インフィニット・ネクサス   作:憲彦

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『デンジャラスゾンビ』

ヘンシン……

『バグルアップ!デンジャー!デンジャー!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!』

さてと。残りライフもHPも関係なく、生きる屍の様にしぶとく図太く終わり無き終わりを目指して書こうではないか。最初からこうしていれば良かったんだ。ブァハハハハハハハハハハ!!ハァ~ハハハハハハハハァ!!

HP 0
❤ 0
色々な苦痛や鬱憤 MAX

溝呂木
「作者が馬鹿やってる内に、とっとと総集編8を初めて物語を進めるぞ」


再編集8

クラス別対抗戦で起こってしまった無人機襲撃事件。出所不明で高いスペックを持つこの無人機の襲撃により、当然クラス別対抗戦は全戦中止となり、しばらくの間は生徒も不用意に出歩くなと言う処置が取られた。それだけではなく、万が一の状況に備えて教員部隊が銃を携帯して学園内を巡回していた。当然安全装置は解除されている。正に厳戒体制と言えるこの状況。不用意な行動1つで死人が出るかもしれない。

 

そんな中、溝呂木は当然のように出歩いて屋上で寛いでいた。しかし誰もそれを咎めようとはしない。気付いていないかのように振る舞っている。と言うか実際気付いていない。こんな状況の中いつも通りに動いているからだ。圧倒的に不審ではあるが、この状況でいつも通りの動きをすることは返って目立たないようだ。

 

そんなこんなで、青空と風を楽しみながら暇を満喫していた溝呂木の元に、1人の教師が近付いてきた。屋上に入る扉を開けて、少し離れた場所から声をかける。

 

「溝呂木信也だな?」

 

「それ以外の誰に見える?お前の弟みたいなガキは目の前に居ないだろ」

 

「それはそうだな。すまなかった。どう呼べば良いか分からなくて……一夏なんだよな?あの時2つに別れてしまった、もう半分の」

 

「よく分かったな。流石はブリュンヒルデと言ったところか?」

 

「そうでもない。束から送られたあるメール、それが私に溝呂木信也が一夏の半身だと気付かせた」

 

そう言いながら、携帯を取り出してメールの画面を溝呂木に見せた。そこには「完了。ISのコア、光、闇、分断」の5つの言葉が乗っている。だが主語しか乗っていないため、何の事やらさっぱり分からない。

 

「アイツは昔から焦ると主語だけのメールを送ってしまう癖がある。ISの理論提唱をしたときもそうだった。たが私と束はそこそこの関係を持っている。何が言いたいかは分かるさ」

 

「成る程。それで?用件は何だ?そんな話をするために態々ここに来た訳じゃないだろ」

 

複数の教師は実弾装備。1部のIS操縦技術の高い教師はISを装備して学園中を巡回している。そんな中を1人だけ抜け出て単独行動は許される筈がない。この学園でもっとも巨大な戦力となる千冬の場合はなおさら。それ相応の用件があることは簡単に想像できる。

 

「教えてほしいんだ。お前を2つに別けた人間の存在について。当然これだけの事を単独でやるのは不可能。組織での行動である事は明白。誰が一体、何のためにやったのかを教えてくれ」

 

「そんなことか。てっきり元の織斑一夏に戻れと言うかと思ったが、まぁ良いか。教えてやっても良い。だがその前に、室江。あんたも出てこい」

 

「あらら。気付かれてたか」

 

「気配が完全に消せていない。視線もたまに感じる。まぁ普通なら気にしないレベルのだがな」

 

溝呂木と千冬以外は誰もいなかった筈の屋上。そこで話をしていたのだが、肝心な話をする前に隠れていたもう1人を呼び出す。出てきたのは溝呂木の担任の室江だ。様子を見るに、溝呂木は最初から気付いていた様だが、千冬は全く分かっていなかったみたいだ。

 

「で?アンタも織斑千冬と同じ質問か?」

 

「まぁそうだね。他にも色々聞きたいけど、まぁそれは今度個人的に聞くよ」

 

「あっそ。で、組織と主犯と目的だったな。まぁ組織に関してはISと裏に深く関わってるお前らの方が詳しいだろ。半世紀以上も裏から世界を支配してんだから」

 

「亡国、機業……」

 

「正解。ついでに主犯だが、昨日仕掛けてきたばっかりだろ」

 

「織斑天十郎か…ハァ……」

 

千冬は真っ暗な顔をし、室江にいたっては頭を抱えて溜め息を吐いている。室江も織斑天十郎についてはよく知っている様だ。

 

「最後に目的に関してだが、それは知らん。つーか興味ない」

 

「そうか……邪魔したな」

 

最後の質問の答えを聞くと、少し落胆した様子をしながら千冬は屋上から去っていった。もうこれ以上は聞いても仕方ないと思ったようだ。しかし、室江はまだ残っており、千冬が完全に離れたことを確認すると別の質問を溝呂木にした。

 

「溝呂木。お前はまだ私たちに隠していることがある筈だ。いや。正確には話してないことが」

 

「……さっきの気配の消し方と言い、その勘の良さと言い、お前は何者なんだ?」

 

「あ~。なんて言えば良いかな。元暗部の諜報員って言うところかな?まぁもう随分前に辞めたんだけどね」

 

「暗部……」

 

室江の発した暗部と言う言葉。それを聞いた瞬間溝呂木の顔付きが変わった。暗部と言う言葉を聞いて警戒したからだ。

 

「まぁそんな警戒するな。もう何年も前に辞めてるって言ってるだろ」

 

「辞めた辞めてないは関係ない。更識か?だとしたらお前と一戦交える必要が出てくるぞ」

 

腰に忍ばせているナイフに手をかける。いつでも動いて斬り裂ける様にだ。

 

「止めとけ。私はお前を殺したくない」

 

「まるで今すぐにでも俺を殺せるような言い方だな」

 

溝呂木は仰向けに寝ていたが起き上がり、腰のケースからナイフを抜き取って構える。それに対して室江は両手をポケットに入れたまま構えを取ることはしなかった。

 

「言っとくが、私は更識の出ではない。暗部は大きく分けて2種類いる。1つは暗躍し、最悪の未来や結末を回避するもの。必要とあらば殺しを行うが、それは最終手段。基本平和主義の集り。2つ目は問答無用で障害になる者を排除し、無理矢理にでも理想に近付けようとする者。後者は更識。私は前者の方だ。今はある人の依頼でたまに動いている。亡国機業や織斑天十郎等の情報は、その仕事で手に入れたものだ。ついでにお前の事もな」

 

それを聞いてナイフを下ろして少し警戒は解いた。だがまだ完全にではない。警戒を解いたとは言ってもいつでも動けることに違いはないのだから。

 

「いつ、俺の事を知った?」

 

「そうだな。織斑一夏が男性IS操縦者として発見される半年前だ。それよりも前から、私はある人の依頼で亡国機業について調査していた。だが尻尾どころか影すら見付けることが出来なかった。暫くしてようやく末端のアジトを発見することに成功。末端とは言え巨大な組織なら入手できる情報も我々にとっては重要なもの。早速忍び込んで情報を取ろうとした時、突然アジトは爆発。データは全部消えていた」

 

溝呂木が初めてメフィストに変身し、同時に組織から抜けた時の事だ。その爆発は凄まじく、建物は完全に崩壊。全てが無に還った。筈だった。

 

「だがデータには必ずバックアップがある。そこで知ったんだよ。私の生徒になった溝呂木信也がどう言う人物で、何をされてきたのか、何をしてきたのか、何を手に入れたのかを。幸運にも実験室らしき場所のカメラには、お前が死神に変身する様子が映っていた。これがお前の事を知ったきっかけだ。勿論これは私と私に依頼した人間しか知らないし、今後も誰かに言い触らすつもりもない」

 

室江が溝呂木の質問に丁寧に答えると、溝呂木は完全に警戒を解いた。口振りや表情、体の動きから嘘偽りは無いと判断し、言い触らさないと言うのも信じたのだろう。

 

「で?聞きたいことは何だ?さっきも言ったが、アイツらの目的なら俺は知らんぞ」

 

「うん。まぁそれは別に良いよ。私が知りたいのは溝呂木と織斑一夏の2人についてだ。精神が2つに分離され別々の人間として生きている。前例は無いが、当然無事でいられるとは思えない。その事を教えてほしい」

 

「確かに、無事ではいられないな。まず最初に本体である織斑一夏は、精神が2つに別れたことで体も言動も幼児退行した。しかも分離前後の記憶は曖昧。分離したことは覚えていたが、誰がどうやったのかは覚えていない。そして俺は本体の細胞から培養したこの体に抜き取った精神を入れられた。結果、俺達の寿命は大幅に無くなった。このままなにもしなければ、近い将来確実にお互いが消滅する。だが、本体はアイツだ。俺が先に消滅すれば、自動的にこの精神は本体に戻るが、所謂コピーである俺は本体が消えれば消滅する」

 

「戻る方法は?」

 

「片方が片方を倒し、1つになること。当然倒された方の精神と人格は消え、倒した側の精神と人格が表となり1人の人間となる。それ以外に方法はない」

 

「かなり強引なやり方なんだな」

 

「あぁ。だが、このまま行ったら表になるのは本体の方だな」

 

「ん?何でだ?」

 

「言ったろ。この体は細胞を培養して作ったコピー。今の人間が持つ技術じゃ完璧な生物の複製を作ることは出来ない。人間以外の動物でも出生率とその後健常体でいられる確率が低いんだ。必ずどこかで障害が発生する。それに……」

 

「それに?」

 

「いや。なんでもない。取り敢えず、話すことは話した。俺は引き続き休ませてもらうぞ」

 

もう一度横になって眠ってしまった溝呂木を見て、室江はそのまま屋上から出ていった。溝呂木の話を聞く限りでは、圧倒的に溝呂木自身が不利な場所に立たされている事だけは分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてそれから数日後。無人機襲撃以降はなにも起こることがなく日が過ぎていき、学園側は完全に安心ができる訳ではないがこれ以上は意味がないと判断して厳戒体制を解除。通常通りの学園生活に戻ることになった。

 

久し振りに再開された学園生活。クラスメイトの面々とも久し振りに顔を合わせることになるため、当然様々な事をたくさん話す。だが、突然話の話題は全く違うことに刷り変わる。

 

「ねぇ聞いた?1組に転校生が来るようよ。2人も」

 

「あ!聞いた聞いた!しかも片方は第3の男性IS操縦者なんでしょ!」

 

「そうそう!あぁ~、早く会いたいな~」

 

「見てこの写真!かなりの美形よ!しかも守ってあげたくなる系の!」

 

「うわっ!?スゴいイケメン!」

 

「……その写真どこから?」

 

「ちょっとね。生徒会長に賄賂を……」

 

「あんた。えげつないわね」

 

「他にも、声の録音も」

 

「それはどこから?」

 

「それは~。知らない方が良いわ」

 

久し振りに話をしていた女子生徒たち。しかし後半からは大分ブラックな話になっている。賄賂だのなんだのとヤバいワードが飛び出していた。

 

「あ゛~あ。眠い」

 

そこに溝呂木が入ってきた。すると1人の生徒が近付いて、さっきしていた話を溝呂木にする。男子生徒が転校してきたと言う話だ。すると、サボりシートを記入。そして必要ない欠席届けも一緒に提出してから、パソコンを持って教室から出ていってしまった。

 

「お~し。SHR始めるぞ~って、溝呂木はどうした?」

 

「転校生の話したら、サボりシートと欠席届け出してどこかに行ってしまいました」

 

「え?まぁ良いや。じゃあ出席取るよ~(気付いたか。有効に使ってくれよ~)」

 

生徒たちには見えない位置で携帯を弄り、何かの資料をどこかに送っている。恐らく溝呂木宛だ。そして作業が終わると、いつも通りに連絡をして授業に入っていった。




今日はここまで。疲れたから。勢いで新しいの書いてしまいました。良ければそれもどうぞ。

……全体的に薄味だな

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