インフィニット・ネクサス   作:憲彦

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この作品はもう少しで終わりますね。今思えば、必要以上にウルトラマンのバトルシーンが少なかったですね。ちょっとばかし反省しています笑

1週間ほど無気力な救世主を更新していましたので、こっちが止まっていました。申し訳ありません。これからは両方ともバランスよく投稿できるように勤めます。

『教えて!憲八先生!!』

今日の質問はorotidaさんからです。

「車乗るならなんにします。リアルとアニメ両方お答え下さい」

車か~。うp主余り車には興味が無いんですよね~。車好きの人には怒られるかも知れませんが。現実で乗るなら、燃費が良くて長く使えるものを、現実以外でしたら仮面ライダードライブの映画で出てきた、プロトトライドロンですかね。プロトドライブとプロトトライドロンの色合いとデザインが好きなんですよね~。黒と上品な紫。最高じゃないですか。


臨海学校

「ここが今日から3日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ」

 

「「「はーい」」」

 

IS学園は今日から2泊3日の臨海学校になる。この花月荘は、IS学園が長年お世話になっている旅館だ。毎年ここに泊まるようにしている。

 

「はい。こちらこそ。今年の1年生は元気があってよろしいですね」

 

歳は30代くらいだろう。しっかりとした大人の雰囲気を漂わせている。仕事柄、笑顔がたえないからなのか、その容姿は女将と言うには逆に若々しく見える。女将の挨拶の後に、全員それぞれの担任の指示に従って、自分の寝泊まりする部屋へと向かっていった。

 

「ん~……えっと?」

 

臨海学校のしおりを見ながら、一夏が首を傾げていた。自分の部屋割りが書いていないからだ。抜かれたとも思ったが、この学園の教師がそれをするとは思えない。だとしたら、単に忘れられたと言う可能性もある。だが、普通は何度も見直しをして、間違いが無いようにする。だから忘れたと言うのも考えにくい。

 

「あ!お姉~ちゃん!」

 

「一夏、ここでは織斑先生だぞ」

 

「人の事言えないでしょ……あ、それよりも僕の部屋は?しおりに書かれてないんだけど……」

 

「あぁ、済まん。連絡を忘れてた。こっちだ」

 

そう言って、千冬は一夏を連れて部屋へと案内した。つれていかれた部屋には、『教員部屋』と書かれたプラカードがぶら下がっている。

 

「えっと……ここ生徒の部屋じゃないよね?」

 

「まぁ、お前は男子生徒だし、消灯時間を無視してお前の部屋に遊びに来る生徒も居るだろうからな。その為の処置だ。2組の溝呂木も同じだぞ?」

 

「あ、そう言うこと」

 

「荷物を置いたら水着に着替えて海に行け。今日は自由時間だ。外で遊んでこい」

 

「ふぁ~い!」

 

いつも通りの間の抜けた返事をし、早速荷物を部屋に置いて水着に着替えた。学園から支給されたものではなく、中学の頃から使ってるハーフパンツタイプの物を持ってきた様だ。普通に履いている辺り、サイズは全く変わってないようだ。

 

「やっぱり小さいな」

 

「何見てんの!?」

 

「あぁイヤ、身長とかがな。成長が止まってるように見えてな。」

 

「失礼な!これでも身長は伸びてるよ!」

 

「悪かった悪かった。と言うかお前は浴室で着替えたと言うのに、私が何を見たと言うのだ?まぁ良い。このパーカーを着ていけ。日焼けは嫌だろ」

 

2ミリな。それを伸びてると言って良いのかは不安だ。確かに千冬の言うように、一夏の体は平均的な高校生よりも下回っている。身長だけではなく、体重や座高等、付いている筋肉の量も含めてだ。いずれ消滅する事は知らないとは言え、千冬は今の一夏の状態に付いてある程度の事を知っている。今日、改めて一夏を見て不安に思ったのだろう。

 

「ありがとうね~。じゃあ行ってくるよ」

 

「あぁ」

 

そう言うと、一夏は部屋を出て海へと向かっていった。今から遊べると思うと、自然と楽しくなるのか、足取りは弾んでる様に見える。だが、逆に部屋では対照的に千冬が溜め息を付いている。相当気にやんでいるようだ。

 

「はぁ……束なら何か分かるかも知れないが、連絡がとれないんじゃあな~……」

 

自分の携帯を見ながらそう呟いた。そしてそのタイミングで、何処かからか電話がかかってきた。しかし番号は非通知。普通の神経の人ならまず出ないが、千冬はどんな電話にも出るようにしている。その為、今回も出る。

 

「もしもし。どちら様ですか?」

 

『もしもし。ちーちゃん?私。分かる?』

 

「束か!?今まで何をやってたんだ!何度も電話をかけたんだぞ!!」

 

『ごめん。事情があって出られなかった。それよりも、今臨海学校だよね?』

 

「あぁ。そうだが?どうかしたのか?」

 

『なら良かった。明日そっちに行く。箒ちゃんの専用機も持っていくから準備しててね!あと、いっくん達について話すこともある』

 

「っ!?分かった……明日は朝から専用機持ちとその他生徒に別れて訓練を行う。その時に来てくれ」

 

『うん。分かった』

 

電話は束からだった。明日、妹である箒用の専用機と、一夏、溝呂木について話すことがあると言うことで、こっちに来るようだ。電話を切ると、一夏についての情報を得られると言うことで、少し表情が明るくなっている。その後、まとめるべき書類をまとめ、千冬も水着を持って部屋から出ていった。

 

その頃、2組の香華の泊まる部屋では

 

「お前は海に行かないのか?」

 

「俺は遊ぶ気にはなれん。お前は早く行ったらどうだ?どうせ仕事は無いんだろ」

 

「癪に障る言い方だが、その通りだな。じゃあ私は海にでも行ってくる。昼食は好きに取ってくれ」

 

香華は部屋を出て海へ。溝呂木は誰も居なくなると、部屋中のカーテンを閉めて日光が入らないようにした。

 

「思ったよりも早かったな……さっさとしないとな」

 

そう呟くと、溝呂木は眠りについた。

 

海では1年生全員が海で遊んでいた。どこもかしこもはしゃいでる声がする。一夏も久し振りに来た海を、鈴と一緒に楽しんでいた。他のメンバーはそれぞれ楽しんでいる。

 

「いや~。久し振りの海。やっぱり楽しいね~!」

 

「そうね。それにしても……」

 

「んあ?鈴ちゃんどうかしたの?」

 

「ん?やっぱり小さいな~と思って。私と変わんない位だもん」

 

「君もですかい。さっきお姉ちゃんにも言われたよ」

 

千冬にも言われたその一言を、今度は鈴に言われて苦笑いを浮かべている。大して気にはしていないが、やっぱり言われれば意識するようだ。余談だが、一夏がここに来るまでに、と言うかパーカーを脱いだ瞬間、あちこちから何かが噴射するような音がした。海の海水が少し赤くなっていたが、一夏は気にしなかった。

 

「あ、お姉ちゃんと山田先生が来た」

 

「室江先生も一緒だ。そう言えば、あの3人ってよく一緒にいるよね?」

 

「言われてみればそうだね。友達なのかな?」

 

両方とも男子生徒を持つクラス。何かと交流が多いのだろう。

 

「それにしても千冬さんスタイル良いわね~。それに比べ」

 

「ん?何?」

 

「弟のアンタはチンチクリンね」

 

「まだ言うの?もう良いでしょ?僕の体の事は」

 

「それもそうね。あ、ビーチバレーするみたい。私達も行く?」

 

「あ、面白そうだね~。ここは参加してみましょう!」

 

鈴の提案に一夏が乗り、海から出てビーチバレーに混ぜて貰った。チームは、集まった生徒VS千冬、香華、真耶と言う感じに別けられた。数だけで言えば生徒の方が圧倒的に有利。だが、

 

「んが!?ちょっと……お姉ちゃん、もっと優しくして……」

 

真耶は際どいボールも全て拾って、良い位置に上げるし、香華は適格なトス、それを千冬が全力で打つ。この3人を相手にするには一夏達では力不足の様だ。一夏は千冬のスパイクを間近で見ているので、目を回している。相当速いようだ。

 

「そんなに強くはしてないぞ?」

 

「じゅ、十分強いから……」

 

千冬達は引率の教師であるが、この機会に十分羽を伸ばすようだ。こんな試合を楽しみ、あっと言う間に自由時間が終わって、夕食の時間となった。

 

「じゃあお前ら、折角の料理を残すなよ~。お代わりは自由だから、いくらでも食え。残さなければ文句は言わん」

 

夕食を食べる前に、香華からの注意事項を聞き、生徒達はそれぞれの皿に盛られた料理を食べている。だが、2組に1つ空席がある。溝呂木の席だ。

 

「室江先生、溝呂木の分は?」

 

「あれ?来てないの?仕方無い。凰、食って良いぞ」

 

「はぁ……」

 

別に食べられないことは無いので、頂くことにした。溝呂木だが、部屋でまだ寝ている。体調でも優れないのだろうか。顔色は余り良くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「順調だ……実に順調だ。もう少しだ。もう少しで会えるぞ?私の息子よ……フフフ……フハハハハ!!」

 

場所は分からない。暗い部屋のなか、唯一の明かりはパソコンの画面のみ。その画面には、現在IS学園の1年生達が臨海学校の為に宿泊している旅館が映っている。男はそれを見ながら不敵に笑っている。

 

「あぁ……明日が待ち遠しいぞ……一夏……!」




ラウラ・ボーデヴィッヒ

ドイツ軍IS部隊の隊長。階級は少佐。生命倫理クソもない実験から産み出された試験管ベビー。ISが軍に導入される前までは軍内最強の部隊だったが、ISが導入され、その時の適合手術に失敗。出来損ないの烙印を押されるが、千冬の指導によって、再び最強の座へと戻る。IS適性Aを持っているのに出来損ないとはどう言う事だろうか……?

この学園にはドイツ軍上層部の命令で転入。ダッグトーナメントで違法システムVTを発動。だが、溝呂木のお陰で大事には至らなかった。

次回もお楽しみに!感想と評価、活動報告もよろしくお願いします!!

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