ゼロの使い魔×ジョジョ・短編集   作:海棠

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『どう猛』、それは・・・『爆発するかのように襲い…、そして消える時は嵐のように立ち去る』



ジョジョの奇妙な冒険Part5「黄金の風」より「パープル・ヘイズ」







獰猛な使い魔
どう猛な使い魔


私の友人ことルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの使い魔は『個性的』である。

 

・・・その前に自己紹介よね。私の名前はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。彼女のヴァリエール家とは因縁の中よ。私個人としてはどうでもいいけど。

 

そして彼女、ルイズ自身について話さなければいけないと思うの。

彼女ことルイズは頭はいいし、容姿は淡麗、可愛らしいピンク色の髪、つつましやかな胸。どこをとっても非の打ち所がないわ。あるとしたら魔法が使えないこと。そして・・・

 

「このクサレデブがァ――――ッ!!!」ドグシャアッ!!!

 

・・・プッツンすると口が悪くなって人をぼこぼこにするところかしら。

私が叫び声が上がった方に視線を向けるとそこにはマリコリヌの髪をひっつかんで怒りの形相を浮かべながら彼の顔面を机の上にガンガンとたたきつけているルイズの姿が!!

・・・再度いうけど普段のルイズは魔法は使えないけどすごく頭がよくて常に努力を欠かさない可愛い女の子なのよ。

ただ、一度プッツンすると相手をぼこぼこにするまで収まらない上に途中で止めようとしたらそっちの方に矛先を向けちゃうのよ。たとえそれが先生だろうと容赦しないわ。

しかもこれのタチの悪いところは相手を一度殴るまでしつこく追いかけること。多くの人が彼女にぼこぼこにされたわ。そしてマリコリヌはルイズを昼休み前の授業で相当バカにしたからその報いを受けてるのよね。・・・ちなみに私はその第1号よ。

あの時はすごかったわよ・・・。私が覚えてる部分だけ抜粋すると・・・

 

「この(さか)りのついたクサレ牛女がぁあああああああああ!!!!!! 私をなめてんのかぁあああああああああああ!!!!!」

 

「その無駄にでかい乳をひんむいでランプの明かりにしてやらぁあああああ!!!!!」

 

「二度とSEXできない体にしてやるぞごらぁ――――――――――!!!」

 

・・・うん、思い出したくないわね。すると今度はまた別の方から声が上がった。

その方を見るとなぜか頭からワインをかぶっているギーシュとガタガタ震えているメイドの姿が。

偶に漏れる会話から推測するに自分が落とした香水で二股がばれてしまい、その責任をメイドに押し付けようとしているみたいだ。

私といつの間にかそばにいるタバサが呆れて止めに入ろうと動いたその時、

 

「うじゅるるるるるるるるる…」

 

来訪者は現れた。私とタバサ、そして一部の人が食堂の入口の方に顔や目を向ける。

その姿は全身のほとんどが紫と白のチェック柄で、よだれをたらしている口と体の所々につぎはぎがある。目は鋭く見開かれており、頭には変わった兜のようなものをかぶっている。更にいつも凶悪そうな表情をしている。よく「うじゅるるるるるる」とかうなっている。

そんな亜人こそがルイズの使い魔だった。使い魔はあたりをきょろきょろと見まわし始めている。そしてギーシュにおびえているメイドを見つけると歩いて行った。それと同時に騒ぎに気付いたルイズもギーシュの方に歩いていく。彼女のいた場所にはぐったりしているマリコリヌがいた。かわいそうに、誰にも気づいてもらえない運命なのね・・・。

 

「どうしたのよ、この人だかり。・・・ギーシュ、あんたなんでワインまみれなのよ? 拭かないと風邪ひくわよ?」

「あぁ、聞いておくれルイズ。この子は僕の顔に泥を塗ったんだ」

「? あんたが顔にかぶってるのはワインじゃない」

「違う、そうじゃない。そうじゃないんだ」

「あぁ、わかってるわよ。で、そこのメイドさん」

「は、はい・・・」

「いったい何があったのかしら?」

「わ、私はただ…ミスタ・グラモンが香水を落としになったのでそれを拾ってグラモン様にお届けしようと……」

「やれやれ、低脳な平民はコレだから困る…。いいかい? よく聞け。僕はあの時、コレは僕のじゃない、と言ったんだぞ。君はその時点で場の流れを察し、その香水を手に早々に去るべきだったんだ」

するとルイズは「こいつ、頭おかしいのか?」みたいな表情をしてギーシュを見た。使い魔も頭に指を置いて首をかしげていた。

 

「いや・・・、どう考えてもあなたの自業自得じゃない。落とす方が悪いのよ」

「いやいや、ルイズ。この子は二人の女の子の名誉を傷つけたんだぞ? それ相応の報いをするのが礼儀ってものだろう」

「だったら今からあ・な・たが二人に謝りに行きなさいよ。どうせ色欲にまみれたあなたのことよ。二股とかしてたんでしょう? それを察しろという方が頭悪いわよ。違うかしら?」

するとギーシュは言葉がつまり、周りからおぉ、と声が上がった。

 

「いいぞルイズー!」

「さすがルイズ、俺たちに言えないことを平然とずかずか言っていくッ! そこにしびれる憧れるぅ!!」

なぜルイズに応援の声が上がるかというと、先輩でも先生でもむかつく奴はキレて殴り飛ばすため周りからは見ててすっきりするとおおむね好評だからなのよ。

 

「ふ、ふん・・・。やはりゼロのルイズに理解しろという方が難しいか。下がりたまえ」

するとルイズはスッ・・・と机の上にあるフォークに手を伸ばした。全員がさっと顔を青くした。実を言うとルイズは切れて暴れた後の10分くらいは非常に気が立っており、普段なら切れるほどのことでもない言葉にも切れてしまうのだ。そして今、ルイズは切れていた。次の瞬間、

 

グサァアッ!!!

 

彼の頬にフォークが突き刺さった。やったのは意外にもルイズではなかった。かといってもちろん泣いているメイドでもない。やったのは

 

「うじゅるるるるるる・・・」

 

ルイズの使い魔だった。

 

「ギャ―――――――――ッ?!!!!」

ギーシュは思わずうずくまってしまう。しかし使い魔はつま先で彼の顔を蹴り上げて無理やり顔を起こさせると顔面に膝蹴りをくらわした。その姿は『悪魔』そのものだった。

 

この時、パープル・ヘイズは怒っていた。自分には難しいことなんてわからない。寿命で死んだフーゴの下を離れていつの間にかここにいて少女(ルイズ)の『使い魔』になっていた。事情なんて分からない。だがッ!! こんな自分でも『善』『悪』は分かるッ!! 『善』はルイズで、『悪』は目の前のクソッタレ野郎!! さらに彼(?)はこんなことも思っていた。

「こんなやつに自分のウイルスを使うまでもない。ただただ叩きのめして地獄に送ってやるッ!!!」と。

 

何回か机にガンガンとギーシュの顔をたたきつける。すると彼の顔を自分の目線まで持ち上げる。

 

うばっしゃああああああああああああ(地獄に落ちろこのド低能がァーーーッ)!!!!!」

そして叫びながら彼を投げつけるように机にたたきつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにルイズは使い魔に毒気を抜かれたのかすごく落ち着いていた。

 

ギーシュとマリコリヌは保健室に運ばれた。

 

使い魔は膝蹴りの時についた血を必死に机のクロスで拭っていた。





ここではフーゴは寿命で亡くなってしまったという設定にします。

そして残されたパープルヘイズが召喚されました。



※一部不適切な表現がありました。
 「ド低能」→「クサレ脳みそ」

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