遅くなりましたが、再開します。
調子はあまり良くないのと、仕事が多忙なため、
不安定な更新になりますが、ご了承下さい。
それでは、お楽しみいただけると幸いです。
???「千夜ちゃん、千夜ちゃーん」
千夜「あれ? ここは甘兎庵… どうしたんだろ、私」
???「チョコだよ。いつもどおり、バイトに来たよ、千夜ちゃん」
千夜(いつもの甘兎庵の着物姿だけど、チョコちゃんにしては、何か違和感が… 絶対ココアちゃんだわ)
千夜「…あなたはココアちゃんでしょ?」
???「違うよ、チョコだよ」
千夜「私はココアちゃんとチョコちゃんの区別はつくわ。ココアちゃん、私をからかうのはやめて…」
ココア「…ふーん、パンの匂いも消していたのに、さすがは千夜ちゃんだね。それでこそ私の親友だよ」
千夜「ココアちゃん、どうしたの?」
ココア「千夜ちゃんに相談があるんだよ」
パッ
千夜「あれ、ここはいつもの学校… ココアちゃんも私も学校の制服に…」
ココア「千夜ちゃん大好き…」ダキッ
千夜「!」カァァ
ココア「目をつぶって、千夜ちゃん…」
千夜「……」メヲツムリ
チュッ
千夜「」
ココア「千夜ちゃん、こっちこっち…」
タッタッタッ
千夜「あ、ココアちゃん、待って〜」
千夜(あれ、いつの間に深い森の中に…)
千夜「ココアちゃん、捕まえた〜」
ココア「捕まっちゃった。実は、私が千夜ちゃんに相談したいことはね〜」
千夜「?」
ココア「チノちゃんのことで、なにか私に隠してないかな?」
千夜「…」ギク
ココア「親友なら、隠し事は無しだよ〜」ニコ
千夜「あ、そ、そのことなら、チノちゃんに置き手紙をするように言ったから、コ、ココアちゃんそれを読めばわかるようにしたわ」
ココア「ふ〜ん、そうなんだ。だったら…」
千夜「だったら?」
ココア「この夢は終わりにして、今すぐ鳴ってるスマホに出てね。お願い…」
千夜「夢が終わらなかったら?」
ココア「シャロちゃんのワイルドギースの時みたいに、朝までぐっすり爆睡だったら、もう絶交…しちゃうかな?」
千夜「イヤよココアちゃん、絶交なんて。私とココアちゃんは親友でしょ?」
ココア「そう、千夜ちゃんは私の大切なお友達で親友だよ。だからすぐに目を覚ましてね」
ココア「じゃーね、私の大好きな千夜ちゃん」スゥ〜
千夜「あ、待って、ココアちゃん…」
ココア「目が覚めなければ、もうこれっきりだからね〜」ニコ
千夜(どんどんココアちゃんが遠くに…待って〜ココアちゃーん…)
千夜(追いつかない…そうだ、私が夢から覚めないと、ココアちゃんと絶交に…)
千夜(そんなの絶対イヤーーーーーーーーーーーーーー!)
パチッ
千夜「あれ、ここは私の部屋。夢だったのかしら? あれ、なんか音が…」
ヴーーーーッ ヴーーーーッ ヴーーーーッ(スマホのバイブ音)
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ーラビット・ハウス(チノの部屋)ー
深夜
チノ「さて、千夜さん、チョコさんとの打ち合わせどおり、真夜中から準備を始めて、いま完了です…」
チノ「おじいちゃん、お父さんとココアさんには置き手紙を準備しました」
チノ「チョコさん、千夜さんと早朝、木組みの街中央駅で待ち合わせ…」
チノ「始発の臨時特急に乗って、チョコさんと2人旅です」
チノ(本当は黙って出かけるのは気が引けますが、おそらく相談しても、解ってもらえず反対されるだけで終わりでしょう。)
チノ(自分のことですから、自分で解決しなければなりません…)
チノ(これ以上、皆さんに迷惑かけるわけにも行きません…)
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ーココアの部屋の前ー
チノ(お父さんには、部屋の前に手紙をおいてきました)
チノ(おじいちゃんへの手紙もそこに置いたので、おじいちゃんも読んでくれるでしょう)
チノ(荷物も持ったし、後は出かけるだけです)
チノ(最後にココアさんには寝ててもいいので、ひと目会ってから出かけたいです…)
チノ(いまココアさんは熟睡しているはずです…)
ギイー(ココアの部屋のドアを開ける音)
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ーココアの部屋ー
ココア(すー、すー)
チノ(今、目の前にココアさんが寝ています)
チノ(布団を全部かぶっているので、顔はわかりません)
チノ(寝息だけが聞こえてきます)
チノ「(小声で)ココアさん、しばらく留守にします。身勝手な妹でごめんなさい。留守の間、皆さんをよろしくお願いします」
チノ「では、行ってきます」
ココア「ま〜て〜」
チノ(えっ…布団から手が!)
*ガシッ(チノの腕をつかむ音)
チノ(わっ)
チノ(ココアさんの布団の中に、強い力で引きこまれて…)
ココア「こ〜ら〜 お姉ちゃんに黙って出かける、悪い妹はいねが〜」
チノ(いまココアさんと布団の中でもふもふ。でもココアさん秋田の「なまはげ」のような低い口調で怖いです)
チノ(当然怒ってますよね…)
チノ「ご、ごめんなさいココアさん」
ココア「ゆるさないぞ〜」
チノ「…」プルプル
*1分経過
ココア「なーんちゃって」ニコ
チノ「えっ?」
ココア「事情は千夜ちゃんから聞いたよ。あ、私が深夜、千夜ちゃんに携帯鳴らして、無理に聞き出したんだ。千夜ちゃんを責めないでね…」
チノ「ココアさん、凄いカンですね…」
ココア「でも私、チノちゃんがそこまで思い詰めてたの、ぜんぜん解ってあげられなかった。お姉ちゃん失格だよ…」
チノ(ココアさんの顔を見ると、涙のあとが、すじになって夜の月明かりに映って…)
チノ「私こそ、初めにココアさんに打ち明けておくべきでした。ごめんなさいお姉ちゃん」
チノ(こんな大事な人に、心を閉じていた私が恥ずかしいです…)
ココア「でもチノちゃんが、出発前に私に会いに来てくれたの、とっても嬉しかったんだ…」
チノ「ココアお姉ちゃん…」ダキッ
ココア「チノちゃん…」ダキッ
*しばらく二人は抱き合った
ココア「そういえば、朝の4時ごろ中央駅集合だったよね。そろそろ行かないと…」
チノ「そこまでお見通しなんですね」
ココア「お姉ちゃんも一緒に駅までチノちゃんを見送るよ! 千夜ちゃんとチョコちゃんにはもう話してあるし」
チノ「ココアさん…」
ココア「実はもう着替えてあるんだ。すぐ出発だよ!」
チノ「はい!」
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ー木組みの街中央駅1番ホーム、午前3時50分ー
チョコ「結局、ココアちゃんには、話が伝わって、わかってくれたんだ…」
千夜「ええ。深夜、ココアちゃんから急に電話があって、お話ができたの…」
シャロ「ココアのチノちゃん思いの強さは相変わらずね。それで、チノちゃんを見送りに一緒に駅まで来るのね」
千夜「そう。それとココアちゃんに伝わると、もちろん他の友達にも…あの近づいて来る人影もそうね」
シャロ「あの人影は…リゼ先輩とマメちゃん?」
千夜「うまく伝わったみたいね。良かったわ」
チョコ「全員集合ですね」
リゼ「…おはよう、みんな。千夜もシャロも見送りか?」
マヤ「結局みんな揃ってるじゃん。おはよーっす」
メグ「おはようございま〜す(ね、ねむいよ〜)」
シャロ「リゼ先輩にマメちゃん、みんな来てくれるなんて…」
チョコ「リゼ先輩、おはようございます。マヤちゃん、メグちゃん、おはよう」
千夜「リゼちゃん、マメちゃん、ありがとう。お話はココアちゃんから聞いてるわよね」
リゼ「ああ、最初聴いた時は驚いたよ。」
マヤ「チノが自分から行動を起こすって、よっぽどの事じゃん」
メグ「チノちゃんは私達の大切な友達だからね〜。マヤちゃんと応援するって決めたの〜」
リゼ「ところで、チノとココアは?」
千夜「まだ来てないわ」
シャロ「んもう、なにやってるのよココアは」
(つづく)
列車が発車するまで書きたかったのですが、
ここで今回は終わりです。
不定期更新になることをお許しください。
拙いこのssをお読みいただき、ありがとうございました。