ゼロの使い魔×ジョジョ・短編集   作:海棠

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個人的に「心を許す」と「信頼している」は違うと思います。言葉には言い表せませんがなんか違うんです。そんな気がするんです。













どう猛な使い魔2

 

突然だが、彼・・・彼?ことパープル・ヘイズの朝は早い。

 

朝早くに起きて*1洗濯籠を洗い場に持っていく。これは初日、というか2日目に教えられたことでもある。最初は自身が覚えている射程距離より離れられることに驚いていたが今となっては慣れたものである。

 

 

「あ、使い魔さん!」

そこでメイドのシエスタと合流する。彼女とはこの世界にやってきた次の日からの縁であり、パープル・ヘイズにとっては主人以外に信頼している数少ない相手でもあった

そして洗濯場で洗いものをする。彼はどう猛で野性的であったが意外にもきれい好きであった。自分のつばを気にするほどである。彼は器用なことに絶妙な力加減で洗っていく。最初のころは何枚も破ってルイズやシエスタにしかられたものだが数日あればなんとかなるものである。意外と何とかなるものである。

そして洗濯物をすべて干し終わるとシエスタとともに食堂に向かう。

 

「おぉ、来たか! 使い魔さんよぉ!」

するとコック長であるマルトーが声をかけてきた。パープル・ヘイズは返事としてお辞儀をする。彼も最初はパープル・ヘイズのことを怪しげに見ていたが今は自分の仲間のように扱っている。パープル・ヘイズが心を許している数少ない人間である。

パープル・ヘイズは皿洗いを手伝い始めた。最初は力加減を間違えてよく割ってしまっていたが今は割らずに洗えるようになった。

そして皿を洗い終わると今度は教室に向かう。主であるルイズのところへ向かったのだ。パープル・ヘイズが扉をガラガラと開けた瞬間、怒号が響いた。

 

 

「くたばれクソガキャァア―――――――!!! 二度と減らず口叩けない体にしてやるぞゴラァ―――――!!!」

 

 

どうやらルイズが我慢の限界を超えて同級生を椅子にたたきつけたみたいだ。周りの人間が少し遠巻きで見物している。パープル・ヘイズはほかの使い魔に紛れ込んだ。かかわらない方がいいと判断したみたいだ。

そしてルイズは散々殴って気分が落ち着いたのかそのまま席に座った。パープルヘイズは周りの使い魔と世間話していた。どうやら使い魔同士通じることもあるみたいだ。

 

そして午前中の授業が終わって昼食が始まり、パープルヘイズが色々手伝いをしているとき、奴は現れた。

 

「決闘だ!!」

奴は彼?を指さして言った。それに対して彼はその場で首筋にチョップを軽くたたきこんだ。チョップだったらカプセルも割れにくいからだ。(・・・割れないとは言っていないが)

 

パタッ

悲鳴を上げる暇もなくギーシュは意識を刈り取られた。パープルヘイズはそれを見るとさっさとその場を退散した。触らぬ神に祟りなしである。おまけに今回悪いのは決闘を吹っ掛けようとした彼のほうである。特にとがめられることはないはずだ・・・多分。

 

それを見たルイズは夜、パープルヘイズをよしよししたという。その時の彼はどことなくにっこりしているように見えたそうだ。

*1
・・・"起きる"という表現は厳密にいえば正しくないが


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