『教えて!憲八先生!!』
今日の質問は、鉄血のブリュンヒルデさんからの質問です。
「なんとかわかりますが、一番好きなバグスターは?」
あらら予想されちゃってた?はいそうです。皆さんの予想した通り、うp主の好きなバグスターはバガモンです。……嘘です。バガモンも好きですが、ドラゴナイトハンターZの竜戦士、グラファイトです。最後の最期まで自分の道を進む姿。戦士としての潔さ。死に様。その全てが格好良かったバグスターですね。
シャルロットの件が解決した日の放課後。シャルロットは1組の一夏と箒、オルコット、2組の鈴と一緒にアリーナに来て訓練をしていた。溝呂木は、屋上で眠っている訳ではなく、一夏達と同じアリーナの上空で打鉄に乗って浮かんでいた。特に何もせずにだ。
「今日は射撃の訓練をしようと思ったんだけど……箒ちゃんって射撃出来たっけ?鈴ちゃんは射撃と言うより砲撃だよね?セシリアちゃんは射撃に近いけど、狙撃だよね?一撃必殺が売りの狙撃だよね?で何でこの中で1番射撃できるシャルロットちゃんはIS展開してないの?」
「一夏、射撃も大切だがお前の機体は接近戦が主体だろ?それなら私も手伝えるだろ?」
「いや、今日は射撃だって」
「私はほら!射撃と砲撃って似てるでしょ!」
「全然似てないね。色々と大分違うよね」
「わたくしはアレですよ。同じ銃を使いますから、参考になるかと思いますよ?」
「まぁ狙い撃つと言う点では参考にはなると思うけど、セシリアちゃんのってレーザー飛ばすヤツだよね?実弾とは勝手が違うと思うんだけど……」
各々ここにいる理由を言っているが、一夏はそれの一つ一つに的確にツッコミを入れている。確かに、全て一夏の言う通りだ。そしてシャルロットは何故ISを展開していないのかと言うと、
「僕の専用機は、所有権がフランスからIS学園に移動したから、その手続きが完了するまでは非常事態を除く全ての状況での展開が禁止されてるんだ。そろそろ完了すると思うけど……」
意外とこの手続きが面倒なのだ。サッと行ってパッと終わるのではなく、関係各所に書類を通してISの登録国の移動を委員会へ申請。この作業が難航しているのだ。フランス関係者の委員会。と言えば理由は予想できるだろう。
「はぁ……まぁ銃はさっきラファールのを借りてきたけど……」
ハンドガンとサブマシンガン、アサルトライフルは学園の訓練機であるラファールの物を借りてきている。ロックは全て解除済み。真耶に頼んだら快くやってくれた。
『マスター。私がお教え致しましょうか?』
「うん。そうだね……みんながあの状況じゃあ、教えては貰えそうに無いからね……」
何か、箒と鈴、オルコットの3人がよく分からん喧嘩を始めたのだ。その結果、3人は勝手に模擬戦に入ってしまっている。仕方無いと思い、白式に教えてもらいながらシャルロットから補足の説明を受けている。
『その撃ち方では衝撃を逃がしきれません。もう少し肘の力を抜いてください』
「こんな感じかな?」
「じゃあ的出すよ~!」
シャルロットの合図で、いくつか的が空中に投げ出された。初心者にいきなり動く的はハードルが高い気もするが、それでも何とかに当てられている。8枚中3枚。
『やはり、動く的はハードルが高かった様ですね』
「やっぱり?じゃあ動かないのに変更してくるね」
そう言うと、シャルロットは的の設定を変更してきて、一夏は銃に新しいマガジンを入れている。的を出し、いざ撃とうとしたが、自分達の後ろが急に騒がしくなった。そこには、ドイツの第3世代型のISをまとったラウラ・ボーデヴィッヒが居たからだ。今彼女がまとっている機体、シュヴァルツェア・レーゲンはドイツでもトライアル段階らしいのだが、恐らく騒がしくなっていたのはこれが原因だろう。
「織斑一夏、貴様も専用機持ちの様だな。ならば話は早い。私とここで戦え」
「んあ?今?射撃の練習してるからまた今度じゃダメ?」
「お前……ふざけているのか?」
「ふざけてないよ。今はこっちをやってるから、今度に出来ないかなって話だよ。それに、僕には戦えない理由はあるけど、戦う理由は無いからね」
「そうか……なら!無理矢理にでも!」
そう言うと、肩に付いている巨大カノンを一夏に向けて発射した。すると、白式がとっさの判断で雪片を展開して砲弾を真っ二つに斬った。
『今の攻撃、下手をすれば私の破損だけでは済みませんでしたよ。ラウラ・ボーデヴィッヒさん。人を守るべき軍に所属する貴女が、そんなことで良いのですか?』
「機械に説教されるつもりはない。破損では済まない?ISには絶対防御がある。怪我はしても死にはしない。間違ってるか?」
『はい。絶対防御は完璧ではありません。完全に操縦者を守るのは不可能です。状況によってですが、生きていても大きな後遺症が残る場合もあります。ISを学ぶときに最初に習うことですが?』
「ふん。軍人にはそんなこと関係ない。生きていればまた戦うために戦場に出る。敵であれば殺す。それだけだ。お前には戦う意思はあるようだな。私と戦うか?」
『……マスター。私の勝手をお許し下さい。ですが、ここは退けません。どうか私の我が儘を聞いて頂けないでしょうか?』
「分かった。今日は君に従うよ」
そう言うと、一夏はラウラと距離を取り、雪片を構えていつでも攻撃できる体勢を取った。シャルロットの合図で一気に距離を詰める。それに合わせてラウラも攻撃を体勢を取る。しかし、
『ッ!マスター!停まってください!!』
「ッ!?」
試合が始まり、2人が衝突しようとしたとき、空から打鉄の刀がとんでもないスピードで飛んできた。そして2人の目の前の地面に突き刺さり、場が静かになった。
「ギャアァギャアァやかましいんだよ。発情期か?お前ら」
「溝呂木信也……邪魔をするとは良い度胸だな。無事で済むと思うなよ」
「お前ごときに何が出来る?戦うために生まれた存在でありながら、落ちこぼれとまで言われたお前が、この俺に勝てるとでも?」
「ッ!?そうか……なら!試してみろ!!」
肩に付いている巨大カノンを溝呂木に向けて、間を置かずに撃った。辺りに土煙が巻き起こり、誰もがやられたと思った。ラウラも倒したと思ってニヤけている。だが、その顔が崩れることになった。
「ほらな。当てることすら出来なかっただろ」
「な!何で!?確かに捉えたはずだぞ!!」
「あんな砲弾。避けるのは簡単なんだよ。撃つなら外さないように回避する先も読んでおくんだな。あと……」
地面に突き刺さってる刀を抜いて、鞘に納めた。それを見て、攻撃が来ることを予想していたラウラは首を傾げている。
「?……ウワァ!?」
「攻撃にはいつでも対処できるように構えておけ。例え見えない攻撃でもな」
地面から引き抜いた時に攻撃していたようだ。それが時間差で襲ってきたのだ。そしてISを掴んで立たせ、一夏の居る方に投げ飛ばした。
「小兎が調子に乗るな」
それを言うと、アリーナから出ていった。借りてた打鉄をもとの場所に戻すと、急いで自分の部屋に向かった。鍵を開けて中に入り、ベットに横になると大笑いをした。
「ハッハッハッハッハッハッハッハ!!成る程な!あの試験管ベビーがここに来た理由はこれか!ハッハッハ!ならそろそろだ!お前の闇……全部俺が貰ってやる。あぁ~待ち遠しいぜ……」
レーゲンに触れたとき、ラウラの、正確にはドイツ軍の狙いが分かったのだろう。そして、溝呂木はそれを待っている。
なんだろう……最近ISの設定をドンドン殺してるような気がするな……そして光一夏の喋り方を素で間違えそうになるとは……
次回もお楽しみに!感想と評価、『教えて!憲八先生!!』の活動報告もよろしくお願いします!!