インフィニット・ネクサス   作:憲彦

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今回は溝呂木サイドの2組ではなく、1組のストーリー行きます。

それじゃあ第6話、は~じま~るよ~


1組では

溝呂木が早々にサボりシートを解き、提出して屋上でサボっているころ、1組ではと言うと、

 

(いや~、流石ISの専門学校。やっぱりISの事を中心に教えられるのか)

 

山田先生が教壇にたち、ISの基礎の部分を教えていた。基本的な運用における制限、IS関係の法律と条約、そして、ISには人間で言うところの、意思があると言うこと。コア人格と言われているそうだ。

 

「ここまで来ましたけど、分からない人はいますか?」

 

誰も手を挙げない。まぁここに入学が決まると、電話帳よりも少し厚みのある参考書が渡される。参考書と言っても、ほとんど鈍器だがな。

 

「織斑くんは大丈夫ですか?いきなり入学が決まったので、バタバタしてたと思いますが、参考書は読めました?」

 

「今のところは大丈夫ですよ。強いて言えば専門用語に少し手間取っているだけです」

 

「では、ちょうど良い機会なので、皆さんも専門用語のお復習をしましょう!1年生で習うのは、基本的な物だけですが、どれも重要ですので、忘れないようにしましょうね!」

 

「「「「は~い!」」」」

 

元気の良い返事だな。山田先生もその返事を聞くと、授業を変えて専門用語の復習に入った。この時間は専門用語の復習で終わった。

 

授業が終わると、一夏に1人の女子生徒が話しかけてきた。

 

「一夏、ちょっと良いか?」

 

「んあ?あ、箒ちゃん?良いぉ。移動する?」

 

「あ、あぁ。頼む」

 

一夏の知り合いの様だ。だが、やはり少し戸惑っている。自分の知っている一夏と違うのだろう。この時間帯誰も居ない場所となれば限られてくる。比較的人が少ないと予想される屋上に向かった。溝呂木が寝ている筈だが、人目に付かない影で寝ているので、気付かれない。

 

「いや~、やっぱり屋上は良いね~!風が気持ちいい!それで?話ってなにかな?」

 

「久し振りだったからな。お前と会うのは」

 

「そりゃ~ね。箒ちゃんが転校してから6年だよ?あ、そう言えば、この前新聞に載ってたね。中学生剣道の全国大会で優勝したって。続けてたんだね」

 

「あぁ。私にはこれしか無いからな。一夏は……見た感じ続けてないな」

 

「まぁ色々あってね。続けてはいないよ」

 

「なぁ、お前に一体何が―」

 

キーンコーンカーンコーン

 

「あ、呼び鈴だ。それじゃあ先に戻ってるね」

 

「あ、おい!……」

 

呼び鈴の音を聞くと、一夏は遅れないために教室へと走っていった。箒は少し屋上に残っている。携帯を取り出し、長らく使っていなかった電話番号に電話をした。自分の姉の番号だ。

 

(姉さんなら、何か知っているかも……)

 

箒の勘は、鈍い方ではない。姉である束なら何か知っているかもと思い、電話をかけてみたのだ。

 

『お掛けになった電話番号は、現在使われておりません』

 

「ん?何で?」

 

不信に思い、今度はメールを送ってみた。束の性格なら、箒のメールにはすぐに返してくるかもしれない。しかし、

 

『メール送信不可』

 

メールの送信すら出来なくなっていた。これで連絡の手段が無くなったので、落胆した状態で箒も教室へと戻って行く。教室に着いたのは、二時間目の始まる直前だったのは、言うまでもない。

 

二時間目はIS関係の事ではなく、数学の授業だった。千冬が教壇に立って教えている。非常に分かりやすい教え方だ。

 

(ん~……まいったな~。数学苦手なんだよな~)

 

ノートは取っているが、身に付けるまで時間がかかりそうだ。

 

「ようやく終わった……数字だけは絶対に好きになれないんだよな~」

 

この1時間で、かなりグロッキーになっている。本当に数学とは仲良くなれないようだ。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「ん?誰?」

 

「まあ!何ですの!?その口の聞き方は!!わたくしに声をかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度と言うものがあるのでは無いのかしら!?」

 

いかにも。な人が出てきた。ISは女性にしか使うことが出来ない。その為、女性の社会的な地位が上がったのだ。少し上がるだけなら問題はない。むしろ女性の活躍する場が今まで以上に増えるのだ。世界的には喜ぶべき事ではあるが、それだけでは留まらなかった。ISは兵器として見られている。強大な力と言う意味だ。女性にはそれが使える。男性は抵抗が出来なくなった。正確に言えば、特攻すれば対抗できなくはないが、そんな馬鹿な事をする人間は居ない。その為、女尊男卑の風潮が広がり、一夏の目の前にいる人の様に、男性を見下す人が多くいる。……この学園の入学の第1条件が、「女尊男卑ではない」の筈だが……。

 

「いや、僕君のこと知らないし」

 

「知らない?このセシリア・オルコットを?イギリスの代表候補生にして、入試首席を!?」

 

「ちょっと良い?」

 

「なんですの?」

 

「入試首席って、隣のクラスの溝呂木って人だよ?」

 

「ナッ!?」

 

一夏に言われて、固まってしまった。この現実を忘れたかったのか、それとも知っているが一夏は知らないと思い嘘をついたのか。それは定かではない。そして、固まっている間にチャイムが流れた。

 

「また来ますわ!逃げない事ね!!」

 

「どこに逃げろと?」

 

こんなことがあって、三時間目に入ることになるのだが、始まって早々の千冬の一言で、少々クラスが荒れることになった。

 

「クラス代表をまだ決めてなかったな。期日もあるので、この時間で決めようと思う。自薦他薦は問わないから、誰か居ないか?一応、推薦された生徒が受けることになっている」




室江香華(むろえ こうか)

1年2組の担任。教師としてのスキルは高く、ISでの戦闘能力も高い。教員部隊には入っていないが、戦闘力は学園2番目。千冬の次に強い。えらくドライな性格だが、表裏が無い。分かりにくいが、生徒の事を1番に考えている。イメージ的には、少しひねくれたカカシ先生です。

次回もお楽しみに!感想と評価もついでによろしくお願いします!

あ、次回作のネタに使いたいので、皆さんの知っているSAOみたいなVR世界を舞台としている作品を教えてください。なにぶん、SAOとオーバーロードくらいしか知らないので……

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