甘兎の千代子さん   作:赤山グリテン

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お待たせをいたしました。

パーティーの第2幕の開幕です。
ちょっとキャラ出しすぎたかもしれません。

最後のオチに、ココアとチノが出てきます。

それでは、お楽しみいただけると幸いです。





第17羽 Call Me Sister(その4)

千夜「さあ、第2幕の開幕よ」

 

*ダンスタイム

 

ロゼ(ダンスタイムって言っても派手なんじゃなくて、社交ダンス…)

 

チョコ「それではお嬢様、お手をどうぞ」

 

ロゼ「あ、ありがとう…」

 

※踊り始める二人

 

チョコ(姉妹校で部活で応援に引っ張り出されてたから、何とかなってよかったよ…)

 

ロゼ(けっこうチョコは上手いな…)

 

♪〜

 

ギャラリーA「あの2人のダンス、息があってる」

 

ギャラリーB「誰なんだろうね、あの2人」

 

ギャラリーC「さあ、あんな子いたっけ、ウチの学校に…」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ガヤガヤ……

 

マヤ「よし、メグ、私達もこのパーティーに乱入だ」

 

メグ「えー、あの騒ぎの中に入るの〜? マヤちゃん」

 

マヤ「このままだと、メグ、チョコの妹になれないよ」

 

メグ「マヤちゃんこそ、リゼさんが誰かに取られるのが心配なんじゃない〜?」

 

マヤ「そ、そんなことはないよ…」テレッ

 

メグ「図星のようだね〜」クス

 

マヤ「ちぇっ 以心伝心も、こういう時はなんだかな〜」

 

メグ「ねぇマヤちゃん、どんなことがあっても、私、マヤちゃんの味方だよ〜」

 

マヤ「?」

 

メグ「最近、以心伝心の感度が良くない時があって、マヤちゃんが何考えてるか分からなくなる時が前より増えて…だから、以心伝心の感度を下げるのは、やめて…」メソメソ

 

マヤ「メグ…わかったから泣くなよ…」ナデナデ

 

メグ「ごめんね、マヤちゃん。もし、感度ゼロになった時は…」

 

マヤ「なった時は?」

 

メグ「刑事みたいに、マヤちゃん尾行しちゃおうかなー、なんて」ニコ

 

マヤ「何かストーカーみたいで、怖いよ」

 

メグ「大丈夫、気づかれないようにするから」

 

マヤ「メグはどんくさいから、無理無理〜」

 

メグ「むぅぅ〜 やってみなければわかんないもん!」

 

マヤ「泣いて、笑って、怒るメグも可愛いよ…」

 

メグ「マヤちゃんずるい…。そういうことじゃ」カァァ

 

マヤ「さて、時間なくなっちゃうし、行くよ〜 レッツゴー!」

 

メグ「もう〜 マヤちゃんたら」ニコ

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ロゼ「そろそろ休憩しませんか? 足もまた痛くなってきました…」

 

チョコ「そうだね…さっき手当したばかりだもんね」

 

ロゼ「ギャラリーがうるさいので、目立たないところで、ゆっくり休みたいですわ」

 

チョコ「そうですね」

 

※チョコにエスコートされ、休憩スペースへ

 

マヤ「おっ チョコ発見〜」

 

メグ「あ、チョコちゃんもカッコ良くなってる〜マヤちゃんみたい〜」

 

マヤ「えへへ〜それって私への褒め言葉?」

 

メグ「もちろんそうだよ〜。それとチョコちゃんの隣りにいる、知らない綺麗なひとは誰だろう?」

 

 

ガヤガヤ…アノコタチハ チョコサント ロゼサン ッテイウンダッテ…

ガヤガヤ…ロゼサンキレイ  ウチノガッコウ、ロゼナンテコ イタッケ?

 

 

マヤ「ロゼって周りが言ってるよ」

 

メグ「ロゼさん、凄く美人すぎて、私では太刀打ちできないよ」

 

マヤ「メグだって、負けて無いよ〜」

 

メグ「マヤちゃん、お世辞でも嬉しい〜」ニコ

 

マヤ(あのロゼってよく見ると…な〜んだ、リゼじゃねーか!)

 

マヤ(うまく化けているけど、私の目は誤魔化せないよ!)

 

マヤ(なる程、千夜が私をチョコと似た格好にしたのは、リゼと釣り合いのためなのか…)

 

マヤ(恩にきるよ、千夜…)

 

メグ「マヤちゃん…どうしたの? 黙っちゃって」

 

マヤ「あ…いや何でもない。それよりメグ、こっちこっち〜」

 

メグ「は〜い!」ニコ

 

マヤ(待ってろよメグ、メグの望み、いま叶えてやるから)

 

・・・・・・・・・・・

 

※休憩スペース

 

チョコ「ここでいかがですか?」

 

ロゼ「はい、ここなら周りから見えないし、ゆっくり休めそうです」

 

チョコ「一緒に椅子に座りましょう」

 

ロゼ「はい…」

 

チョコ「ところで、何でロゼさんみたいな美しい方が私なんかに…」

 

ロゼ「そ、それは…」

 

チョコ「吹き矢勝負では助けて頂いて、その後、なんにも知らない私をここまで楽しませてくれて…」

 

ロゼ「あ、あの」

 

チョコ「何か、ロゼさんにお望みがあるなら言って下さい。出来る限りのお礼はします」

 

ロゼ「じゃ、じゃあ、今日だけでいいですから…」

 

チョコ「?」

 

ロゼ「私を妹と呼んで下さい!、チョコさんの妹にしてください!」カァァ

 

チョコ「えっ」カァァ

 

ロゼ「そ、そうですよね。む、無理ですよね」アタフタ

 

チョコ「…い、いえ…わ、わかりました。今からロゼちゃんって呼びます!」

 

ロゼ「ありがとう、それと…」

 

チョコ「それと?」

 

ロゼ「もふもふ、してくれないかな、チョコお姉ちゃん…」

 

チョコ「(うわー)…うん、モフモフしちゃうよ、ロゼちゃん」

 

ロゼ「わーい」ワクワク

 

ダキッ

 

チョコ(さっきも思ったけど、ロゼちゃんっていい匂い)モフモフ

 

ロゼ(ああー何て幸せ。ずっとこのままでいたい…)モフモフ

 

チョコ(ロゼちゃんって、先輩なのかな? 学校の誰も知らないみたいだし…)モフモフ

 

ロゼ「ずっとこのままでいてね……(とっても落ち着いて気持ちいい…)」モフモフ

 

チョコ「うん……」モフモフ

 

※数分経過

 

ロゼ「すぅー、すぅー、zzz……」

 

チョコ(ロゼちゃん、寝ちゃった…。疲れてたんだね…)

 

マヤ「こんばんはー、おや、ロゼは寝ちゃったみたいだね…」ボソ

 

チョコ「あなたは、チノちゃんのお友達の…」ボソ

 

マヤ「そう、マヤだよー」ボソ

 

チョコ「あれ、マヤちゃんは中学生で、高校生じゃないんじゃ…」

 

マヤ「千夜の計らいで、メグとともに特別参加さ」

 

チョコ(千夜ちゃん、また凄いことを…あと何故か私に似たコーディネートね、マヤちゃん)

 

マヤ「それで、チョコ姉に頼みがあるんだ…」

 

チョコ「なあに、マヤちゃん」

 

マヤ「ロゼもチョコの妹希望だったみたいだけど、実はもう一人希望者がいるんだよね…」

 

チョコ「え、誰?」

 

メグ「(マヤの後から)こ、こんばんは。き、希望者のメグです〜」ボソ

 

チョコ「あ、こんばんは、メグちゃん。本当に来てくれたんだ」

 

メグ「千夜さんに頼んで、特別に参加しちゃった〜」

 

チョコ「来てくれてお姉ちゃん嬉しいよ! 最近メグちゃんとはよくメールとSNSで連絡取り合って…」

 

マヤ(メグがこんなにチョコに積極的に…以心伝心でメグの気持ちが、リアルタイムで私に伝わって来てたんだよね)

 

チョコ「メグちゃんの衣装はお姫様なんだね〜。とっても可愛くて素敵だよ」

 

メグ「チョコお姉ちゃんから、褒められちゃった〜」ポッ

 

マヤ「それでさチョコ姉、悪いけど、メグの望みも叶えてくれないかな〜。今寝てるロゼの面倒は、私が見るからさ」

 

メグ「一緒に、か、会場回りませんか…お、お願いします」ペコリ

 

チョコ「わかったよ。お姉ちゃん、頑張っちゃう」

 

メグ「嬉しい〜 ありがとう、チョコお姉ちゃん」

 

マヤ「サンキュー、チョコ姉。じゃ、メグと楽しんできてね…」

 

チョコ「うん、マヤちゃん。それじゃロゼちゃんはお願いするよっ。メグちゃん、お姉ちゃんと一緒に会場巡りしよう…」

 

メグ「はい、不束者ですが、よろしくお願いします。チョコお姉ちゃん」ニコ

 

マヤ「メグ、頑張れよ…」

 

メグ「ありがとう、マヤちゃん…」

 

※チョコとメグは一緒にパーティー会場に消えた。

 

ロゼ「zzz……」

 

マヤ(こうやって見ると、リゼって可愛いな…って何考えてるんだ私…)

 

ロゼ「うーん」

 

マヤ(あれ、目を覚ましそう)

 

ロゼ「あれ、私、寝ちゃった」ポケー

 

マヤ「(ど、どうしよう…こうなったら、行き当たりばったりだ!)お目覚めですか、お嬢様…」

 

ロゼ「ごめんなさい。モフモフしてたら、気持ちよくなって寝ちゃった…」ポー

 

マヤ「ロゼ、夢のつづきをやろう…」

 

ロゼ「まあ、何かしら…」ポー

 

マヤ「ロゼ、目をつむって…(何やってんだ、私)」

 

ロゼ「(きゃー、キス?)……(目をつむる)」

 

マヤ(近くで見れば見るほど、リゼってこんなに綺麗なんだってとても信じられない…)

 

チュッ

 

マヤ・ロゼ「」

 

マヤ(唇が触れちゃった…でもなんて柔らかいんだろ…)カァァ

 

ロゼ(きゃー、キスされちゃった)

 

マヤ「ロゼ、これは今日一日だけの夢だからね。もうゆっくりお休み…」

 

ロゼ「うん、もう一回モフモフして、お姉ちゃん…」

 

マヤ「わかったよ。ロゼって本当に可愛いな」モフモフ

 

ロゼ(あれ、前より小さくなった気が、まあ、いいか。小さいの好きだし)モフモフ

 

マヤ「おやすみ、ロゼ…」モフモフ

 

ロゼ「おやすみ、お姉ちゃん zzz……」

 

マヤ(良かった、寝てくれた。でも…)

 

ロゼ(zzz…)

 

マヤ(なんでリゼが名前まで変えて化けたのか、今ならわかる気がする…)

 

マヤ(リゼの本音は可愛い物が好きなんだ…でもそれはリゼのイメージじゃない)

 

マヤ(だから、ガーリーな格好でロゼに化けることで、本性を出してた…)

 

マヤ(でも、そんなリゼの全部が私は好きだ。リゼの妹でも、姉でも何でもいい…)ナデナデ

 

ロゼ(お姉ちゃん…)

 

マヤ(……)

 

千夜「おや、ロゼちゃん、寝ちゃったのね」

 

マヤ「うん。どうしよう千夜〜」

 

千夜「ご自宅に連絡して、お迎えを呼んだから。それまでの辛抱よ」

 

マヤ「(本当は辛くないけどね)ところでさー、千夜」

 

千夜「どうしたの?」

 

マヤ「リゼとロゼが同一人物だって、気付いている娘って千夜の他には?」

 

千夜「あら、マヤちゃん見抜いちゃったのね。さすがリゼちゃん大好きっ娘ね」

 

マヤ「それと、気づいていないメグには言ってないよ」

 

千夜「そうなの? 偉いわ。実は気付いているのは、今のところ、私とマヤちゃんだけよ。シャロちゃんやチョコちゃん、ココアちゃん達も気づいていないわ…」

 (注:その他、正確にはティッピーも見抜いている)

 

マヤ「そうなんだー」

 

※この間、自宅からリゼ父含むお迎え部隊が参上、リゼは衣装のまま、裏口から誰も気づかれずに運びだされた。

 

マヤ「これで一安心だね」

 

千夜「おや、あちらのコンビも戻ってきたわ」

 

メグ母「それでは、よろしくお願いします」

 

チョコ「分かりました。私もがんばります」

 

メグ「わーい、チョコ先生〜」

 

マヤ「あれ、メグのお母さんも一緒だ…」

 

メグ母「あら、マヤちゃん、こんばんは」

 

マヤ「メグのお母さん、こんばんは」

 

メグ母「時間が来たので、迎えに来たのよ。マヤちゃんも一緒にお願いね。お母さんとお兄さんに頼まれてるから」

 

マヤ「そうなんですか、ありがとうございます。ところで、メグ、凄い喜んでたけど…」

 

メグ「チョコお姉ちゃんが、私の家庭教師になってくれるの〜」

 

メグ母「聞けば、チョコ先生はこの学校の特待生だって言うじゃないの。なかなか適任者がいなくて。頼まない手は無いわ」

 

メグ「嬉しい〜」

 

メグ母「(めぐみ)にはどうしても、私の母校の、このお嬢様学校に受かって貰わないとね。頑張るのよ」

 

メグ「は〜い」

 

チョコ「メグちゃん、一緒に頑張ろうね」

 

メグ「お世話になります。チョコお姉ちゃん」

 

メグ母「『お姉ちゃん』じゃなくて、『先生』でしょう」

 

チョコ「プライベートは「お姉ちゃん」でいいですよ、メグちゃん」

 

メグ「ありがとう、お姉ちゃん」

 

メグ母「さあ、帰るわよ。千夜さん、どこで着替えたらいいんでしょう」

 

千夜「楽屋部屋の鍵をお貸ししますので、そこでお願いします。そのまま衣装は部屋に置いてもらえれば。終わったら、鍵を私にお返し下さい」

 

メグ母「分かりました。恵、マヤちゃん。行くわよ」

 

メグ「チョコお姉ちゃん、千夜さん。楽しかったです」

 

マヤ「チョコ姉、千夜、忘れられない思い出をありがとう。じゃねー」

 

チョコ「さようなら、私の妹たち…」

 

千夜「気をつけてね」

 

※マヤとメグはメグ母の迎えで帰った。

 

チョコ「行っちゃったね。あれ、ロゼちゃんは?」

 

千夜「ロゼちゃんは帰ったわ」

 

チョコ「いろいろ助けてもらったから、お礼言わなきゃ。でも誰だかわからないよ」

 

千夜「ロゼちゃんも喜んでいたと思うわ。仮装パーティーだから、分からなくて当然よ」

 

チョコ「そ、そうだね」

 

千夜「もうすぐパーティーはお開きになるわ…私も締で準備があるから、またね。チョコちゃん」

 

チョコ「千夜ちゃん、頑張って〜」

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

凛「あ、ここにいたいた」

 

チョコ「あれ、真手先輩、こんばんは。お久しぶりです」

 

凛「こんばんは、チョコちゃん。駅のホームで会って以来ですね。凛って呼んでいいですよ」

 

チョコ「凛先輩、すごい景品の数ですね…どれだけ獲ったんですか…」

 

凛「少しチョコちゃんにあげますよ」

 

チョコ「だ、大丈夫です…」

 

凛「それで…私もチョコちゃんやシャロさんと同じ特待生って話は聞きましたよね」

 

チョコ「ええ、凛先輩は青山先輩といいコンビだって話も聞いてます」

 

凛「それでね、私もチョコちゃんと同じ、特待生で姉妹校転校してるんです」

 

チョコ「えっ」

 

凛「学校から急に話があってね。2年の4月の時に、校長室に呼び出されて」

 

チョコ「私とおんなじですね…」

 

凛「校長はチョコちゃんの時と同じ人だから、また同じこと考えてるのかも」

 

チョコ「その話、初耳ですね」

 

凛「時間が経つと、姉妹校に在籍したことは伏せられて、消されるから気をつけてください」

 

チョコ「そうなんですか…」

 

凛「表向き、私もこの学校に入学したことになってるけど、実はチョコちゃんの姉妹校に入学してるんです」

 

チョコ「……」

 

凛「チョコちゃん以外にはこのことは話していないから、この話はだれにも言わないで、内密にね…」

 

チョコ「はい、分かりました」

 

凛「困ったことがあったら、これが連絡先です」つ名刺

 

チョコ「ありがとうございます、凛先輩。これが私の連絡先やSNS、メルアドです」つメモ

 

凛「ありがとう、チョコちゃん。じゃ、お互い頑張ろうね…」

 

チョコ「凛先輩も…」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

―宴のあと―

 

千夜「さて、会場の撤収も終わったわ。実行委員のみなさんも、お疲れ様でした」

 

スタッフ「それでは、解散とします。気をつけてお帰り下さい」

 

※楽屋部屋

 

千夜「チョコちゃんもお疲れ様でした。衣装の着替えも終わったし、私達も撤収しましょ」

 

チョコ「ところで、帰りはどうするの? 千夜ちゃん」

 

千夜「あっ」

 

チョコ(いやな予感が…)

 

千夜「(フロントへ内線)もしもし、帰りのリムジンの予約は…えっ キャンセルされてる? そうですか、ありがとうございました」

 

チョコ「もしかして…」

 

千夜「リゼちゃんも帰っちゃてたんで、リゼちゃんのお父さんがキャンセルしてたみたい。タクシーも出払ってて3時間待ち…どうしよう…」オロオロ

 

チョコ「シャロに連絡してみるね、千夜ちゃん」

 

千夜「お願い、チョコちゃん…」ウルウル

 

*チョコ、シャロへ携帯にて連絡。

 

チョコ「さっきシャロに連絡したら、ココアちゃんに救援要請してみるって」

 

千夜「ありがとう、チョコちゃん」

 

(しばらくして)

 

チョコ「シャロから折り返し連絡があって、ココアちゃんがなんとかするって言ってたって返事が」

 

千夜「あ、たった今私のところにもココアちゃんから携帯でかかって来たわ。『いま向かってるからねっ』って」

 

チョコ「あれ、ココアちゃんって乗り物の免許もってたのかな?」

 

千夜「さあ、でもココアちゃんだから、何とかしちゃうのかも」

 

チョコ「そうだね」

 

※コンコン(ドアをノックする音)

 

千夜「はあい、どなた?」

 

ココア「ココアだよ〜 千夜ちゃん、開けて〜」

 

千夜「ココアちゃん、すぐ鍵を開けるわ」

 

※ガチャ(ドアが開く音)

 

ココア「こんばんは、千夜ちゃん、チョコちゃん」

 

チノ「こんばんはです。千夜さん、チョコさん」

 

千夜「ココアちゃん、嬉しい〜」ダキッ

 

ココア「千夜ちゃん、苦しいよ〜」

 

チョコ「チノちゃんも来てくれたんだ〜」

 

チノ「方向音痴のココアさん一人では心配なので、ついて来ちゃいました」

 

千夜「ところで、何に乗ってきたの?」

 

ココア「じゃーん、リヤカーだよっ チノちゃん乗せてきたんだよっ」

 

チョコ「これならば、衣装とか全部のせられるね。早速運んじゃおう」

 

一同「おーっ」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

―リヤカーに乗って―

 

チノ「高級ホテルの正面玄関から、リヤカーってシュールでしたね」

 

ココア「でも、こうやってゆっくり、リヤカーから木組みの街の春の夜景を、眺めながら帰るのもイイね」

 

チノ「ココアさん呑気(のんき)過ぎます。チョコさん一人で、私達3人と荷物載せて引っ張ってるけど、大丈夫ですか、チョコさん」

 

チョコ「私は大丈夫。力仕事は慣れてるので。それより千夜ちゃんの介抱をお願い。今日一番の功労者だし」

 

千夜「zzzz…」

 

ココア「今日も頑張ったんだね、千夜ちゃん」

 

チノ「いい顔して寝てますね。なんか満足気(まんぞくげ)です」

 

ココア「ねえ、チノちゃん」

 

チノ「何ですか、ココアさん」

 

ココア「『お姉ちゃん』って呼んで?」

 

チノ「コ、ココアお姉ちゃん……」

 

ココア「!」

 

チノ「ココアさんも、私を妹と呼んで下さい。私を妹にしてください」

 

ココア「妹はチノちゃんだけだよ!」

 

チノ「ココアさんはメグさんに目標にされたり、年下なら誰でもいいんじゃないですか?」

    (注:マヤとの「捨て姉」冒険はまだ先)

 

ココア「え〜そんなこと、ないよ〜チノちゃんが一番だよ」

 

チノ「そうきましたか。それでは、私が一番という証拠を私に見せて下さい」

 

ココア「どうすれば、いいの、チノちゃん?」

 

チノ「私のお姉ちゃんなら、言わなくてもわかって欲しいです」

 

ココア(チノちゃん、目を瞑ってる…よし)

 

チュッ

 

チノ(うれしいです…ココアお姉ちゃん)

 

 

チョコ(明日もいいことが沢山ありそう)ニコッ

 

 

―おまけ―

※シャロの家にて   ーチョコが帰宅してから―

 

シャロ「ふーん。チョコも大変だったのね。マメちゃんも参加しちゃったんだ…」

 

チョコ「そう、あと青山ブルーマウンテンさんの編集さん、凛先輩もいたよっ」

 

シャロ「それで、リゼ先輩は?」

 

チョコ「変装していて全くわかんないし、会えなかったよ…」

 

シャロ「リゼ先輩は警察官とか、軍人ぽいコスを好むわね」

 

チョコ「へー気づかなかった。今度は見つけるよっ。それと今度シャロも参加しようよ〜」

 

シャロ「あーいうの苦手でね。で、帰りはココアのリヤカーだったんだって?」

 

チョコ「そう。荷物とか沢山あったし、助かったよシャロ。シャロがココアちゃんに連絡してくれたんだよね」

 

シャロ「まーそうなんだけど。千夜ったら、最後の詰めが甘かったわね」

 

チョコ「でも楽しかった。ありがとう、シャロ」ニコ

 

シャロ「どーいたしまして」ニコ

 




 ようやっと、パーティー編は終わりです。
 困ったのは、メグ母→メグの名前の呼び方で、親なので愛称ではなく、本名で呼ぶようにしたのですが、原作やアニメもたしかメグに名前で呼びかけてないので、違和感あるかもしれません。
 またこの時点では、リゼとロゼが同一人物と気付いているのは、ティッピー、千夜、マヤだけです。原作では、この後の設定のまんがきららMAX2017年9月号のロゼ登場時、マヤだけひと目でリゼと見破り、千夜に口止めされることになります。
 あと最後のオチに、ココアとチノには登場いただきました。

【2/24帰宅後エピソード追加→シャロちゃんを出したかったのでm(__)m】

今回も、拙いこのssをお読み下さいまして、ありがとうございました。

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