インフィニット・ネクサス   作:憲彦

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うp主が疲れているときの頭
○正常時、小説の内容を考えている。
○少し疲れてる、クロトが降りてくる。神の恵みを受けとれぇ!ヴァハハハハハハハハ!!!
○限界の時、酷い頭痛と吐き気に襲われて投稿不可能。投稿できない時の大体の理由。

以上。うp主の頭の紹介でした!

今日で最終回。何故一夏は姿を消したのか。何故一夏が国際指名手配犯になってしまったのか。最後まで飽きずに読んでください笑


逃亡

バルタン星人の襲来から1カ月後。あの時、バルタンの討伐のため、IS学園に大量の兵器とISが集結し、前線の基地として扱われていた。その為、撤収やら何やらで学園の機能が一時的に麻痺していた。

 

他にも、学園長が

 

「学舎である学園を前線基地にした上に、この学園に通う生徒を戦場に立たせるとは何事だ!」

 

と、IS委員会の実働部隊達に抗議して、見返りとして滅茶苦茶になったグラウンドや、戦いで破壊された建物などの修理を要求。学園運営可能になるまで、生徒は基本自習を言い渡された。

 

だが、この1ヶ月のお陰で、一夏が作っている予備バッテリーの技術がある程度確立してきた。お陰で小型化や内部に入るシールドエネルギーの量も増加させることが出来た。

 

『マスター。束さんから充電パーツが届きました』

 

「あぁ。今から取りに行ってくる」

 

一夏は整備室から出ていき、束が送ったパーツの受け取りに行った。当然、束はまだ世界から追われている身。普通に宅配便等を使って送るわけではなく、作ったものを小型化してコンテナごと学園の屋上に置いていくのだ。ただ、一夏の指紋が無い限り開けることが出来ないし、「一夏宛」と書かれているので、他の誰かが見付けたとしても一夏の元に来る。

 

「ん?」

 

『何に使うかは分からないけど、せめてちーちゃんには伝えようね。自分がやろうとしていることを』

 

「どこまで知ってるんだ?この人は」

 

半分呆れながら、一夏は束の作ってくれたパーツを整備室まで持っていき、開封。中にあるパーツを確認して、どこに付けるパーツなのかを確認した。パッと見ると、白式のパーツに普通のソーラーパネルを付けたように見えるが、同封されていた説明書を見る限りだと、相当ブッ飛んでいるソーラーパネルだと言う事が分かった。更に蓄電をするための小型装置も付いていた。

 

「予想以上に送られてきたな……」

 

『バレたのですかね?』

 

「まぁ良い。俺の作った予備バッテリーだけじゃあ不安だったからな。取り付けた後はスペックの調整。エネルギー効率を上げよう」

 

『了解。微調整は私が操作します』

 

「うん。頼んだよ」

 

白式を呼び出し、機体をハンガーにかけて、該当するパーツを外していく。白式のコアは既に外し、パソコンに着けているので、白式がスペックを調整してくれている。様々な物を上げたり下げたり。一夏の側にずっといたお陰なのか、現在の一夏には最適なスペックへと変えていっている。

 

そして、一夏も束に送られたパーツを付けている。小型のパーツが大量にある故、かなり神経を削られる作業だが、時間をかけながら的確にこなしていく。

 

「白式。装甲って増やした方が良いか?」

 

『今後の事を考えると、全身装甲にした方が良いかもしれませんね。企業に発注しましょうか?』

 

「いや。今あるパーツで間に合いそうだ。これで作るよ。束さんが送ったパーツの中に、白式用の新規パーツもいくつか入ってるし」

 

『分かりました』

 

新規のパーツ。それは、普段露出している部分を覆う為の物だった。露出している部分があると言う時点でどうかと思うが、このパーツは今の一夏にとってはありがたい。足りなかったら、無駄にでかい腕部や脚部、ウイング・スラスターから削ぎ落とそうと考えていたからな。ただし、ウイング・スラスターは小型化すると出力が下がる恐れがあるため、最終手段と考えていた。

 

「白式、出来るだけ身軽で機動力の高いものにしたい。どこを外せば良い?」

 

『設計図を呼び出して調べています。取り敢えず、左腕と両脚のパーツは削っても大丈夫です』

 

その後、白式が作ってくれた設計図に合わせて、邪魔になる物を外している。改めて見ると、大して必要の無いパーツはかなりある。

 

「これ、必要ないのを全部外したら、どのくらいスピードが上がるんだ?」

 

『スピード、約15%~19%。機動力、20%~23%上昇します』

 

どうやら、かなり上がるようだ。どれ程パーツが動きの邪魔をしていたのかが理解できる。その代わり防御は薄くなるが、そもそも高速高機動型の接近格闘タイプである白式には厚すぎる装甲はかえって邪魔になる。

 

しかし取り外すパーツが多い。愚痴を溢しそうになるが、自分が望んで行っているため、愚痴を吐くわけには行かない。手伝ってくれている白式の為にもだ。

 

『マスター。そろそろ作業開始から13時間が経過します。これからパーツの取り付けに入ると、更に20時間程加算されます。そろそろお休みになってはいかがでしょうか?』

 

「分かった。少し休憩するよ」

 

そう言うと、ここで少し寝ることにした。白式が剥き出しの状態で置いてあるので、離れるわけにはいかない。ここで休息を取るしかないのだ。が、ここで休むのにも大分慣れてきた。狭い空間でもちゃんと休みを取れるようになった。

 

「さてと……休んだし、作業を開始しますか」

 

『休息を取ってから1時間しか経ってませんが、よろしいのですか?』

 

「大丈夫大丈夫。疲れたらまた休めば良いから」

 

あんまり人間としてはよろしくない働き方ではあるがな。限界まで働いて過労死でもすれば、それこそ問題になる。まぁ、本人は疲れを感じたら休むと言っているので、流石に死にはしないだろう。

 

この作業がここから1ヶ月の間続けていた。無論少しずつ休みを取りながらだ。もし限度を超えたような仕事をしようものなら、白式が止めてくれる。その為、多少時間はかかったが、この時間で白式の改造を終わらせることが出来た。

 

「よし……これで良い。白式、明日には出る。それまでに動けるようにしておいてくれ。俺はこれを出してくる」

 

そう言って取り出したのは、退学届けだった。既に決心しているようだ。この学園を離れることを。一夏はそれを持って、いつもと変わらぬ態度で職員室へと帰っていった。そして、千冬にそれを提出した。

 

「これは何だ?」

 

「退学届け。思うところあって、ここから出ていくことにしたよ」

 

「ふざけるな。お前がそんな理由でこれを出す訳が無いだろ。本当の理由を言え」

 

流石にその理由では誤魔化せなかった。千冬相手だから当たり前にも思える。姉だしな。

 

「……この前のバルタンの事。覚えているよね?」

 

「あぁ。先月までそのせいで学園がストップしてたからな。まさかとは思うが、それで学園を辞めると言う訳じゃないよな?」

 

「まさか。それもあるけど、バルタンの件は理由の1つでしかないよ……俺は、もうこの先、皆を守れる気がしないんだ」

 

「どう言うことだ?」

 

「大きな力って言うのは、少なからず周りの力に影響する。磁石の様に様々な厄介事を引き付けてしまう。この先、俺と言う存在のせいで、皆を戦いに巻き込んでしまったとき、俺は皆を守れない……」

 

「…………」

 

「それに、バルタンの事。彼らは移住するために来た。子供達の未来の為に。でも、俺はそれを力を持って抑圧するしかなかった。結果、俺はバルタンを殺し、彼らを無理矢理自分の星へと帰した……守るべき存在を殺してだ」

 

一夏の言葉を千冬は何も言わずに大人しく聞いている。

 

「俺は不安なんだ。もしこの先、俺の力を以てしても戦うことの出来ない相手が現れたとき、もし俺がその存在に倒されてしまったとき、俺はもう立ち上がることが出来ない。守ることが出来ない」

 

「待て。確かに前回の件や、それ以前の大きな戦いも、私達はお前に頼っていた節はある。だが、今後も大きな戦いが起きたとしても、お前1人で戦う必要は無いはずだ。私も、お前を慕う仲間達も一緒に戦う。起こると言う確証もないのに、ここから離れる必要は無いだろ」

 

「確かにそうだ。俺が戦えば、当然皆も手伝ってくれるかもしれない。でも、俺はそれが怖いんだ。俺を手伝ったが為に、命を落としてしまう可能性があるからな」

 

何を言っても一夏の意思は変わらない。それを悟ったのか、分かったと言って、退学届けを受け取った。

 

「もう学園長には伝えてるよ。学園にとって都合の良いように言ってくれて構わないとも伝えてある。退学を受理したと言えば、白式の事や行き先の事とかを聞かれる可能性がある。白式も付いてくるって言うから、何があったかは全部そっちに任せるよ」

 

つまり、学園側の報告1つで、一夏と言う存在はどうとでもなるのだ。死亡したと言うことも出来るし、学園を逃げ出したと言う事にも出来る。白式も一緒にいるため、どう報告するかは大体わかるがな。

 

次の日、この日一夏は誰よりも早く起きた。見付からないようにするためだ。IS学園の制服を綺麗に畳み、机の上に学生証と共に置いている。部屋の中は片付けられている。千冬に退学届けを出した後に片付けたのだろう。と言っても、元からそれほど置かれていないため、片付けはすぐ終わっただろうがな。

 

『マスター。準備が整いました』

 

「分かった」

 

中にISスーツは着ているが、今は私服だ。黒いジーパンを履き、年季の入り、茶色っぽくなっている革ジャンを羽織っている。腕にはいつもの様に白式が付けられ、必要最低限の物を持って部屋から出ていった。

 

それから数時間後だ。一夏が学園から専用機を持って逃亡し、全世界から指名手配されたのは。今回の場合は逃亡したと言う方が、学園にしろ一夏にしろ、都合が良いのだ。

 

『マスター。これで本当によろしかったのですか?』

 

「あぁ。俺がいる限り、新たな脅威はいくらでも出てくるだろう。1つを潰せば、また1つ出てくる。俺は一度倒れてしまったら、恐らくもう二度と立ち上がれないだろう。そんな俺があそこに居たら、迷惑なだけさ」

 

『やはり。貴方は戦士には向かないタイプの人間の様ですね』

 

「ガッカリしたか?」

 

『いえ。むしろ安心しています。巨大な力は、本来なら恐怖するものです。嬉々として受け入れている方が異常とも言えます。が、流石にその為だけに宇宙まで逃亡した事には、驚きを禁じ得ません』

 

「多分だけど、バルタンみたいな外部的要因で地球規模の事が起きないとは言い切れないからな」

 

随分と思いきった行動だな。としか言えない。こうなってしまえば、地球上で探すのは無意味だ。

 

『これからはどうする予定で?』

 

「いろんな場所を回ってみるよ。バルタン星人が居るんだ、他に生命体の住む星が無いとは言えない。そんな星を探してみるよ。ウルトラマンの力もまだあるし、他の宇宙にも行ってみようかと思ってるよ」

 

『でしたら、どこまでもお付き合いしましょう』

 

人は歩み続ける。先の見えない暗闇の中を。自分が前を向いているのか、後ろを向いているのか。はたまた横を向いて進んでいるのか、それは誰にも分からない。進む先が正しいのか間違ってるのか。それさえ判断することが出来ない。その先に強大な敵が居ようとも、それすら分からずに進んでしまう。だが、それでも人は歩み続けるだろう。何故なら、人は止まることが出来ないから。進化を、先を望まずにはいられないから。

 

「さぁ~てと。行きますか!」




約1ヵ月間、読んでくれてありがとうございました!しばらくの間は無気力な救世主の更新。座談会後に、今度はオリジナルを2つ投稿しようと思っています。それが完結すれば、またISの新しい二次創作を作ろうと思います。あ、無気力な救世主の完結は今のところ考えていません。うp主の気が済むまで投稿します。

…………モノローグをもっとまともなのにしたかった。

次回からの投稿も、暇潰し程度の軽い気持ちで読みに来てください!

あ、座談会のアンケートに答えてくれた方、伝え忘れましたが、変更はいつでも可能ですので、変更したい場合はお気軽にどうぞ。

何かサブタイトルがしっくり来ないな……

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