ここでも、チョコはがんばります。
では、お楽しみいただけると幸いです。
――――ラビット・ハウス1日目(午後)――――
リゼ「悪いな、チョコさん、ココアの代わりに入ってもらって」
リゼ「チノのココアシックがひどくて、人手が足りなかったんだ。今日午後と、明日の午前中、よろしくな」
ティッピー(午前中も、チノがぼ〜っとしてワシに熱湯を注ごうとして、危うく殺されるところじゃった……)
チョコ「リゼさん、チノちゃん、ティッピー、よろしくお願いします」
リゼ「なんかココアが敬語で話しているみたいだな・・」
チノ「チョコさんのその桜の髪飾り、ココアさんと同じものですね」
チョコ「これ、母にもらったんです。小さい頃・・」
リゼ「制服はココアのを着てるし、見た目じゃココアと全く区別がつかないな」
チノ「それでは、チョコさん、リゼさんと一緒に入ってください」
チョコ「わかりました」
リゼ「早く一人前になるように、鍛えるからな!」
チョコ「はい!」
リゼ「上官への返答は、言葉のうしろに「サー」をつけろ!」
チョコ「イエス・サー」ビシッ
リゼ「よろしい」
・・・・・・・・・・
チョコ「ちょっと、チノちゃん・・・」
チノ「なんですか、チョコさん」
チョコ「リゼさんって、女性の格好をしているけど、実は男性なの?」ボソ
チノ「はい? どうしてですか」ボソ
チョコ「イエス・サーの『サー』をつけるのは男性の上官だけだから、リゼさんは男性?。女性の上官だったら、『マム』じゃないと変なんですよね」
チノ「えっ そうなんですか・・・(知らなかった)」
ティッピー「確かに、チョコの言うとおり、リゼの場合は女性だから、「イエス・マム」が正しいのじゃ、じゃが・・」
チノ「でも、直接誤りとか指摘すると、リゼさんプライドが傷つくし、性別は世間的にも結構ナーバスな問題なので、そのままにしといてあげて下さい・・・」
チョコ「イエス・マム!」ビシッ
―勤務終了後、更衣室にて リゼとチノの会話―
リゼ「チノ、チョコはすごいぞ」
チノ「リゼさん、どうしたんですか」
リゼ「チョコは一度教えたら、完璧に仕事をこなすんだ」
チノ「えっ」
リゼ「メニューも、値段も、チョコは一発で記憶してしまったし、接客、処理手順は完璧にマスター。お皿も割らないし」
チノ「お皿を割るのはココアさんだけです」
リゼ「明日は、チョコは即戦力で使えるぞ!」
リゼ「私が午前中いなくても、なんとかなりそうだ」
チノ(一日目、チョコさんはすこし緊張ぎみでした。そして、翌朝…)
―ラビット・ハウス2日目(午前中のみ、午後からは甘兎庵勤務予定)―
チョコ「おはようございます、チノちゃん」
チノ「おはようございます。チョコさん、今日もよろしくお願いします…」
ティッピー(今日も頼んだぞ……)
チョコ「うーーーん」
チノ「チョコさん、なにやってるんですか」
チョコ「いまチューニング中です。う〜ん、テンション上がらない・・ココアちゃん渋滞中です・・」
チノ「なんかココアさんの中の人みたいです」
チョコ「よしっ チューニング完了!」
チョコ「おはよう、チ〜ノちゃん! モフモフさせて〜」モフモフ
チノ(いきなりチョコさんがココアさんになった)
ティッピー(まったくココアと区別がつかんな・・)
チノ「うーん、少しだけですよ(欲求不満でココアさん分が不足してます…)」モフモフ
チョコ「チノちゃん分補給〜 千夜ちゃんに『こうしたら、チノちゃん喜ぶわ』と言われて、昨晩、集中特訓してきたんだよ!」
チノ「千夜さんはまたヘンなことを……でも悪くないです」
チノ(ココアさんと違って、チョコさんからは小麦粉の匂いはしません……)
チノ(でもお料理のいい匂い、お洗濯のいい匂いがします。・・お母さんみたいで抱かれると落ち着きます)
チノ「チョコさんは、本当にしょうがないチョコさんですね……」モフモフ
チョコ「えへへ〜 (チノちゃん可愛すぎる)」ドキドキ
チノ(安心できる匂いが、またひとつ増えました・・)
・・・・・・・・・・・
チョコ「ところで、ここに置いてある大きい袋は、なあに?」
チノ「それは、コーヒー豆の袋です。重いので私やココアさんでは持ち上げられないので、午後、リゼさんに運んでもらおうと思ってます。」
チョコ「それくらい、私でも大丈夫。どこに運べばいいの?」
チノ「重たいですよ」
チョコ「大丈夫!」
チョコ「お姉ちゃんにまかせなさ〜い!」グッ
ピカアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
チノ(うわっ、モカさん(ココアの姉)に劣らない凄い姉オーラです! まぶしい、直視できません!)
ティッピー(まるでモカの姉オーラを見てるようじゃ…)
チノ(見た目はココアさんなのに、何故かココアさんのオーラが茶番に見えます…)
チョコ「さっそく、持ちあげるね! どこに運べばいいの? チノちゃん」ヒョイッ
チノ「(本当に軽々と・・すごい) は、はい。こっちの倉庫にお願いします」
ティッピー「ココアとはだいぶ違うのう……」
※倉庫の中
チノ「この戸棚の上にお願いします」
チョコ「うん、じゃ、ここに置くね」ザッ
チノ(軽々と置いてしまいました。リゼさんでも、ここでは少し大変そうな素振りをみせるのに)
ティッピー(リゼはホントは平気なんじゃが、怪力そうに見えて恥ずかしいから、ここでは重そうに演技しとるのう……)
チョコ「他に運ぶ物あるかな? チノちゃん」
チノ「いいえ、これで全部です。ありがとうございましたチョコさん」
チョコ「どういたしまして」ニコ
チノ「ドキッ・・・(コ、ココアさんの笑顔……。反則です)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
チノ「ところで、チョコさんには妹さんがいるって聞いてましたが」
チョコ「萌夏(もか)ね。この前の駅でのココアちゃんとの自撮りをメールで送ったら、ビックリしてたよ」
チョコ「『お姉ちゃんが二人いる〜』なんて驚いてね。私にとってかわいい妹だよ」
チノ「そうなんですか。仲いいんですね」
チョコ「天然で喧嘩も良くするけど、歌が上手くて手品が得意で、元気で活発でまわりを盛り上げちゃう……」
チノ「楽しそうですね」
チョコ「萌夏の写真あるけど、チノちゃん、見る?」
チノ「ぜひ見たいです」ワクワク
チョコ「このスマホに出すからね・・・これが萌夏だよ」ニコ
チノ「ちょっとごめんなさ……………(えっ…う…嘘ですよね)」
ティッピー(信じられん、何ということじゃ………)
チノ(母とそっくりです………特に母の若い時とは瓜二つです)
ティッピー(あやつ(チノの母)の生き写しじゃ……)
チョコ「かわいいでしょう〜 あ…勿論チノちゃんも可愛いけど…」
チョコ「あれ、どうしたの? チノちゃん、驚いた顔して……。私とは似てないから、ビックリしちゃったかな?」
チノ「い……いえ、なんでもないです。萌夏さん、かわいいですね」
チョコ「ありがとう、チノちゃん」
ティッピー(チノ………………………)
チノのココアシックは、ココアが母のぎっくり腰のため急に帰郷したのと、そもそも予定事象ではなかったため、症状は重めになっています。
拙いこのSSをお読みいただき、ありがとうございました。