海風に舞う桜   作:座右の銘は天衣無縫

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第十四話

 

「と、言う訳でこれから数日間だけですが、君達の稽古をつけることになりました、沖田総司です。」

 

え、許可?

そんなもん能力全開でフーシャ村まで戻ってガープさんから取ってきましたよ。

 

元々、一週間程度滞在する予定だったそうで、その間なら何してても良いと。

 

「やるのは三つ巴の実践形式の鍛錬です。 慣れれば、目の前のことに集中しつつも周りを把握できるようになります。 それにやっているうちに技も磨かれていきます。 ハンデとして、、、、、そうですね、両目を瞑ったままやりましょうか。」

 

私がそういった所で二人の表情が変わります。

完全にナメきられていると思ってるんでしょうね。

 

「俺が絶対、二人共ぶっ倒す!」

 

「試合では勝てませんでしたが、今度は勝たせて貰います。」

 

ああ〜〜、良いですねぇ、こういう負けん気の強いのは。

ザ・青春、て感じがします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

地面に五体を投げ出し、倒れる二人。

 

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ。」

 

「はぁ、はぁ、はぁ。」

 

「二人共、私に対する有効打は無し、と。 くいなさんはゾロ君に有効打三十六本、それに対してゾロ君はくいなさんに有効打十三本。」

 

うん、実力の差が顕著に現れましたね。

 

「はい、じゃあ、少し休憩したら反省会にしますよ〜。」

 

「本当、に、何も、見えて、無かった、んです、か?」

 

息も絶え絶えにくいなさんが聞いてきます。

 

「じゃあ、何のために目隠しまで取って来て二人に付けて貰ったと思ってるんですか。」

 

「・・・・・オキタさん。」

 

「はいはい、オキタさんですよ〜。 どうしました?」

 

「私でも、オキタさんみたいに強くなれますか?」

 

ある程度、呼吸を整えたのか、くいなさんが聞いてきました。

 

「なれますとも。 ですが、今のままでは少し難しいかもしれませんね。 くいなさん、今の貴方には迷いが多すぎます。 自分の事を信じてあげて下さい。」

 

「そうしたら、オキタさんに勝てるように、」

 

「あ、それは無いですね。 何せ、貴方が十歩進む間に、私は十歩以上進みますからね。 勝ちたかったら生半可な覚悟と鍛錬では足りませんよ?」

 

と、言いながら笑います。

 

「ふふっ、分かりました。 絶対に何時かあなたの事を追い越して、世界一の女剣士になります。」

 

「世界一の女剣士ですか。 楽しみにしてますよ。」

 

「二人共、うるせぇ! 俺が! 世界一の大剣豪になるんだ!!」

 

「えぇ〜、ゾロこの中じゃ一番弱いじゃん。」

 

「だったら、強くなって! くいなも! オキタも! 俺が倒す!!」

 

「二人共、夢は世界一ですか。 なら、何時か海に出る事になりますね。 私は二人が海賊でも賞金稼ぎでも海兵でも、会った時に勝負を仕掛けられたなら受けて立ちましょう。 まあ、二人共グランドラインに来れたらの話ですが。」

 

ふふん、とちょっと鼻で笑うようにして見下します。

 

「分かりました! ゾロ! 何時か海に出よう! そして、二人で世界一を目指そう!」

 

「やだ! ライバルとは馴れ馴れしくしねぇ!」

 

「ゾロ、方向音痴じゃん。 そんなんで海に出たら、餓死するんじゃないの?」

 

あ、既に方向音痴なんですね。

 

「それは、、、、誰かの船に乗る!」

 

「船に乗るだけのお金あるの?」

 

「うぐぐぐぐぐ」

 

仲が良いようで何よりです。

 

「さて、息も整ったようですし、反省会と行きましょう。」

 

パンパン、と手を叩きながら言います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一週間後。

いよいよ、別れの時が来ました。

 

「アハハ、すみませんね、この一週間、すっかりお世話になっちゃって。」

 

「いえいえ、こちらこそ。 ゾロとくいなにはいい経験になったでしょう。」

 

これで暫くの間はお別れかと思うと、ちょっと寂しいかも、ですね。

 

「オキタさん。 また、会えるかな?」

 

「会えますとも。 私とあなたが剣の道を突き進む限りは。 それと、最後にアドバイスです。 常日頃から周りをよく見て、当たり前の事に疑問を感じて下さい。 意外とすぐ側に強くなるためのヒントは転がってるかもしれませんよ?」

 

私がそう言うと、視界の端でくいなさんのお父さんが苦笑いをするのが見えました。

 

「ですが、それと同時に注意もして下さい。 日常のあちこちに危険は潜んでいるんですから。 それでは、お世話になりました。 縁があるなら、また何処かで会いましょう。」

 

そう言って私はその場を去りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふう、何かこう言う真面目なのって桜セイバーらしくないですね。

戦闘時ならまだしも常日頃からだと、違和感が拭えませんね。

 

もっと、こう、、、なんて言うか、、、、『清く正しく、お茶目にグダっと』って感じですかね。

 

自分でも何言ってるんだか分かりませんね。


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