インフィニット・ネクサス   作:憲彦

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今日から少し変わった感じになるかと思います。なんせ、今までウルトラマン関係の物はネクサスとメフィストの2つだけ。自分が不必要と思ったバトルは全てカット。怪獣や宇宙人の登場はなし。だった訳ですが、今回からは宇宙人が出てきます。

今日からのストーリーは、一夏が本当の自分を取り戻してから姿を消すまでの間に起こったことです。

『教えて!憲八先生!!』

今日の質問はorotidaさんからです。

「カプセル怪獣なんでも貰えるならなににします」

カプセル怪獣ですか。懐かしいですね~。セブンで初登場。その後のシリーズにも何度か登場し、メビウスではマケット怪獣と言う人類版のカプセル怪獣で新しく登場。ウルトラシリーズで結構使われてる設定ですね。うp主が貰えるなら、電子頭脳を持った機械生命体のウィンダムですかね。あ、ウィンダムはロボット怪獣ではありませんよ。

特に目立った活躍があると言う訳ではありませんが、デザイン的に好きなので。セブン以降のウルトラマンに登場したカプセル怪獣やマケット怪獣では、ゼットンですかね~。強いですし。寒い冬でも暖かそう。


現在

暗闇の中。わずかな光しか存在しないこの空間。周りに様々な巨大な岩の様な物が浮遊している事から、宇宙空間であることは想像に固くない。そんな空間を超スピードで移動する生物が居た。クワガタの様な頭部に巨大なハサミになっている両手。顔はセミにも見える。

 

その生物は、真っ直ぐと青い星。地球へと向かっている。飛んでいるスピードから観光と言う穏やかな物ではないことくらい分かる。地球が目にはいると、更にスピードを上げて、突入しようとしていた。だが、それを阻む存在が居た。

 

「シュワ!ヘヤァ!!」

 

銀色の巨人。一夏の変身するウルトラマンだ。一夏はその生物の行く手を阻むように立ち塞がった。生物は一夏が目に入ると、光線を放って退かそうとした。1、2発当たってしまったが、すぐに後ろに回り込んでしがみついた。

 

「ウワッ!」

 

背中にしがみついて、少しばかし進路を変えることは出来たが、生物は両方のハサミを後ろに向けて、一夏に再び光線を放って引き剥がした。

 

「デヤァ!」

 

相手を蹴り飛ばし、再び前に立ち塞がるが、それでもお構いなしに突っ込んできた。一夏が怯んだところに、両手から光線を撃ちトドメをさそうとした。が、一夏も何度もその攻撃を食らうわけではない。すぐにクロスレイ・シュトロームを放って光線を相殺した。

 

「ヘヤァ!」

 

脚を掴んで振り回し、地球とは逆の方向に投げ飛ばした。それを追うかのように、一夏も投げ飛ばした生物の方向へと飛んでいった。

 

その頃、地球では満月の見える夜だった。だが、突然大雨が降り、空には雷雲が出てきた。酷い雷で、部屋の電球などがチカチカと消えそうになったりしている。そんな空から、一夏と先程の生物が現れた。一夏は生物の背中にしがみつき、宇宙へと引き戻そうとするが、あまりのスピードにそれが出来なかった。

 

「ウワッ!」

 

さっき放たれたのとは別の光線を撃たれ、再び引き剥がされた。どうらや動きを止めることの出来る光線のようだ。動けなくなった一夏に再びその光線を撃つと、飛ぶことすら厳しくなったのか、フラフラとバランスを崩し落ちそうになった。

 

「ハァァ……デュア!!」

 

だが、エナジーコアが光り輝き、体にまとわりついていた電撃を打ち消した。もう一度光線を撃とうとしたのか、生物のハサミから光線が少し出ていたが、一夏が撃たれる前に突っ込んで、攻撃を阻止することが出来たが、まだ戦いは終わらない。互いに距離を取ると、生物は強力な破壊放線を放ち、一夏は再びクロスレイ・シュトロームを撃った。お互いに同等の威力はだったのだろう。中心でエネルギーが反発しあって膨張するだけだった。だが、お互いに引かず、距離を詰めて確実に倒そうとしている。その結果、両者爆発により吹っ飛ばされ、生物は炎に包まれながら森の中へ、一夏も変身が解けそうになりながらではあるが、IS学園の近くに落下した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『マスター。体の方は大丈夫ですか?』

 

「あぁ。少しダルさが残るが、特に問題はない」

 

この日、一夏は整備室に籠って何かを作っていた。臨海学校の時に一夏は溝呂木と同化して、光でも闇でもない本当の一夏になることが出来た。その影響だろうか、一夏には分離していた溝呂木の記憶もある。お陰で苦手な開発関係の事もこなせるようになったのだが……

 

「あの生物は一体……」

 

『昨晩マスターが交戦した宇宙人の事ですね?』

 

「そうだ。何か分かったか?」

 

『イエ。ですが、妙な電波を受信しました』

 

「電波?」

 

『はい。両方とも1420MHzですが、記号の構成が全く違います。恐らく、マスターと会話をしていたのかと思われます』

 

「話してた?何を?」

 

『現在解析中です。人類が受信したことのない電波ですので。会話をしていたと言う自覚は?』

 

「全くない。体が勝手にしてたみたいで、内容は全然覚えてない」

 

1420MHz。ETが使うに違いない波長の電波を探し出して、メッセージを受信しようと言う計画があった。その電波の周波数が水素原子の持つ1420MHzだと言われている。解析は不能では無いだろうが、全く見たことも聞いたこともない物であれば、時間がかかるのは当然だろう。白式がこの情報を持っていると言う事は、当然他の連中も掴んでいるだろう。特にIS委員会の連中は今頃解析に躍起になっているだろう。

 

『それよりも開発の方はどうですか?』

 

「一応完成には近付いてる」

 

一夏が作っているのは、ISの小型予備バッテリーだ。ISは物によるが、シールドエネルギーの消耗が激しいものが大半だ。白式も零落白夜を使ってしまえば、一気に大量のエネルギーを消費する。そもそもこれはIS全体の問題とも言える。それを改善するために、シールドエネルギーを充電出来る予備バッテリーを作っているのだ。

 

『ですが、それでも補えない可能性があります』

 

「そこが不安だ。これは完成すれば全体の約15%程度の回復は出来る。でも、それだけじゃあな……」

 

『戦闘に支障をきたす可能性がありますが、一部装甲の裏側に、太陽光パネルの様な光をエネルギーに変換できる物を作り、マスターの作っているバッテリーと併用出来れば、一応は解決されます』

 

「そんなこと……」

 

出来るのは1人しかいない。開発者である束だ。一応あの後からも連絡は取り合っている。頼むことは不可能ではない。

 

『事情を聞かれれば、私が誤魔化します。マスターの目的には気付かないかと……』

 

「なら頼んでみるか……」

 

束に電話をすると、エネルギー問題改善の為と伝えた。当然何故と聞かれたが、白式がうまくフォローに入ってくれて、深くは聞かれることは無かった。

 

「しかし……最近どうもおかしいな……」

 

『恐らく、元に戻った影響でしょう。光と闇の両方を持っているので、体にかかる負担が大きくなったのでしょう』

 

「だとしたら、何でこっちの方は変身出来ないんだろうか……」

 

現在、一夏は体への負担は大きくなったが、ネクサスの方には変身できる。だが、メフィストの方には変身できないのだ。ダークエボルバーを展開することは出来る。だが、変身が出来ないのだ。

 

『恐らく、溝呂木が溜め込んでいた闇が無くなったのだと思われます。こちらは完全に人間の手で作られた物ですからね』

 

白式の言葉からも分かるように、一夏のエボルトラスターは違うが、ダークエボルバーは完全に人間の作ったものだ。そうなると白式の言う仮説も納得が行く。

 

「白式。俺は後どれくらいの間変身できないんだ?」

 

『最低でも、あと48時間は休んでください』

 

「これだったら、前の方が良かったな……その方がまだ皆を守れる……」

 

『それはどうでしょうか?あのまま同化していなかったら、マスターは今頃消滅していたと思われます。そうなってしまえば守ることは不可能ですよ』

 

「そうだったな。悪かった」

 

ここで会話を一旦終らせ、再び作業へと戻っていった。




the fast contact とは少し入り方が違います。少しウルトラマンぽさを出すと言っても、いつもと変わらず一夏とその仲間、IS学園付近で起こる物語です。

次回もお楽しみに!感想と評価、活動報告もよろしくお願いします!!

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