甘兎の千代子さん   作:赤山グリテン

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チョコも無事シャロ、リゼのお嬢様学校に転入、シャロと同じクラスに。
その後のお話です。

それでは、お楽しみいただけたら幸いです。


第13羽 ラッキーアイテムは野菜の特売とタイムセール

*閑話休題[この部分だけ時系列を考慮してません。おまけなのでご勘弁をm(__)m]

 

チノ「………」ムス

 

ココア「チノちゃ〜ん、なんで機嫌悪いの〜?」

 

リゼ「何でも、まんがタイムきららMAX最新号(2017年12月19日時点)で、自分だけ出番がなかったから、ご機嫌ナナメなんだ」

 

チノ「なんで高校生組(シャロ舞踏会主役、千夜とココア、リゼ)だけで、私が出てないのでしょう。その前の号は端役(はやく)(ココアとメグのスケート話)だし、私が空気になるのも時間の問題です…」

 

ティッピー「まあ、チノ、そう焦るんじゃない…」

 

チノ「おじいちゃんなんてもっと出番ないじゃないですか。スケートの端役(はやく)の時だって、おじいちゃんセリフ無くて単なる飾り、アクセサリーだったし」

 

ティッピー「なぬ、ワシが飾りじゃったとな…」

 

チノ「そのうち、どっかのライトノベルみたいに、私も「チなんとかさん」なんて呼ばれちゃうかもしれません」

 

リゼ(チノの他に千夜もそうだから、そのライトノベルと違ってどっちだか解らなくなるぞ!)

 

ティッピー「それじゃチノもワシも困る。もっと目立つんじゃチノ…」

 

ココア「チノちゃん、次号はチマメ隊とかで、ど〜んって目立つんじゃないのかな?、ね?(根拠全く無いけど…)」

 

チノ「そうなることを私も祈ってます…」

 

*閑話休題ここまで

 

 

*ここから本編→

 

ーラビット・ハウスにてー

 

リゼ「ところでチノ、話は変わるが洗濯機横の洗濯物置き場、カゴがひとつ増えていたんだけど…」

 

チノ「あれはひとつは父専用です。もうひとつの「私とココアさん(+リゼ+ティッピー)用」と分けました。リゼさん、間違っても父のカゴに入れないでください」

 

ココア「いままでは、もともと手洗いのインナー(女性下着)を除けば、一緒に洗濯機で洗っていたよね?」

 

チノ「お父さんは不潔です! これからは別々に洗います!」

 

リゼ「うわぁ」

 

ココア(チノちゃん、スイッチ入っちゃった…)

 

チノ「娘は私ひとりなのに、他の女の子に色目を使うなんて気持ち悪いです。キタナイです!」

 

ココア(そういえば、この前のライブの時にタカヒロさん、萌夏ちゃんにやっちゃってたね…チノちゃん泣きながら私に話してたっけ…)

 

リゼ(これは理屈じゃダメだな…)

 

 

ーラビット・ハウス、その日のバータイムにてー

 

タカヒロ「親父、チノが最近、不潔だってオレの洗濯物をチノやココア君達のものと別に洗濯するようになった。どうすればいままで通りに戻るんだ?」

 

ティッピー「息子よ、娘のDNAはある時期から、父親を本能的に嫌うようにプログラムされておるのじゃ。遺伝子レベルの自然の機能で近親相姦を防止、その子孫における遺伝子起因の病気リスクを減らす効果があるのじゃ…」

 

タカヒロ「それでは、打つ手立てはないのか?」

 

ティッピー「自然の摂理じゃからどうにもならんのう…。もっとも、その引き金を引いたのはお主自身じゃし、結局はその自業自得だと思うのじゃが…」

 

タカヒロ「親父…………」

 

ティッピー「息子よ、気の毒じゃが、これは娘を持つ父親が必ず体験することなのじゃ。耐えるしかないのう…」

 

タカヒロ「う…………」

 

 

*翌日

 

―話は変わり、お嬢様学校にて シャロとチョコ―

 

シャロ「チョコ、今日はラビット・ストアーの特売があるから、放課後の買い物手伝ってね」

 

チョコ「ところでシャロ、その特売チラシいつ手に入れるの? うちは新聞取ってないよね」

 

シャロ「まずはスマホで見て情報収集よ、そのあと学校に配達される新聞にスーパーの広告が入ってるから、学校事務室から貰うの。担任から話は行ってるからスムーズよ。毎日のことだし」

 

チョコ「さすがシャロ。手回しいいね〜」

 

シャロ「残念なのは、平日朝10時開店の早いもの勝ちとか、授業中に当たっちゃう特売はどうにもならないのよね〜」

 

チョコ「学校抜け出せればできるけど、絶対無理だよね」

 

シャロ「あと平日数量限定のは、放課後行ってもすでに売り切れているし。時間フリーの専業主婦には負けるわ」

 

チョコ「主婦パワーには勝てないよ」

 

シャロ「でも、今度の土日はなにかありそうだから、週末は特売回りの準備しといてね、チョコ」

 

チョコ「うん。学校休みの日が勝負だね、シャロ」

 

シャロ「その前哨戦が今日よ。今日は一店舗だけだけど、チョコも一緒に頼むわ」

 

チョコ「うん、一緒に学校帰りに寄ろうね、シャロ。楽しみ〜」ニコ

 

シャロ「私も〜」ニコ

 

*放課後

 

クラスメートモブ「ごきげんよう〜」

 

シャロ・チョコ「ごきげんよう〜」

 

チョコ「シャロ、時間通りに学校を出れそうだねっ」

 

シャロ「そうね。じゃチョコ、走るわよ!」

 

チョコ「了解!」

 

タッタッタッタッタッタッ

 

チョコ「まもなく校門通過!」

 

シャロ「今日の広告チラシの情報じゃ、たまごとじゃがいも、玉ねぎ、キャベツが特売よ」

 

チョコ「他にターゲットは?」

 

シャロ「あとは売り場を見て状況判断よ。タイムセールが不定期にあるから、店内放送にも注意ね」

 

チョコ「ラジャー」

 

*ラビットストア店内

 

シャロ「お互い買い物カゴ、持ったわね」

 

チョコ「うん!」

 

シャロ「マイバッグ、持ってきてるわよね?、チョコ」

 

チョコ「もちろんっ。マイバックだと、代金の3%割引なんだっけ?」

 

シャロ「そう。買い物かごも、店の指定マイカゴだともっと割引あるけど、放課後の買い物には無理ね。」

 

チョコ「さすがに学校に持っていくのは、おもいっきり目立っちゃうよね」

 

シャロ「あと、ラビットストアカード(ポイントカード)は?」

 

チョコ「ふふーん、抜かりはないよ、シャロ。これだよね。もちろん家にあったシャロ名義のカードだよっ」ピラ

 

シャロ「大丈夫ね。それはポイントが貯まると、500円券がもらえるの。絶対忘れられないわ」

 

チョコ「準備完了だよシャロ。それでは…」

 

シャロ「買い物開始〜!」

 

タタタタタタッ

 

買い物客A「なんだあの疾風は…」

 

買い物客B「二人共、お嬢様学校の制服着てるわ…」

 

買い物客C「速いっ 速すぎるっ」

 

チョコ「このミッションってもしかして…」

 

シャロ「今日は、私もチョコもこの後バイトが入ってるから、今回はいかに短い時間で的確に安く買うか、が課題よ」

 

チョコ「うん」

 

シャロ「この後は、ふた手に別れるわ。この後の行動はお互い話した通りだけど、対応しきれない個別事項は各自判断よ じゃチョコ、10分後に3番レジ前に集合よ!」

 

チョコ「ラジャー」

 

*10分後、3番レジ前

 

シャロ「私の方が早かったわね」

 

チョコ「商品の場所確認に見取り図確認してた分、時間かかっちゃった。シャロには勝てないよ〜」

 

シャロ「ふふ〜ん」

 

チョコ「次は負けないよっ 商品の場所は憶えたしっ」

 

シャロ「私だってっ」

 

チョコ「買い物って楽しいね、シャロ」ニコ

 

シャロ「私もこんなに楽しい買い物、初めてよ。チョコ…」ニコ

 

チョコ「レジは、前に並んでる客のカゴの中の商品個数を見て、個数の合計数が少ないレジが待ち時間が少ないんだよね」

 

シャロ「よく知ってるわねチョコ。並んでるお客の人数じゃなくて、商品の数なのがミソなのよね」

 

チョコ「私も家でもスーパーで毎日買い物してたから…」

 

シャロ「お互い現役だったのね。見たら5番レジが合計個数が少なそうだから、そこに並びましょ」

 

チョコ「うん」

 

 

―シャロの家にて―

 

チョコ「ひとつの店しか寄らなかったのに、随分買っちゃったね」

 

シャロ「ええ、早速冷蔵庫に入れましょ。冷蔵庫も大型の新機種にしちゃったんだっけ」

 

チョコ「消費電力は同じだから、電気代は変わらないけど静かだし…」

 

シャロ「いままでのボロ冷蔵庫より、チルドルームと冷凍庫が特に大きめなのね」

 

チョコ「弁当とか刺し身とかの半額セールの保存に、チルドルームは役立つし、ごはんとかパンとかは冷凍しとけばいいし」

 

シャロ「ココアからパン貰って、余った時に役立ちそうね…」

 

チョコ「この後は、シャロはフルールで私は甘兎庵。私のほうがすぐ隣で時間に余裕があるから、私が冷蔵庫に入れとくね」

 

シャロ「わかったわ。ありがとうチョコ」

 

シャロ「そしてバイトが終わって家に帰ったら、チョコの配管したシャワーブースで、早速シャワーを浴びさせて貰うわ」

 

チョコ「どんどん使ってねっ。燃料の灯油タンクは満タンにしてあるから」

 

シャロ「これで千夜に迷惑かけなくて済むわ」

 

チョコ「うん。真夜中にお風呂借りるんじゃ、お互い大変だもんね」

 

シャロ「あっとそろそろフルールに行く時間ね。じゃ、行ってきます、チョコ…」

 

チョコ「行ってらっしゃい、シャロ…」

 

シャロ「チョコも、気をつけてね」

 

 

―甘兎庵―

 

千夜「そう、それで、学校の帰りにシャロちゃんとお買い物をしたの?」

 

チョコ「うん、慣れるまでは大変だけど、シャロについていけるよう、がんばらなくちゃ」

 

千夜「土曜日も買い物予定入れてるのね…」

 

チョコ「シャロが特売してる数店舗回るって言ってたよ」

 

千夜「そう…」

 

チョコ「あと、千夜ちゃん、今日はウチでシャワー浴びるから、お風呂は大丈夫だよ」

 

千夜「チョコちゃんがシャロちゃんの家に取り付けたって言ってたあのシャワーね。わかったわ…」

 

チョコ「でも数日に1回は千夜ちゃんところの風呂に入りに来るので、その時は千夜ちゃんに事前に連絡するね」

 

千夜「ええ…」

 

チョコ「今まで迷惑かけちゃってゴメンね、千夜ちゃん」

 

千夜「そんなことないわ(シャロちゃんも、チョコちゃんも、迷惑じゃないのに…)」

 

千夜(シャロちゃんがどんどん私から離れてく…。でもこんなので私、我儘言っちゃだめよね。これもシャロちゃんの為だもの…)

 

チョコ(千夜ちゃん、なんか寂しそう、何故だろう。よし、こんな時は…)

 

チョコ「千夜ちゃん、ちょっとお店のBGM、変えるね」

 

チャラーンチャラララー

 

千夜「あっこのCDは、もしかして…」

 

チョコ「時代劇、『暴れ狼兎右衛門捕物帖(あばれおおかみうさぎうえもんとりものちょう)』のオリジナルサウンドトラックCDだよ。私これ大好き。千夜ちゃんも好きだって聞いてたけど…」

 

千夜「ええ、私この曲大好き! 嬉しい!」パアー

 

チョコ「やっぱり千夜ちゃんは、その笑顔でなくっちゃ」ニコ

 

千夜「ありがとう、チョコちゃん(チョコちゃんの笑顔は反則だわ…)」ダキッ

 

チョコ「千夜ちゃん、まだ営業中〜」ムギュ

 

 

・・・・その夜・・・・・

 

千夜(zzz…)

 

「ねえ、千夜…」「千夜ちゃーん」 

 

千夜(シャロちゃんとチョコちゃんの声…)

 

千夜(あ 見回すと教室だわ。私寝てたの?)

 

チョコ「あ、千夜ちゃん、起きた…」

 

シャロ「何、教室で寝てるのよ、千夜」

 

千夜「ゴメンね…シャロちゃん、チョコちゃん」

 

千夜(あれ?、私、お嬢様学校の制服着てる…)

 

シャロ「んもう、千夜、お茶会はじまっちゃうわよ」

 

チョコ「千夜ちゃんも私達と一緒に、ね?」

 

千夜「あ、待って〜 シャロちゃん、チョコちゃん」

 

千夜(追いつかない… どんどん二人が遠くに…)

 

シャロ・チョコ「千夜(ちゃん)―、早く〜、こっち来なよ〜」

 

千夜「待ってー、私を置いて行かないでー」

 

 

パチッ

(注:低血圧のため、ガバッとは起きない)

 

 

千夜(あれ、ここは私の部屋…)

 

千夜「ゆ、夢だったの…なんて夢…」

 

千夜(私、シャロちゃんやチョコちゃんと同じ高校に行けば、良かったのかしら)シュン

 

 

 

*土曜日

 

ガヤガヤキャーキャー

 

リゼ「今日は、洋服のバーゲンセール売り場に来ている!」

 

リゼ「見ての通り、50%OFFで、売り場はものすごい人だかりだっ」

 

リゼ「現在、ラビット・ハウスの制服のシャツとスカートが老朽化し、安く購入する必要がある!」

 

リゼ「お前たちは、この中をかき分けて、シャツとスカートを購入するのが任務だ!」

 

チノ「ベストは、買わなくて良いですよね、リゼさん」

 

リゼ「ベストは手作りのため、今のものを手直しする!」

 

ココア「リゼちゃん、何かこの売り場、すごく殺気立ってるんですけど、無理だよ〜」

 

リゼ「そんなことはないっ 私が手本を示す!」

 

チノ(大丈夫でしょうか…)

 

リゼ「突撃〜」

 

ドンっ

 

ココア(リゼちゃんが、バーゲン売り場の人だかりに弾き返された!)

 

リゼ「くっ もう一度! 今度はもっと弾みをつけて!」

 

リゼ「えいっ」

 

ドドンッ

 

チノ(やっぱり弾き返されました)

 

リゼ「私でもダメか。ココア、お前が行ってみるか…」

 

ココア「えーやだよー。リゼちゃんがダメなのに、私が出来るわけないよ〜」

 

???「お困りのようですね」「久しぶり〜」

 

チノ「あなた方は…」

 

ココア「チョコちゃんとシャロちゃん!」

 

チョコ「しばらくぶり〜ココアちゃん、チノちゃん、リゼ先輩」

 

シャロ「リゼ先輩、チノちゃん、ココア、こんにちは」

 

リゼ「見ての通り、ラビット・ハウスの制服が古くなったので、シャツとスカートを買おうとしているのだが、売り場に全く近づけない!」

 

シャロ「じゃ先輩、私達にお任せ下さい。いくよ、チョコ」

 

チョコ「了解!」

 

タタタタ

 

チノ「すでに人だかりの中にっ」

 

タタタタ

 

シャロ「リゼ先輩、お待たせっ」

 

チョコ「無地のシャツとスカート、確保しましたっ」

 

ココア「…速い、速すぎる」

 

リゼ「おお、ありがとう、シャロ、チョコ。人数分は足りてるけど…ちょっとチョコ、悪いな…」

 

チョコ「何ですか、リゼ先輩…」

 

ゴニョゴニョ…

 

チョコ「了解、ではもう一度行ってきます」

 

タタタタ

 

リゼ「忍者みたいだな、まるで」

 

タタタタ

 

チョコ「はい、お待たせしました、リゼ先輩!」

 

リゼ「悪いな、チョコ」

 

チョコ(シャロ、千夜ちゃんとマヤちゃんメグちゃんに、何故か私の分、シャツとスカートです…サイズは考慮してます)

 

ココア・チノ「シャロちゃん(さん)、チョコちゃん(さん)、ありがとう(ございます)」

 

シャロ・チョコ『私達に、買えない特売はないのよ!』ビシッ

 

リゼ(怪盗ラパンのポーズ?)

 

シャロ「それじゃ、行くわよチョコ、あと2店舗、野菜の特売とタイムセールを確認するの」

 

チョコ「確認後、品質と価格を考慮し、良い方を購入だねっ」

 

シャロ「そのとおりだわ。それでは、リゼ先輩、チノちゃん、ココア、ごきげんよう!」

 

チョコ「失礼しますっ またお会いしましょう、皆さん!」

 

タッタッタッタッ

 

チノ「行ってしまいました…」

 

ココア「凄いなあ、チョコちゃん。見た目は同じなのに、私とああも違っちゃうんだもん」

 

リゼ「とにかく、任務は終了だ。ラビット・ハウスにもどるぞ!」

 

チノ・ココア「はーい」

 

ドタドタドタ

 

チノ「なんか、来ましたよ」

 

????「はあ、はあ」

 

ココア「貴女は、青山ブルーマウンテンさん!」

 

青ブルマ「あ、あの、シャロさんたちは…」ゼエ、ゼエ

 

リゼ「ああ、もう、と〜っくに向こうの方に行ってしまったけど」

 

青ブルマ「観察で追いかけてたんですけど、速すぎて追いつけません…」

 

チノ(あの速さを追いかけるのは無理ですね…)

 

ココア「頑張ってくださいね、青山さんっ」

 

青ブルマ「はい、がんばります」フラフラ〜

 

リゼ(青山さんも行っちゃった。あれを追いかけるには、トライアスロン並みの体力が必要だな…)

 

チノ「無理しないでくださいねー 青山さあん!」

 

 




少し更新に間が空いてしまいました。すみません。
幻の原作(単行本化の際に削除)の、甘兎庵は時代劇『暴れ狼兎右衛門捕物帖』のOST(オリジナルサウンドトラック)が流れている設定を活かしてみました。

この拙いssをお読みくださいまして、ありがとうございました。

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