鉄血
「よろしくお願いしま~す」
じゃあしばらくこちらの世界でお願いしますね~。とっとと撮影入りましょうか。登場は次回からだけど。
※エピソードサーガにて出てくる地球は、ウルトラマンサーガで出てきたアナザースペースの地球です。故に、箒や鈴などのISキャラは登場しません。そして、今回は原稿段階であったと言うコスモスのモードチェンジを入れたいと思っています。映画限定モードとかがメインですね。
そして今回は、ウルトラマン、怪獣の声は『』にしようかと思います。一緒だとややこしいので。
現場
『誰か、誰か聞こえますか?こちらは地球防衛隊。この通信を聞いている人、誰かいませんか!?聞こえていたら返事をして下さい。こちら、地球防衛隊。誰か、返事をして下さい!!』
人も生物もいなくなった地球。その都心では、様々な回線を通じて放送されている地球防衛隊の呼び掛け。だが、そこからは誰からの返事もなかった。聞こえてくるのは、不気味な風の音と高笑いだけ。この地球に残されたのは、もう放送を流している連中だけなのかもしれない。
とある場所では、生き残った人達が飛行機の様な乗り物に乗って発進する準備をしていた。エンジンを吹かし、操縦桿を握り、いつでも出られるようにしている。
「チームU、レディー……ゴー!!」
リーダーと思われる女性の言葉と共に、3機が発進した。高速で空を飛び、都心へと向かっていく。
『第六地区に、進入』
「ちゃっちゃと済ましますか~」
「サワ!油断しない!」
随分と無駄な会話をしているようだ。
「リーダー!地上の安全、確認!」
「目的地、到~着!」
「全機タッチダウン!」
徐々に高度を下げて、地面が近くなると人型の様なロボットに変型して着陸した。そして目的地と言うのが、目の前にある巨大なショッピングモールだ。
「2人とも、リスト以外の物には手を着けないでよ?」
「分かってるって」
「ショッピングタイムは、5分!」
「「OK!!」」
カートを持っていくと、それぞれ必要なものを買うために店の中に散らばっていった。その頃、外では地面にレーダーの様な物を建てて、何かの距離を通信機で報告していた。
店の中では各々必要なものを手際よくカートに突っ込んでいるが、靴を見ていた人はピッタリしたサイズがないと言って、困っていた。
「子供はすぐに大きくなるって」
「もう頭固いんだよマオミは~」
必要なものを入れ終わったのか、レジの方向へと向かっていく。だが、その時に問題が発生した。
「あっかーん!レーダーのエリア設定!1メモリ間違ってしまったー!!」
とんでもないミスだな。リーダーの女はすぐに自分の乗っている人型ロボットのレーダーを急いで調整。迫ってくる物の位置を確認した。
「っ!?もう真下じゃない!全員退避!すぐにマーケットから出て!!」
これを聞いて、中にいる3人は急いで外へ出る。帰り際に、レジの近くのボードに借用書の様な物を貼り付けて出てきた。
「ごめ~ん!!ミスってもうた~!!」
「ごめんじゃねーよ!!」
全員その場から逃げるのと同時に、地面を突き破って怪獣が出てきた。必死で逃げてはいるが、このままでは確実に踏み潰されてしまうだろう。
だが、そのタイミングでリーダーが飛んできて、怪獣に攻撃を入れて意識を自分の方へと向けさせた。
「ミサト!こっから1番近いのは何番だ!?」
「な、何番?何番?」
「な、7番!」
「7番です!!」
「オッケー7番!かっ飛ばすよ~!!」
そう言うと、怪獣に背を向けて走っていく。どうやらその7番という場所に行くようだ。怪獣は火炎を吐いて確実に仕留めようとするが、的が小さい上にちょこちょこ動くため全く当たらない。目的の場所付近に着くと、ロボットの状態から飛行機の形に戻って飛び上がる。
「ファイヤー!」
掛け声と共に何かのスイッチを入れた。すると、怪獣の立っている足元が爆発して、巨大な落とし穴が出現。落ちた怪獣はそのまま倒れてしまった。
「ナイスリーダー!!」
「流石頭!!」
「足元には気を付けな!」
そう言ってその場から離れようとするが、顔だけを起こして火球を放った。突然の事に、空中で体勢を崩してしまい、人型になって着地をしようとするも失敗。絶対絶命の状況に陥ってしまった。
「クッ!……ん?」
だが、その時に更に異変が起きた。足音がするのだ。ただの足音ではない。怪獣と同じくらいの大きさで無ければ出ることのない音だ。それは地面を揺らし、ビルに付いていた大量の埃を一気に舞い上がらせて、ガラスを震わせた。怪獣もその方向に目を向ける。
「巨人?」
ビルの影から現れたのは、50メートルはある巨大な3色の巨人だった。
『フッ!』
『ギャァア!!』
構えを取る巨人を見るなり、怪獣は火球を放つ。だが、簡単に握り潰されてしまった。自分に歩いてくる巨人に向かって更に放つも、最初と同じ様に握り潰されるのが落ちだった。
『グゥぅ……ギャァア!!』
勝てないと分かったのか、地面を掘って逃げようとする。だが、巨人がそれを許さなかった。
『ハァァァ!ンン!!はぁ!』
尻尾を掴んで振り回し、空中へとブッ飛ばした。そして、
『シュワ!』
手を十字に組んで光線を放ち、怪獣を粉々にした。
「リーダー!」
「ミサト」
「怪我、ないすか?」
チームUの連中が集まっている方を巨人が向くと、敵か味方か分からない為、一瞬驚いたが、巨人が向けたグッドサインで味方と分かり、警戒を解いた。
「「「味方だー!!」」」
世界が終わりに向かっていたとき、3人のもとに勇者がやって来た。それは、この世界に残された人にとっては大きな希望となるだろう。
『ゼロ!聞こえるか?ゼロ』
『誰だ?』
『お前の力が必要だ』
別宇宙のとある小惑星の上で、地球に現れたのとは別の巨人が立っていた。青と赤の体色が目立つ鋭い目付きの巨人だ。
『誰だか知らないが生憎俺は今、取り込み中でな!』
足場にしていた場所を飛ぶと、大量の光線が撃ち込まれた。ゼロと呼ばれた巨人の周りには大量のロボットの様な物がいる。
『ヘア!!』
腕をL字に組んで光線を撃ち、目の前のロボットを一掃していく。数は多いが、どれもこれもすぐに破壊されていくため、ゼロの敵にすらなっていない。
『フンッ!』
『ゼロ……ゼロ!!』
『ッ!だから誰だお前ッ!?』
頭に直接届けられるテレパシーで、一瞬集中力を乱したのか、攻撃を受けそうになった。話をしていては一気に不利になりそうな状況に、ゼロは頭についているスラッガーを2つ飛ばして話を聞くことにした。
『ある世界が滅亡に向かっている』
『ある世界?お前は一体……』
『この地球の、あらゆる命が、邪悪な物に封印されようとしている。時間がない。地球へ急げ!ゼロ』
『地球だと!?今の声は、別の宇宙から俺を呼んでいた……行ってみるか!地球とやらに!シュワ!』
話しながら完全に敵を殲滅したようだ。腕に着けているブレスレッドを鎧の様にすると、それを装着してワープホールを作り出し、次元を飛び越えた。
ゼロの行動は、光の国にいるウルトラ戦士たちにも分かったようだ。
『ん?』
『どうしました?セブン』
『いまゼロが時空を越えた』
『時空を?一体、何故』
その様な会話をしていると、他のウルトラ戦士も降りてきた。どうやらとある調査に出ていたようだ。
『例の円盤に、関係があるのかもしれん』
『いくつもの別の宇宙に現れ、怪獣などを連れ去る、謎の円盤……』
『怪獣墓場からも、複数の怪獣が連れ去られたと言う』
どうやら、かなり深刻な状態の様だ。そこに‼明らかにこの宇宙のウルトラ戦士とは違う巨人が降りてきた。
『連れ去られたのが怪獣だけなら良いけどな』
『ッ!?ノア!?監視者である貴方が、何故ここに?』
降りてきたのは、銀色の体に一対の翼を持つ巨人、ウルトラマンノアだ。
『キングに伝えろ。ザギがやられた。そして、レジェンドの管理する宇宙から、カオスヘッダーが連れ去られた』
この言葉には、聞いていたウルトラ戦士全員が驚いた。理由は簡単だ。ザギがやられたからだ。ザギはノアと何千年もの間戦ってきた上に、光の国にも現れて、全総力を以てしても足止めすら出来なかった存在だからだ。まぁ、別宇宙のとある1件のあと、ノアと仲直り?をしてそれからは一緒に生活をしているわけだがな。
『やられたと言うことは、消滅したのですか?』
『いや。体を構築する闇の殆どが持っていかれ、人間態で何とか生きている状態だ。怪我が酷いけどな。今はジャスティスが看ていてくれている』
よほど酷い状態らしい。
『遊星ジュランでは、カオスヘッダーが連れ去られた直後に、ジャスティスと分離したコスモスが再びムサシと同化。円盤を追って別宇宙に消えていった』
『それで、貴方も今たくさんの宇宙を飛び越えながら円盤を探していると言うのですか?』
『あぁ。だが、流石に範囲も広すぎる上に、ダミーも大量にあって中々見付けられない……』
『しかし、監視者の貴方が動いて良いのですか?』
ウルトラマンの言うことはもっともだ。短い間とは言え、その間に何も起こらないとは言えないからな。
『大丈夫だ。分身を大量に置いて、俺の管理している全宇宙を監視させている。レイブラッド程度なら、倒せなくても撃退することが出来る。それに、あの円盤の行き先と思われる地球……その付近の別宇宙には、欠片とは言え、俺の力と同化したヤツがいる。多分、ゼロやコスモスと協力してどうにかするかもな』
『なら、貴方が無理をして探す必要は無いのでは?』
『ザギのエネルギーが持っていかれた以上、俺も動かざるを得ない。もし俺の力と同化した地球人にその闇を入れられてみろ?どうなるかは容易に想像が付くだろ。じゃあ、俺は行くぞ。お前たちも何時でも動けるようにしておけ』
それを言い残すと、再び別宇宙へも繋がるゲートを作り出し飛んでいった。が、背中のイージスが大分小さくなっていた為。いつまで持つかは不明だ。全宇宙を監視した上での行動だからな。
『まさか、ザギやカオスヘッダーまで……』
『我々も、事を急ぐ必要がありそうですね』
事の深刻さに、ジャックとエースは少し焦っている。ただ、そんな中でもセブンだけは少し違った。自分の息子であるゼロが、きっと事態を解決してくれると信じているからだ。
NG集
・チームU着陸シーン
「全機タッチダウン!」
「「ウワァァァアア!!」」
ガッシャーン!!
おーい大丈夫か~?じゃ、テイク50。行こうか。
・ノア登場シーン
『連れ去られたのが、怪獣だけなら良いのですけどね』
『ノア!?監視者である貴方が、何故ここに?』
『キングに伝えてください。ザギが倒されました。そして、レジェンドの管理する宇宙から、カオスヘッダーが連れ去られました』
ちょっとカット!ごめんノア。口調、やっぱ元に戻して。何か慣れない。
『だろうな。俺もそう思ってた所だ』
次回もお楽しみに!感想と評価、活動報告とその他作品もよろしくお願いします!!