んだ覚えのないステージを舞台に行われる模擬戦――

「仮面ライダー隷汽……鬼崎 陽太郎、渾沌の夢に沈もう」
「仮面ライダー煉王、兵鬼 薫!渾沌の誇りを舞い掲げるよ!!」
「仮面ライダーロスト、鬼鉄 一輝!渾沌の誇りを舞い掲げる!!」
「仮面ライダーヘレナ……鬼町 夏煉!渾沌の定めに舞い殉じます!!」

其処で一誠達は、別世界のライダー達の力を目の当たりにする!

8.5章、特別編『異文化交流のPURGATORY EDEN』

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久しぶりです、不知火新夜です。
上記の予告通り、次回からは悪維持さんの作品『煉獄の義姉弟』とのコラボストーリーとなります!お楽しみに!

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