チノが動かないため、ラビット・ハウスは注文が集中し、ピンチを迎えます。
その時、リゼ父まで出たのに今まで登場しなかった、あのごちうさ重要メンバー2人がラビット・ハウスに来て、お手伝いで大活躍します。
千夜も、一曲だけですが、ジャズを歌います。
それではお楽しみいただけると幸いです。
シャロ(チョコのギターと、萌夏ちゃんの声に誘われて、お客さんが増えたラビット・ハウス。順調にミニミニライブが進んでます)。
チノ「……(お父さんのサックスと萌夏さんの歌で、お父さんと萌夏さんが嬉しそうに会話してるみたいに聴こえます。その合間にチョコさんのギターや、リゼさんのお父さんのベースが楽しそうにソロで入ってお話して来ます…)」
チノ(私もその会話に参加したいです…。でもその
※一方、厨房では…
リゼ(注文が多すぎて手に負えないぞ。飲み物をチノが作れれば回るのに、チノの分まで私がやってるから…)
ココア「リゼちゃん、パスタの注文がまた4人分入ったよ…。コーヒーもオリジナルブレンドも4つ追加ね…」
千夜「パスタは私が作るわ。リゼちゃんは飲み物お願い」
リゼ「わかった。悪いな千夜」
千夜「シャロちゃん、3番と7番テーブル、注文をお願い…」
シャロ「了解、千夜。でも、圧倒的に戦力不足ね…私も居られる時間が限られるし…」
カランカラン
マヤ「おーす、チノ」
メグ「こんにちは〜」
シャロ「マメちゃん、いいところへ来たわ」
マヤ「シャロじゃん。どうしたの?」
メグ「チノちゃん、ぼーっとして動いてないね…」
リゼ「マメには申し訳ないが、この通りのお客の入りだ。助けてくれないか…」
マヤ「クリスマスでもないのにスゲーじゃん」
メグ「あれ、ココアちゃんがギター弾いてる」
ココア「カクカクシカジカ…で、ギターのあの娘はチョコちゃんて言うの。私じゃないよ…」
メグ「あれあれあれ〜 ココアちゃんが二人〜」
マヤ「ココアとチョコって、区別つかないよな…。同じにしか見えないよ…」
メグ「ほんとね〜」
千夜「マメちゃん、お手伝いお願いして、大丈夫?」
マヤ・メグ「妹達にまかせなさ〜い」ビシッ
リゼ「本当はお客で来たのに、スマンな…(マヤ・メグのラビット・ハウスの制服、こんな時のために作っておかないとな…)」
ココア「メグちゃん、マヤちゃん、ありがとう」
ココア(今日は普通のエプロンの千夜ちゃんとシャロちゃんも、ラビット・ハウスの制服を着てほしいな)
ココア(そうだ、後でチノちゃんのお母さん作の、緑と黄色のつくりかけの制服を、仕上げちゃおう…)
千夜・シャロ「本当に悪いわね…」
マヤ・メグ「お安い御用だよ(です〜)」
シャロ「じゃ、メグちゃん悪いけど、このキリマンジャロを2番テーブルにお願い」
メグ「了解です〜」
シャロ「マヤちゃんは、6番テーブルのお客の注文聞いてきて…」
マヤ「がってん承知!」
シャロ「まったく、お酒の注文まで入っちゃって… ま、ライブだから終わり頃になれば注文もなくなるわ…」
※しばらくして
ココア「シャロちゃん、本当に注文が無くなってきてる。良く知ってるね〜」
リゼ「確かにお客は演奏に集中するからな。そのかわりライブが終わらないとみんな帰らないが…今、立ち見が何人も出てるぞ」
シャロ「悪いけど、私、今行ってる別のバイトに戻らなきゃならないから、これで失礼するわ。あとはマメたちに任せるわ…」
千夜「シャロちゃん、ありがとう。短い時間だけど、一緒に仕事が出来て良かったわ…」グス
千夜(甘兎庵でもシャロちゃんと一緒に…)
シャロ「私も嬉しかったわ。千夜…」
リゼ「シャロ、助かった。ありがとう」
ココア「助かったよ。シャロちゃん」
シャロ「どういたしまして。いま演奏中のチョコや萌夏ちゃんたちにもよろしく伝えて…」
ココア「うん。気をつけてね…」
リゼ「わかった。またな、シャロ…」
シャロ「リゼ先輩、お願いします。千夜、ココア、またね…」
※シャロはラビット・ハウスから、午前中に仕事をしていたアルバイト先に戻った。
―ライブは順調に進み、最後の曲も終わる。が、盛大なアンコール―
萌夏「それでは、もちもちバンド+2 アンコール曲、『ルート
【注:『ルート66』→吹奏楽系の編曲など、ジャズファン以外でも知られている、軽快な曲。アメリカのシカゴから、サンタモニカまで東西に横切る国道をアグレッシブに運転するように、途中通過する都市名を歌詞に織り交ぜ、明るく歌う曲です。アップテンポであることが多いです】
会場「イェーイ」
ココア「みんな手拍子してる」
千夜「楽しい〜」
リゼ「なんか熱気が凄い…」
*『ルート66』演奏も終わり、最後は大喝采。
萌夏「それでは、もちもちバンド+2、最後にもう一度メンバーを紹介します。テナーサックスとベース、香風タカヒロ」
パチパチパチ…(会場拍手)
萌夏「ギター、チョコこと相須千代子、ベース、天々座(注:名前原作未設定)さん!」
パチパチパチ…(会場拍手)
萌夏「最後に、ヴォーカルは相須萌夏でした!」
パチパチパチ…(会場拍手)
萌夏「今日はどうもありがとうございました」一同ペコリ
パチパチパチ…(会場大拍手)
*(お客が帰り始めた)ザワザワ
リゼ「会計に列が出来てる…ココア、悪いが一緒に頼む」
ココア「イエス・サー リゼちゃん。得意分野だから任せて…メグちゃんも手伝ってね」
メグ「は〜い]
千夜「リゼちゃんとココアちゃん、メグちゃんは会計に行ったわ…」
マヤ「すげー、3列にお客が並んで会計やってる」
タカヒロ「やあ、君たち、今日はありがとう」
千夜「タカヒロさん、素晴らしいライブでした…」
タカヒロ「私は、バータイムの準備があるから、厨房へ行くよ。もし注文があったら作るから伝えて欲しい」
千夜「わかりました。」
マヤ「お〜い、チノ、なんでさっきからそこに座ったまま、ぽーっとしてるんだ?」
チノ「えっ はっ あ、マヤさん、こんにちは」アセアセ
ティッピー(ようやっと、正気に戻ったか…)
マヤ「『こんにちは』じゃねー。私達、ずっと手伝ってたの知らないの?」
チノ「随分会計にお客がいますね…こんなに混むの、初めてです…」
マヤ「私とメグが来る前から、チノはずっとそこにいたのに、どうしたんだよ…」
千夜「そうよ、どうしたの?」
チノ「あ…あの、歌が素晴らしかったので、感動でぽへーっと…」
マヤ「そうならいいんだけど、チノずいぶん浮かない顔してたよ?」
ティッピー(感動とは違うような気がするのじゃが…)
千夜「体調がどこか良くないの? チノちゃん」
チノ「ごめんなさい、マヤさん、千夜さん。悪いのは私です…」
ティッピー(チノ……)
*その時、チョコと萌夏が、ステージから戻ってきた
チョコ「ふう、終わった…」
萌夏「もう、声が出ないよ〜」
千夜「チョコちゃん、萌夏ちゃん、お疲れ様」
チョコ「あれ、初対面の娘がいるね〜」
マヤ(チョコって本当にココアそっくりだな…)
マヤ「初めまして。私はマヤだよ あっちでリゼとココアと一緒に会計してるのが、メグ」
千夜「こちらが
チョコ・萌夏「マヤちゃん、初めまして〜」
マヤ「よろしくね。ここに居るチノと、私、あっちのメグで、『チマメ隊』ってよばれているんだ〜」
萌夏「へえ〜」
チョコ「仲がいいんだ」
千夜「ところで、チョコちゃん、萌夏ちゃん、お二人共凄いわね。」
マヤ「聞き惚れちゃったよ」
チノ「感動して、魂が耳から抜けてしまいました」
ティッピー(素晴らしい歌じゃの〜)
萌夏「ありがとう」
マヤ「チョコは歌わないの?」
チョコ「私は音痴でダメなんだよ… こんな感じになっちゃう」
ギタージャカジャカ
チョコ「♪♯ごはんができたよ〜〜♭ ♯食〜べないなら食べちゃうよ♭〜√」ホゲエエ
萌夏「(チョコ)お姉ちゃん、やめて〜」
マヤ「止めてくれ〜耳から魂が出る〜(これは酷い)」
チノ(ココアさんもこんな感じだったような…)
千夜「ブラボー、ココアちゃんと同じだわ。耳から魂出ちゃった」パチパチ
ティッピー(千夜よ、褒めたらまずいじゃろ。
チノ(おじいちゃんは、
萌夏「(チョコ)お姉ちゃんは、歌うか弾くかどっちかに集中すれば、とってもいいんだけど」
チョコ「歌は萌夏には絶対敵わないし、私は萌夏の歌の伴奏してたほうが、ずっと気持ちいいよ…」
萌夏「私もお姉ちゃんの伴奏が、一番歌ってて気持ちいいもん!」
千夜「ほほえま〜」
お客「あの…」
マヤ「(帰らないで残ってるお客さんだ…)はい、なんでしょう」
お客「もう、終わりですか…あとから入ってきたもので…もう一曲聴かせてくれませんか…」
チノ「申し訳ありませんが、ライブは終わりです…」
お客「えーっ もっと聴きたいな〜」
チョコ「ごめんなさい。萌夏はもう限界で、勘弁して下さい」
萌夏「お客さん、ごめんなさい」
お客「じゃ、萌夏さんじゃなくて、だれか歌ってくれませんか…」
チノ(う〜ん、私とチョコさんは音痴でダメ…)
お客「お願いします。一曲だけでいいので」
マヤ「私も上手くないのでごめん」
千夜「私が、ひとつだけ知ってるの、歌っていいですか?」
チノ「千夜さん…」
千夜「曲は、『女一人音頭』…じゃなかった、これよ。チョコちゃん、悪いけど伴奏お願い」
チョコ「キー(調)は
千夜「速さはこんな感じで、イッツ・ベリー・クリアー…から歌うわ」
チョコ「
【注:フォービート…ジャズ系リズムの一種。『ときめきポポロン』の「ハートもふ〜も〜ふ」付近をすこし遅くすると、これに近いリズムになります】
【注:ヴァース…歌の導入部。ジャズ系の歌で、主題部の前で歌われる歌詞。千夜のように省略することも多い。】
【注:コーラス…主題部分のこと。今回は導入部分を省略して、主題部分(It's very clear〜)から歌うことを意味しています】
千夜「それでは、今ここにいるみんなの為に、あと今ここにいないシャロちゃんの為に…」
千夜「私たちの愛はずっとここに…
♪〜
チノ(チョコさんのギターが静かにイントロを弾きはじめました。千夜さんの歌って演歌ってイメージなのですが…)
千夜「♪〜It's very clear…
(千夜はシャロを思って歌ってます。千夜的解釈です…)
『とてもハッキリしてるわ。
私達の愛がここにあって、ずっと変わらないこと。
1年じゃないわ。永遠とプラス1日よ。
ラジオ、電話、映画のような、
私達が今知っているこれらのモノも、
通り過ぎる幻想で、何時かどっか行っちゃって、
無くなっちゃうかもしれないわ。
でも、あのね、私達の愛はここにあって、永遠に変わらないの。
私達、ずっとずっと一緒よ。
ロッキー山脈も、(堅牢で知れる)ジブラルタル砦も、
いつかは崩れちゃうかもしれない。
だって、ただの土で出来ているんだもん。
でもね、私達の愛はここにあって、永遠に変わらないの。』
(シャロちゃん…)
Our love is here to stay〜♪」
ティッピー(ガーシュインじゃの…萌夏とは違う、やさしさと癒やしじゃな…)
萌夏(癒やされる…友達を思う心情が伝わってくる…)
チノ(千夜さんは演歌だけでなく、こういうのも歌えるんですね…)
マヤ(千夜すげー、普通にジャズ歌ってる。演歌の歌い方じゃない…)
〜♪*歌終わり…
お客&一同 パチパチパチ…
お客「素晴らしい…」
千夜「皆、ありがとう(シャロちゃん思い出しちゃった…)」グスッ
リゼ「千夜、凄いじゃないか」
ココア「心こもってる。感動だよ」
メグ「千夜さん、歌上手〜」
千夜「リゼちゃん、ココアちゃん、メグちゃん、いつの間に…」
リゼ「会計が一段落したからな…」
チノ「もう一曲お願いできませんか、千夜さん」
ココア・チョコ「アンコール」
マヤ「千夜、他にも出来るんだろ?」
千夜「ごめんなさい、私はジャズはこの一曲しか知らないの…」
千夜(シャロちゃんと喧嘩したり、疎遠になりかけると、この曲を聴いたり歌ったりして、我が身を振り返るのよ…)
萌夏「(千夜さんに負けられない…)最後に私が一曲歌わせてもらいませんか。」
お客&一同 パチパチパチ(是非聴きたい)
萌夏「本当に今日はありがとうございました。では、
【注:『Stardust』(スターダスト)→古い世代では、シャボン玉ホリデーという番組のエンディングテーマとして、有名。最後にギターソロがあります。通常、ゆっくりしたテンポで、バラードとして歌われる。ライブの最後を飾ることも多いです。】
チョコ「お客さまも、みなさまも、私、感謝してます。こんなに良くしてくれて、とっても嬉しいです…」
ティッピー(最後にふさわしい、スローナンバーじゃの…)
リゼ(スターダストというスローな曲で、ライブは〆となり完全終了した…)
リゼ(親父は最初言ってた通り、いつのまにか店からドロンと消えていた…)
リゼ(心配なのはチノだ。どうしたんだろう…)
マヤ・メグがやっと登場しました。危機を救ってくれるので、頼もしい限りです。
千夜の「女一人音頭」ですが、アニメオリジナルで、1部第12羽の、千夜がマイクを持って古いカラオケ装置が出てくる場面で、ブラウン管に曲名が表示されています。(原作は無表示)なので、演歌の得意曲ということにしました。
あと、私たちの愛はずっとここに『Our Love Is Here To Stay』の原詞「Together we're going a long, long way」の部分は、千夜の「私達、ずっと一緒」とシャロに語っている意味と全く同じなので、千夜のセリフを生かしました。
次回は、萌夏とチノがからみます。
この拙いssをお読みいただき、ありがとうございました。